遺言書に不備や誤字があったら?効力や修正方法について行政書士が基礎知識を解説!

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【遺言リテラシー向上委員会】もしも遺言書に内容の不備や誤字があったら?

こんにちは、長岡です。

 

最近、リテラシーという言葉をよく耳にしますよね。ITリテラシーとか、金融リテラシー、ヘルスリテラシーなどが代表でしょうか。

 

リテラシーとは、もともとは「読み書きの能力」という意味ですが、最近では特定の分野に関する知識や、知識を活かす能力を示す意味でも使われています。

 

さて、遺言書に不備や誤字があったらどうなるか、ご存知でしょうか。

今回は、遺言にまつわるリテラシー、つまり遺言リテラシーをアップさせるために、ぜひチャレンジしてほしい模試をご用意いたしました。問題形式で遺言書の基礎知識を解説します。

 

これで高得点を取ることができれば、「私、遺言リテラシー高めだから」と自慢していただける内容になっています。

 

では、さっそく始めてみましょう!

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遺言書には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2種類がある

問:「遺言書」と一言で言われがちだが、遺言書には主に2種類がある。何と何か?

答え:自筆証書遺言と公正証書遺言

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自筆証書遺言の基礎知識

問:自筆証書遺言は、遺言者が遺言書の『全文』、『日付』、『氏名』を自分で書くが、加えて何をして完成となるか?

答え:押印。民法968条1項で定められている。

 

問:自筆証書遺言は遺言者一人で書くことができるか?

答え:できる。証人や立会人を必要としない。

 

問:自筆証書遺言には厳格なルールが定められているが、その理由は何か?

答え:遺言者の最終意思の確認を確実にするため。

 

問:平成30年の法改正によって一部自筆証書遺言の方式が緩和され添付する『財産目録』について変更がなされた。どんなことについて緩和されたか?

答え:手書きの必要はなくなった。パソコンで作成した財産目録を別紙として不動産の番地、預金の金融機関と口座番号などのリストを添付することができる。財産目録のリストにはページごとに署名、押印は必要だが、その他には特段の要式性は求められない。パソコンなどによる作成はもちろん、他の人による代筆、不動産の登記簿証明や預金口座の写しなどを添付することも可能になっている。

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 公正証書遺言の基礎知識

問:公正証書遺言は、遺言者が公証人の前でどういう方法で遺言を伝えるものか?

答え:口頭で伝える。それに基づいて公証人が遺言の内容を文章化して作成する。作成後は、公証人が筆記したものを遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させ、遺言者と証人が筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押す。民法969条で定められている。

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問:公正証書遺言の要件として、立ち合いの証人は何人必要か?

答え:2人以上

遺言書の内容に誤りがある場合の効力と訂正方法

ここからは、遺言書の内容に誤りがある場合の効力と訂正方法について解説します。

公正証書遺言に不備・間違いがあった場合の効力と訂正方法

問:公正証書遺言に誤字脱字などの間違いがあった場合、遺言書効力発動後、内容を認定してもらうことは可能か?

答え:不可能。例えば公正証書遺言に記載されていた不動産の所在地と登記簿記載の所在地が異なっていた場合には、同一の不動産として認定してもらえない可能性がある。

 

問:公証役場に保管されている公正証書遺言の場合に間違いがあり、訂正箇所を正しい内容にしたい。一般的な方法はどのようなものか?

答え:遺言書の原本を差し替える。その際、最初の公正証書遺言の手続きと同様の要件のもとに作成していく。

 

問:公証役場に保管されている公正証書遺言の場合に間違いがあり、遺言書の原本を差し替えたい。そのとき持参するべきものは何か?

答え:発行から3ヶ月以内の印鑑登録証明と印鑑。公証人と立会人2人以上の同席のもと、前回の遺言書の内容を撤回する旨を伝えて署名捺印する。新たな公正証書遺言書の中に作成年月日を記載し、前回作成した年月日とその遺言書の内容を撤回する旨を記すことで遺言書の内容変更できる。

 

問:公正証書遺言で誤字が見つかった。内容そのものに変更はないが、誤字修正の対応をするために必要な手続きはどんなことか?

答え:「誤記証明書」の発行手続き。必要書類や公正証書遺言を作成する場合のような手続きは必要ない。

 

問:公正証書遺言の誤字修正をするために誤記証明書を発行してもらうには、誰に依頼するか?

答え:公証人。誤記証明書に公証人が誤記部分を特定し、正しい記載内容とその根拠となる資料を記載し、署名捺印をして作成する。費用はかからない。

 

問:公正証書遺言を自ら訂正することはできるか?

答え:できない。自分で直接訂正してしまうと偽造・変造にあたる。誤記を見つけた場合には必ず誤記証明を受けるべき

 

問:公正証書遺言に添付して事前に提出した書類などに誤りがあった。誤記証明書ですべて対応可能になるか?

答え:ならない。誤記証明書で訂正可能なものは、付属書類や戸籍謄本などの関係書類、公正証書遺言の他の記載部分と照らし合わせて誤記が明らかな場合に限られる。

自筆証書遺言に不備・間違いがあった場合の効力と訂正方法

問:自筆証書遺言内容に間違いがあり、訂正箇所を正しい内容にしたい。その場合どのような作業が必要か?

答え:遺言者が訂正箇所を指示し、変更した旨を書き加える。ただし、変更した場所に押印しなければ無効となる。民法968条で規定されている。無効を避けるため、書き直すほうがおすすめ。

 

問:自筆証書遺言内容に間違いがあり、訂正箇所を正しい内容にしたい。訂正箇所はどんな方法で指示するのがよいか?

答え:訂正箇所に二重線を引き、訂正印を訂正箇所の二重線の近くに押す。訂正前の文字が見えるようにしておき、訂正印は署名の横に使用した印鑑と同じものを使用する。

 

問:自筆証書遺言で誤字が見つかった。変更について決められたルールに従っていなければ、無効になるか?

答え:ならない。記載内容から書き加えたり除いたりするようなものではなく誰が見ても明らかな誤記については、遺言の効力には影響はない。些細な方式の違反を理由に遺言者の最終意思の実現を妨げることは妥当ではないという理由。

遺言の撤回に関する基礎知識

問:自筆証書遺言、公正証書遺言ともに、遺言者は撤回する権利を放棄することができるか?

答え: できない。遺言は、遺言者の最終意思に対して法が効力を与えてその意思を保護する目的のもとに制定されているため、遺言者は撤回する権利を放棄できない。民法1026条で規定されている。

 

問:自筆証書遺言、公正証書遺言ともに、遺言者は生存中何度まで撤回が可能になるか?

答え:何度でも可能。ただし、「今まで書いた遺言を撤回する」という旨の遺言書を作成し、遺言の効力をなくすという意味となる。遺言書の存在自体をなくすことはできない。

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 遺言書の訂正方法は行政書士にも相談できる

問:遺言書の訂正をするうえでわからないところがでてきた。どうすべきか?

答え:行政書士に相談すべき。ぜひお気軽にお尋ねください。

 

さて、結果はいかがでしたか?

 

1問5点の計算です。80点以上取れた方は、遺言リテラシーがかなり高いと言っていいでしょう。

 

一度遺言書を書いても、財産状況の変化や、家族の状況など生活が変化することも十分考えられます。

 

ですので、遺言書は定期的に見直すのがおすすめです。同時に、無効となってしまわないよう、より確実な方法で残すことが大切です。

 

「これから遺言書を作りたいけど間違いがないか心配だ」というかたは、ぜひ一度ご相談ください。

 

遺言リテラシーの高い方でも、もっとエキスパートな情報をお伝えすることができますよ。

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遺言書の訂正方法|誤字や遺言内容の不備があった場合の対処法

自筆証書遺言の訂正チェックリスト

□ 間違えた場所を指示しましたか?

□ 変更した旨を書き加えましたか?

□ 書き加えた部分に署名しましたか?

□ 変更場所に署名の横に使用した印鑑と同じもので押印しましたか?

公正証書遺言の訂正チェックリスト

□ 新たな遺言書に差し替えましたか?

□ 発行から3ヶ月以内の印鑑証明と印鑑を準備していますか?

□ 公証人と立会人の同席はできましたか?

□ 遺言書の内容撤回する旨を伝えて署名捺印できましたか?

□ 新たな公正証書遺言書の中に作成年月日を記載しましたか?

□ 前回作成した年月日とその遺言書の内容を撤回する旨を記しましたか?

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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