LGBT(同性)パートナー向け遺言書のポイントを6つ紹介!遺言で相続対策を

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LGBTパートナーの方の相続 ~遺言書が活きてくる理由と書き方~

ご相談者様:横浜市在住 50代男性

私は出会いに恵まれ、大切なパートナーと同居しております。
ただ、私は生まれつき体が弱く、最近特に体調がすぐれません。
預貯金や不動産、株といった資産を持っており、自分が亡き後はこれらをパートナーに遺したいと考えておりますが、残念ながら私の家族は彼との交際について理解してくれていません。実は私と同じような境遇の友人が最近亡くなり、彼のパートナーは相続の際に法律上の配偶者ではないという理由で今の家に住めなくなってしまったと聞きました。
このような話を聞くたびに不安になりますが、法律に詳しくないのでどうしたらいいかわかりません。何かアドバイスをいただけないでしょうか。

回答:長岡行政書士事務所 長岡

ご事情理解いたしました。

遺言書という方法を使うことで、パートナーの方に資産を譲ることが可能になります。

ただ、注意していただくポイントがいくつかあり、それを守っていただく事で有効な遺言書を作成することができます。大切な方のためにアクションを起こそうとするお気持ちはすばらしいと思います、一緒に考えていきましょう

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対策をしないとLGBT(同性)パートナーに遺産を残せない

自治体による「パートナーシップ宣誓制度」がスタートし、2021年現在すでに総人口の4割をカバーする広がりをみせています。

このパートナーシップ証明書の交付を受けることによって、公営住宅への入居が認められたり、企業によっては異性間の夫婦と同様の効果を期待できたりとメリットが存在しますが、法律上の制度ではないためLGBTのカップルにとってはリスクが存在します。

 

LGBT相続挿絵1

 

 

LGBT(同性)パートナーへの遺言書がないことで起こりうるリスク

相続では遺言書がある場合は故人の最後の遺志としてその内容が優先されますが、もし遺言書がない場合は法定相続と言って民法の規定に基づいて相続する人やその順番、割合までが決まってしまいます。

 

なので、まずは遺言書を書いて残されたLGBT(同性)パートナーを守ることが大切なのです。

 

でも、いざ遺言書を書くとなるとつい億劫になったり、書き慣れてる人はなかなかいないので二の足を踏んでしまうかもしれませんよね。

では遺言書がなく法定相続になってしまった場合起こりうる事態を考えてみましょう。

先ほど法定相続は民法に基づくと述べましたが、民法が法定相続人として最上位に規定する「配偶者」とは法律上の婚姻関係にある人のことを指し内縁の配偶者や同性のパートナーなどは含まれません。法律の保護を受けられないので、パートナーが死亡した場合に同性のパートナーにとっては以下のようなリスクが生じることが予想されます。

 

自宅を追い出されてしまうリスク

パートナーと生活をしていた自宅がパートナー名義であった場合には、パートナーが死亡するとパートナーの相続人が遺産を相続することになります。ここでいう相続人とは法律上の相続人であり、同居している同性のパートナーは法律上相続人と認められていません。

この、パートナーの遺産を相続した相続人は当該建物の所有権を取得することになりますので、所有権に基づいて明け渡しを求められることがあります。黙示の使用貸借契約が成立していたと主張するなどして、居住権を争うことができる可能性がありますが、相続人とのトラブルに巻き込まれるのは避けられません。

 

預貯金が引き出せなくなるリスク

どちらかの名義の預貯金口座を共有の生活費口座として利用している場合、パートナーが死亡してしまうとそのパートナー名義の預貯金口座は凍結されてしまうため、預貯金の引き出しができなくなってしまいます。預貯金口座の凍結を解除するためには、パートナーの相続人が金融機関に出向いて所定の手続きを行わなければなりませんが、同性のパートナーには法律上の権利はありませんので、そのような手続きを行うことはできません。パートナー名義の預貯金口座にご自身のお金が含まれているとしてもそれを証明することは難しいため、相続人の手に渡ってしまう可能性もあります。

 

親族に財産が全て渡ってしまうリスク

パートナーの財産は、パートナーが死亡した場合には基本的には相続人のものになります。パートナーが生前に財産を渡すと言っていたとしても、きちんと相続対策を行っていなければ、すべての財産は、パートナーの親族に持っていかれてしまいます。

LGBT(同性)パートナー向け遺言書の6つのポイント

LGBT相続挿絵2

 

ここまで紹介したように、LGBT(同性)パートナーとの間で相続対策をなにも行っていないと、様々なリスクが起こりえます。

そのため、同性のパートナーがいる場合には遺言書の用意など生前の相続対策が何よりも重要です。

養子縁組も一つの方法ですが、姓が変わったり年長者が養子になれなかったりと不便な点も多く存在します。

繰り返しになりますが、やはり遺言書を作り、法定相続を避け自分の遺志を優先させることが最善の方法です。

  • 公正証書遺言を使おう
  • 遺留分侵害に備える
  • 確実に実行してくれる人を手配しておく
  • 遺贈の仕方に気を付ける
  • 祭祀主催者(承継者)を指定する
  • 付言事項を書く

どのようなことがポイントなのか、一緒に見ていきましょう。

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公正証書遺言を使おう

 遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類ありますが、秘密証書遺言はあまり使われることがないのでここでは割愛いたします。

では自筆証書遺言と公正証書遺言ですが、どちらにも、メリット・デメリットがあります。自筆証書遺言はその名の通り自分で書くことができるので作成の敷居が低くコストが安いというメリットがありますが、あくまで自分で書くので、例えば知らずに形式を守らず書いてしまったりすると遺言書が無効になってしまいます。

合わせて読みたい>>遺言書の書き方・方式・注意点を行政書士事務所の事例と共に解説!

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同性カップルにとって、一番大事なことは無事にパートナーへ財産が残せるかどうかのはずです。ですので、無効にならないという安全性を考えると公正証書遺言をお勧めします。

合わせて読みたい>>公正証書遺言は自分で作れる!実際の作成方法や流れを行政書士事務所が解説

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遺留分侵害に備える

遺留分とは、法律で相続人に保障されている最低限の相続分の事を指します。

遺言書は法定相続に優先しますが、いかに遺言書でもすべての遺産配分を自由に決めることはできません。法律上相続する権利のある相続人は、この遺留分がもらえない場合は遺留分侵害額請求として後で同性パートナーに請求をする可能性があります。

同性婚の遺言書で遺留分が問題になるのは、現実的には親の遺留分です。なぜなら、兄弟姉妹には遺留分がないからです。親だけが相続人なら遺留分は遺産全体の3分の1と法律で決められているので、3分の2まではパートナーに遺しても遺留分の侵害にはなりません。ただ、パートナーがかつて異性と結婚していて子をもうけていたような場合は、たとえ何十年会っていなくてもその子に遺留分が発生します。この遺留分は遺産全体の2分の1になります。また、その子が亡くなっていて孫がいれば代襲相続といって孫に相続権が移るので注意してください。

この遺留分侵害請求は必ずしないといけないものではなく相続人次第というところはありますが、侵害請求に対しては金銭給付が原則です。なので急に現金を準備する必要からパートナーを守るためにも遺言書作成時に遺留分を考慮しておくことは大切です。

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遺言内容を確実に実行してくれる人(遺言執行者)を手配しておく

遺言内容を確実に実行してくれる人(遺言執行者)を手配しておくことも重要です。

遺言執行者とは、本人が亡くなったあと遺言の内容を実現するために必要な手続きを進める人の事を指します。遺言執行者は必ずしも選任する必要はありませんが、遺言執行者には相続財産の管理その他遺言執行に必要な行為をする権限が与えられますので、遺産の名義変更などの作業がスムーズに進むなど大きなメリットがあります。

パートナーを遺言執行者に指名しておけば、相続人の関与を受けることなく相続手続きを進めることができます。また、他の相続人と揉めそうな場合は、法律の専門家を遺言執行者に遺言書の中で指名しておけばパートナーを矢面に立たせず守ることができます。

遺言書を書くだけでなくその内容の実現にまで気を配ることで、より残されたパートナーに安心してもらうことができるのです。

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遺贈の仕方に気を付ける

LGBT(同性)パートナーへの遺贈の仕方にも気を付けましょう。

遺言によって財産を相続人以外の人に贈ることを遺贈といいます。そしてこの遺贈は特定遺贈と包括遺贈の2種類あります。

特定遺贈とは相続財産を、具体的に特定して遺贈することです。例えば、〇〇銀行〇〇支店の預金を遺贈する、等です。

一方、包括遺贈とは財産の全部または一部を遺贈することです。

 

  • 財産を全部遺贈する(全部包括遺贈)
  • 財産の2分の1を遺贈する(一部包括遺贈)

 

ここで気を付けるべき点は、一部包括遺贈の場合は財産の内容によってはパートナーと相続人が直接可顔をあわせて協議しないといけない遺産分割協議が必要となることです。そしてこの遺産分割協議は原則全員の合意が必要で、まとまらない場合は家庭裁判所での調停や審判が必要となります。パートナーと相続人が話し合いをすることにより、余計なトラブルを招く恐れがありますので、遺贈は特定遺贈か全部包括遺贈にするべきです。

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祭祀主催者(承継者)を指定する

祭祀財産を受け継ぐ人を祭祀主宰者といいます。

祭祀財産とは、亡くなった人の位牌、仏壇、墓石等です。パートナーの遺骨も祭祀財産に含まれます。そして祭祀財産は相続財産とは区別されるので、相続で引き継ぐわけではありません。パートナーに祭祀財産を引き継いでもらいたい場合は、遺言書で祭祀主宰者に指定しておきましょう。

自分もいずれ一緒のお墓に入りたいと願う際には、絶対に忘れてはいけないポイントです。

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付言事項を書く

遺言書の中にはお世話になった人への感 謝や自分が大切にしてきたものへの気 持ち等をを書く事ができ、この伝 える文章のことを「付言事項」といいます。

付言事項には法的拘束力はありませんが、トラブルを防ぐ効果があると言われています。

相続人の中には遺言書内の遺産の分配に不満を感じる人もいるかもしれませんが、付言事項でなぜそのような分配になったかの想いに触れることで、納得してもらえる可能性も高まるからです。また、家族に同性パートナーのことを話していない場合、付言事項で記載している人も存在します。このように、遺言書は遺産の分配を指示する書類だけではなく、自分がこの世に遺す最後のメッセージとしての役割も果たすことができます。

遺言書でLGBT(同性)パートナーでも夫婦と同様の権利を作れる

同性のパートナーがいる場合は、特に前もって相続の準備をしておかないといけません。

遺言書をうまく使うことで夫婦と同等の権利を作る、という気持ちを持ちましょう。

ただ、どうしても不明な点が出てきたり不安は感じてしまうものです。そのような場合は法律の専門家に相談することをお勧めします。

長岡行政書士事務所では皆様に寄り添う気持ちを大切にしておりますので、是非ご相談ください。

 

LGBT相続挿絵3

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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