LGBT(同性)パートナー向け遺言書のポイント!【転生して勇者になった行政書士 第5話】

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LGBT(同性)パートナー向け遺言書のポイント!【転生して勇者になった行政書士 第5話】

 

ふとしたきっかけで魔王が支配する世界に転生してしまった一人の男。

現代日本では行政書士として活躍していたが、異世界ではなんと勇者になってしまっていた。

戦士、魔法使い、僧侶とともに魔王を倒すべく旅に出ていた勇者一行の前に、ひとりの年老いたスライムが現れる。

しかし、スライムはなぜか戦う意欲がなさそうで、仲間に入りたいという雰囲気でもない。

戦闘前から、おいおいと泣くばかりのスライムに、勇者一行も気の毒になり、身の上話を聞いてやることにした。

すると、思いがけない悩みが飛び出した。

なんとスライムは(見た目はつんつるだが)もうすでに年老いており、パートナーに遺産を残したいという。

しかし、性別がないスライムが遺言を書こうとしたところ、LGBTではないかと話になりパートナーに遺産が残せるのかと、魔界で紛糾してしまっているという。

さて、元行政書士だった勇者は、このスライムを助けることができるのか?

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パートナーに資産を譲るためには遺言書を検討

戦士「…なんてこった、スライムの世界でも遺産の悩みってあるんだな…」

僧侶「そもそも、モンスターに性別の概念があったということが驚きだわ」

スライム「性別があるモンスターもいれば、ないモンスターもいるんです。実際、私たちが子孫を残すときには分裂して増えていくわけでして」

魔法使い「魔王も頭を抱えていそうじゃのう…」

スライム「そこなんです。さすがの魔王様も、こればかりは人間界の法律を参考にしたほうがいいんじゃないかって話してまして。でも、勇者様に相談できる立場ではないので」

戦士「そりゃそうだ。というか、相談しに来てくれて、話し合いができて、結果的に平和になりゃ一番なんだけどな」

スライム「あの方、ガンコですから」

僧侶「ねえ、勇者さん。こういう場合、なにかいい方法あるの?」

戦士「ふむふむ。あるのはあるんだな。遺言書を使うことで、パートナーのスライムに資産を譲れるんだと」

僧侶「でも注意すべきこともありそうね」

スライム「ぜひ教えてください!」

LGBT(同性)パートナーは法定相続人にはなれない

僧侶「人間界では、自治体による「パートナーシップ宣誓制度」がスタートしてるわよね。パートナーシップ証明書の交付を受ければ、公営住宅への入居が認められたり、企業によっては異性間の夫婦と同様の効果を期待できたりするそうね」

魔法使い「じゃが、法律上の制度ではないからのう。同性カップルにとってはリスクもあるわけか」

戦士「相続では遺言書があると故人の遺志として優先される。ここまでは今まで、魔法使いのじいさんのすったもんだで俺たちも理解したよな」

魔法使い「すったもんだとはなんじゃ」

 

合わせて読みたい:独身の場合の法定相続人は誰?独身者が遺言を残すポイントを解説

法定相続に入れないパートナーを守れなくなる

僧侶「 勇者さんが言うには…もし遺言書がなかったら、法定相続になるのよね」

スライム「法定相続?」

僧侶「民法の規定に基づいて相続する人やその順番、割合までが決まってしまうわけ。だから遺言書を書いて残された同性パートナーを守らないといけないのよ」

スライム「もしその法定相続になったらどうなるんですか?」

戦士「民法ではな、配偶者ってのは法律上の婚姻関係にある人だって規定してるんだよ。だから内縁のパートナーとか、同性のパートナーはこの配偶者とは認められてないんだ」

スライム「でも、私たちは愛し合ってるんです!」

僧侶「その気持ちはよくわかるわ。でも人間界では、法律の保護を受けられないから、パートナーが亡くなっちゃったら、同性のパートナーにリスクが出てきちゃうのよね」

魔法使い「おっ、勇者さんの宝の地図が光りはじめたぞ。宝の地図という割には、法律の解説しか浮かび上がらん地図じゃがのう。AI美女図鑑でも浮かび上がらせてくれりゃもっと楽しいんじゃが」

戦士「本当にろくでもねえじいさんだよな」

魔法使い「ふむ、今回の場合のリスクは3つあると出ておるな」

遺言書を遺さない場合の同性パートナーへの3つのリスク

同性パートナーとして、法定相続人になれない、そしてどちらも遺言書を作成しないということがどのようなリスクがあるかを見ていきましょう。

自宅を追い出されてしまうリスク

パートナーと生活をしていた自宅がパートナー名義であった場合には、法律上の相続人が遺産を相続する。同居している同性のパートナーは法律上相続人と認められていない。相続人は当該建物の所有権を取得することになりますので、所有権に基づいて明け渡しを求められることがある。黙示の使用貸借契約が成立していたと主張するなどして、居住権を争うことができる可能性もあるが、トラブルになる可能性がとても高い。

 

預貯金が引き出せなくなるリスク

どちらかの名義の預貯金口座を共有の生活費口座として利用している場合、パートナーが死亡してしまうとそのパートナー名義の預貯金口座は凍結されてしまう。凍結を解除するためには、パートナーの相続人が金融機関に出向いて所定の手続きを行うしかない(同性パートナーには法律上の権利がないのでその手続きを行えない)。パートナー名義の預貯金口座にご自身のお金が含まれているとしてもそれを証明することは難しく、相続人の手に渡ってしまう可能性もある

 

親族に財産が全て渡ってしまうリスク

パートナーが死亡した場合、パートナーの財産は基本的には相続人のものになる。パートナーが生前に財産を渡すと口頭で言っていたとしても、遺言書で対策していなければ、すべての財産は、パートナーの親族に持っていかれる

 

スライム「…どれも、私にとっては「つうこんのいちげき」ですね」

戦士「まったくだ。敵ながら、なんだかスライムがかわいそうになってきたぜ…」

僧侶「でもそうならないために遺言書があるんでしょ、勇者さん? 諦めるのはまだ早いわ」

魔法使い「そうじゃ。「諦めたらそこでダンジョン終了ですよ」って誰かが言っていたじゃろ」

戦士「それ作品違いすぎ」

僧侶「同性パートナー向け遺言書を作るうえで、大きなポイントとなるのは6つね。ひとつひとつ解説していくわね」

LGBT(同性)パートナー向け遺言書作成の6つのポイント

パートナーとして遺言書を作成しないリスクはお話しいたしました。では、そのパートナーに遺言書を作成する際のポイントを見ていきたいと思います。

公正証書遺言を使う

自筆証書遺言は、あくまで自分で書くものなので、形式を守らず書いてしまうと遺言書が無効になる。無事にパートナーへ財産が残せるように、無効にならないリスクを回避して公正証書遺言がよい

遺留分侵害に備える

遺言書でもすべての遺産配分を自由に決めることはできない。法律上相続する権利のある相続人は、遺留分(法律で相続人に保障されている最低限の相続分)を請求をする可能性がある。同性婚の遺言書では、計算上、3分の2まではパートナーに遺しても遺留分の侵害にはならないが、パートナーが以前異性と結婚していて子がいるような場合はその子に遺産全体の1/2の遺留分が発生する。もし侵害請求されたら金銭給付が原則なので、急に現金を準備する必要が出てくる。そのため、遺言書作成時に遺留分を考慮しておかなくてはならない

 

遺言執行者を手配しておく

遺言執行者とは、本人が亡くなったあと遺言の内容を実現するために必要な手続きを進める人。遺言執行者には相続財産の管理など遺言執行に必要な行為をする権限が与えられるので、遺産の名義変更などの作業がスムーズに進む。パートナーを遺言執行者に指名しておけば、相続人の関与を受けることなく相続手続きを進めることができる。他の相続人と揉めそうな場合は、遺言書の中で法律の専門家を遺言執行者に指名しておけばパートナーを矢面に立たせず守ることができる

 

遺贈の仕方に気を付ける

財産を相続人以外の人に贈る「遺贈」には特定遺贈と包括遺贈の2種類がある。特定遺贈とは相続財産を、具体的に特定して遺贈すること。包括遺贈とは財産の全部または一部を遺贈すること。一部を包括遺贈するとき、財産のパートナーと相続人が直接可顔をあわせて遺産分割協議が必要となることがある。遺産分割協議がまとまらなければ家庭裁判所での調停や審判となるため、パートナーと相続人が話し合いをする上でトラブルの可能性は低くない。したがって、遺贈は特定遺贈か全部包括遺贈にするべき。

 

祭祀主催者(承継者)を指定する

祭祀財産とは、亡くなった人の位牌、仏壇、墓石などのこと。祭祀財産は相続財産とは区別され、相続で引き継ぐわけではないので、パートナーに祭祀財産を引き継いでもらいたい場合は、遺言書で祭祀主宰者(祭祀財産を受け継ぐ人)に指定しておく。ちなみに、パートナーの遺骨も祭祀財産に含まれる。

 

付言事項を書く

遺言書で、感謝の気持ちやメッセージを示した文章を付言事項という。付言事項には法的拘束力はないが、トラブルを防ぐ効果があると考えられている。遺言書内の遺産の分配など、なぜそのような分配になったかの想いに触れることで、納得してもらえる可能性も高まる。家族に同性パートナーのことを話していない場合、付言事項で記載している人も少なくない。

遺言書で同性パートナーでも夫婦と同等の権利を作れる?

戦士「なるほどな。どのポイントも納得できるものばかりだぜ。さすが勇者さんだな!」

スライム「ええ…でも、もう少し、それぞれを詳しく勉強する必要もありそうですね」

魔法使い「確かにの。公正証書遺言の作り方とか、遺留分の詳細とかは、もっと深く知っておいた方が気持ち的に安心じゃろう。ほれ、スライムだから瞬間移動魔法を使えんじゃろうから、旅の扉を用意しといたぞ。ここからリンク先に行けば、スライムがもっと知りたいこともわかるじゃろう」

前もって相続の準備をしておくことで同等に近づく事はできる

先ほど見てきた遺言書の作成6つのポイントを詳しく読みたい方は次の過去記事をご参考ください。

僧侶「気が利くわね! なんだかんだ言って、いいところあるじゃない」

魔法使い「フ…惚れんじゃねえゼ…チューくらいなら許してやろう」

僧侶「アタマかち割んぞ」

戦士「ま、同性のパートナーがいる場合は、特に前もって相続の準備をしておかないといけねえってのは確かだな」

大事なLGBTパートナーには遺言書作成が必須

僧侶「遺言書をうまく使うことで夫婦と同等の権利を作る…か。まずはその気持ちを持ち続けることが大事よね」

スライム「勇者さんや皆さんがこんなに良くしてくださるとは…。あの、私、よければぜひ皆さんのお仲間にしてもらえませんでしょうか? こう見えて、いまの魔王様がヨチヨチ歩きのときからお世話係をしていましたので、少しでも平和の橋渡しになれればと…」

戦士「だってよ、どうする勇者さん?」

僧侶「聞くまでもないって顔してるわね」

スライム「やったあ! ありがとうございます! あ、でもパーティは基本4名編成ですよね? 誰か残るんですか?」

魔法使い「…おい、全員でワシを指さすんじゃない!!!」

 

この記事を詳しく読みたい方はこちら:LGBT(同性)パートナー向け遺言書のポイントを6つ紹介!遺言で相続対策を

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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