遺言作成時に入れておくべき条項とは? 付言事項、予備的条項、遺言執行者の指定

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遺言作成時に入れておくべき条項とは? 付言事項、予備的条項、遺言執行者の指定 事件簿シリーズ⑰ 

 

「遺言書に入れておくべき条項の種類を教えてください」

「なんで遺言書に色々と条項を入れておくべきなのでしょうか」

 

遺言書を作成した時、なにか一文足しておくべきなのかな、と不安になったりしませんか?

もしくはまだ遺言書を作成したことがない方も、それでは契約書を思い出してください。

なにか契約を結ぶときこの条項はどういう意味だっけ、何か足しておくべき条項はなかったかな等と考えたことはありませんか?

今日は長岡行政書士事務所の面々と一緒に、遺言書作成時に入れておくべき条項を学んでいきましょう。

 

・・・・

 

長岡行政書士事務所の朝は早い。

それぞれ仕事を多くこなしているので、あくまでも自分のペースだが、早めに会社に来て自分なりに準備して一日に臨むのである。

 

・・・ん? なんか話し込んでる二人がいますよ。

 

ひまり:「いやユウ姉さん、あの新人のマキさんちょっと変わってるというか、仕事はきちんとしてるんですけどねぇ・・・さすが経験者、と感心してはいるんですけどね」

 

ユウ:「仕事できるならいいじゃないって言いたいところだけど、確かに変わってるわね・・・あなたの最初の頃のほどじゃないけど」

 

ひまり:「何言ってるんですか(笑) でも、マキさん、私の事いまだにひよりさんって呼ぶんですよね。もう何回も注意してるんですけど、ここまで聞いてくれないと自分の指導力に何か問題あるのかと自信なくします」

 

ユウ:「何言ってるの、私なんてタナカさんって呼ばれてるのよ。マリさんなんてスズキさんよ」

 

ひまり:「え!全然違うじゃないですか。その名前どこから来たんだろ・・・そのうちAさん、Bさん、なんて呼ばれるようになったりして」

 

ユウ:「相続花子さん、かも・・・」

 

マキ:「おはようございます! お二人とも、早いですね!」

 

二人:「お、おはよう! さ、仕事仕事・・・」

 

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遺言書が原因でトラブルを防ぐための条項を学ぶ

ひまり:「さて、マキさん、遺言書は亡くなった方の最後の遺志ですよね。残された大切な方々に自分の遺産を受け取ってもらって、皆に幸せになってもらうために書くものです。ところが、その遺言書が原因でトラブルになるケースが実はあります。今日はトラブルを防ぐためのポイントを3つ紹介します」

遺言のトラブルを防ぐポイント①付言事項

ひまり:「一つ目は付言事項です」

 

マキ:「付言事項っていうと、あの遺言書中にある法的拘束力のない文言ですよね」

 

ひまり:「そう、遺言書の内容は、法的効力のある法定遺言事項と、法的効力のない付言事項に分けられます。じゃ、なんてわざわざ法的拘束力のない付言事項を遺言書にいれるんでしょうか?」

 

マキ:「えーと、やっぱり遺言書が財産の事しか書いてないと、味気ないからでしょうか」

 

ひまり:「うーん、味気ないわけじゃないんだけど・・・例えば「妻にこれ」「長男にはこれ」「次男にはこれ」など、結果だけを遺言書に書いたらどうでしょう。それはそれで簡潔でわかりやすいかもしれないけど、なぜそのような結果になったのかという過程はがわかりませんよね。過程がわからないと不満もでてくるかもしれないし」

 

マキ:「確かにそうですね。で、本人になんでこんなに私のは少ないんだ! と聞きたくても亡くなってますから答えが永遠にわかりませんね」

付言事項の具体例

ひまり:「そこで、付言事項を用いて遺言を作成した経緯や思いを伝えると、相続人の理解を得やすくなるんです。一般的に下記のような内容が付言事項によく記されます」

 

  • 残された家族への感謝の気持ち
  • なぜ遺言を作成しようと思ったのかという遺言の動機
  • 財産配分の意図や理由
  • 遺品の処分方法
  • 葬儀方法

 

マキ:「なるほど、結構多岐にわたって書いてもいいのですね。逆に付言事項で気を付けておくべきことはありますか?」

 

ひまり:「一番は付言事項に法的拘束力はないことですね。相続人はこれを読んだら理解してくれるだろう、従ってくれるだろうと考えるのでなく、絶対に従ってほしい相続については遺言書の本文で言及する必要があります。あとはなるべく簡潔にまとめることでしょうか。書いてるうちについ家族への思いが溢れて、内容が盛り込みすぎになると遺言書の本旨からは離れてしまうので注意しましょう」

 

付言事項の具体的な書き方

マキ:「わかりました。ところで、付言事項の具体例とかお持ちでないでしょうか。イメージをつかむためにもお見せいただくとありがたいです」

 

ひまり:「ありますよ、例えばこれは法定相続人でないけど介護をしてくれた長男の嫁に遺贈する場合の付言事項です」

この遺言は、長年にわたり次男の嫁である○○さんの苦労に報いるためにしたものです。

○○さんには、私の介護をお願いすることになり大変な苦労をかけしました。○○さんがいつもやさしく介護してくれたことには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。他の相続人は不満もあるかと思いますが、私の意を汲んで遺言の内容を遵守してくれることを希望します。

決して遺留分の請求をすることのないよう、よろしくお願いします。

 

マキ:「そっか、こういう一文を入れておけば、他の相続人がなんであの人は法定相続人でも内の遺産がもらえるの・・・と誤解することを避けられるのですね」

 

合わせて読みたい:遺言書の「付言事項」について行政書士が解説!遺言者の想いを込める

        「続・三匹のこぶた」で学ぶ!遺言者の想いが詰まった「付言事項」

遺言のトラブルを防ぐポイント②遺言者より先に相続人が死亡した場合の予備的遺言

ひまり:「次は予備的遺言について学びましょう」

 

マキ:「あ、それ以前少し学んだことがあります。確か財産を譲る予定の相手が遺言を作成した人より先に死んでしまった場合どうなるのか、ということですよね」

 

ひまり:「そうです。もし遺言作成者の死亡以前に遺産を相続させる予定の推定相続人が亡くなってしまった場合はその推定相続人に相続させる予定の財産に関しては何か特別な事情がない限り遺言がないものとして遺産分割の対象となってしまうことになります」

 

マキ:「遺言書は一大決心して皆さん作成しますけど、財産を譲る相手の健康状態までは予測不能ですものね・・・ところで、何かこの予備的遺言の例をいただけませんでしょうか。より理解に役立てたいと思います」

 

ひまり:「いいですよ。例えばですけど、Aさんが「Bに○○銀行の100万円を相続させる」といった遺言を遺したとして、Aの相続人はBさん、Cさん、Dさんだとします。その後Bさんが亡くなった後にAさんが亡くなった場合、Aさん名義の○○銀行の100万円は自動的にBの子に相続されないということです」

 

マキ:「自動的にBさんの子どもに引き継がれるわけではないのですね。じゃ、この100万円はどうなるんですか?」

 

ひまり:「Bさんの子とCさん、Dさんという相続人全員の遺産分割協議により財産の分け方をを決めることとなります。そのような状況にならないよう備えた遺言を予備的遺言といい、先ほどの最初の遺言に「Aの死亡前またはAと同時にBが死亡した場合Aの財産はBの子に相続させる。」という一文を入れておけば、仮にBさんが先に亡くなってしまっても遺言分割協議を避けることができます」

 

マキ:「遺言分割協議は相続人全員の参加と同意が必要ですものね、できれば避けたいですよね。よく理解できました!」

 

合わせて読みたい:相続人が先に亡くなった場合どうなるの?予備的遺言について解説!

        夫婦で一緒に遺言を残す方法!いざという時に備えて第2順位の相続人まで指定できる?

遺言のトラブルを防ぐポイント③遺言執行者を指定し遺言を実現する

ひまり:「遺言に入れておくべき条項の最後に、遺言執行者の指定を挙げておきます。ちなみに、マキさんは遺言執行者って知ってますか?」

 

マキ:「遺言者が亡くなった後、遺言の内容を実現するために手続きする人ですよね。必ずしも遺言執行者は選任する必要はありませんが、選任することで遺産の名義変更などの作業がスムーズに進むなどメリットが多いと記憶しています」

 

ひまり:「そう、遺言者が遺言で指示したことが実現するように、財産目録の作成や預貯金の払い戻し、相続人への分配、不動産の名義変更、寄付などを行います。ちょっと細かく説明すると、遺言書で与えられる遺言執行者の代表的な権限は下記のとおりですね」

 

合わせて読みたい:遺言書が見つかったら!遺言執行手続きとその流れについて解説

民法改正による遺言執行者の権利義務の違いは?「こんなとき相続どうするの⁉」

遺言執行者がする執行具体例

  • 相続人調査・相続財産調査
  • 財産目録の作成
  • 貸金庫の解錠、解約、取り出し
  • 預貯金払い戻し、分配
  • 株式の名義変更
  • 自動車の名義変更
  • 不動産の登記申請手続き
  • 寄付
  • 子どもの認知
  • 相続人の廃除とその取り消し
  • 保険金の受取人変更

 

マキ:「確か人に関する行為は遺言執行者しかできないんじゃなかったでしたっけ?相続人の廃除や取り消し、子どもの認知とかですよね。あと相続税の申告は相続人の義務だから遺言執行者はできないんですよね」

 

ひまり:「そう! さすが経験者、あっという間に追い越されそうね(笑) この遺言執行者は遺言書に遺言執行者になってもらいたい人の氏名や住所を書き込み、「遺言執行者として選任する」と書けば指定が完了します。やはり遺言を作成するときにはその円滑な執行のところまで考えておくと、後々残された人たちが助りますね」

 

マキ:「さすがひより先輩、先の事まで考えた仕事って、プロですね!」

 

ひまり:「ひまりだけどね」

 

 

付言事項、予備的条項、遺言執行者指定の条項を活用して遺言書作成

遺言を作成するだけでなく、思いもよらなった事態や自分が亡くなった後の遺言執行の事まで考えて付言事項、予備的条項、遺言執行者の指定といった条項を遺言書に入れておくことをお勧めします。

とはいえ「思いもよらなかった」事態ですから、文言をどう書いていいかとかわからないことも多いですよね。

そのような場合はぜひ専門家にアドバイスを求め、より円滑な相続を目指してください。

長岡行政書士事務所は相続の経験が豊富にあり、皆様の想いに寄り添った相続のお手伝いをさせていただきたいと考えております。

おやっと思ったら遠慮なくご相談をお待ちしております。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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