経営者が遺言書を書くときの注意点を行政書士が解説!子に事業を承継させるためにも遺言を活用

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事業承継には遺言が有効と聞いたことがありますが、具体的にどう有効なのかと聞かれるとピンとこない方も多いのではないでしょうか。

遺言は株式や財産を後継者に集中させるのに役立つ、と言われています。

しかし、そうなると他の相続人の方々に不満が残り、後々トラブルに発展しないでしょうか。

今日は実際に事業承継のお手伝いを経験された横浜市港南区の長岡行政書士様に、会社経営者が子に事業を承継させたい場合の遺言の活用方法を伺ってみたいと思います。

会社経営者が遺言書を書くときの注意点も紹介するので、子に事業を承継させたい方はぜひ参考にしてみてください。

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遺言書で株式・事業用資産・資金などの資産を承継できる

本日はよろしくお願いします。

早速ですが、横浜市の長岡行政書士事務所にも、事業承継に関する相談に来られるお客様は多いのでしょうか。

 

インタビュー写真

長岡:

こちらこそ本日はどうぞよろしくお願いいたします。

はい、率直に申し上げて、事業承継についての相談は増えています。近年特に中・小規模事業者の経営者様の高齢化が進む中、事業承継は重要な経営課題になっています。

 

経営状態は良好にもかかわらず、後継者不在により廃業せざるを得ない中小企業が社会問題化しているとも聞きますよね。そうなると、子が会社を継いでくれるというのは得難いチャンスなのかもしれませんね。

 

長岡:

そうですね、なので60代に入る前からご相談にいらっしゃる経営者様も多いです。

おおまかに申し上げて事業承継、つまり次の方に事業を引き継ぐ場合、主に次の3つの承継が必要となります。

  • 人(経営)の承継
  • 株式・事業用資産・資金といった資産の承継
  • 経営理念・従業員の技術・ノウハウ・経営者の信用・取引先の人脈・顧客情報・知的財産・許認可といった無形資産の承継

特に②の経営に必要な株式その他の資産を集中させることに関して、我々がお手伝いできる分野だと言えるでしょう。

この時に必要となるのが、遺言書の作成です。経営者にとって、遺言書は不可欠な存在だといえるでしょう。

経営者が遺言を残すべき理由

経営者が遺言を残すべき理由としては、次の3つが挙げられます。

  • 会社を他人の乗っ取りから防ぐ
  • 株式の分散を回避する
  • 事業用資産を持続的に使える状態にする

それぞれポイントを解説します。

会社を他人の乗っ取りから防ぐ

株式会社の経営者は、株式を保有していることが多いでしょう。当然、株式にも財産的な価値があるため、相続財産の対象となります。

もし遺言書を残していないと、遺産分割協議によって相続財産の分け方を決めることになりますが、このとき株式が分割されて相続される可能性もゼロではありません。

遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きです。

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たとえば会社経営に携わっていない相続人が多くの株式を相続し、さらにはその株式を他人に譲渡してしまうと、最悪のケースでは会社の経営権を奪われてしまうかもしれません。

このような可能性を排除するためにも、株式を保有している経営者は遺言書で株式の相続人を決めておく必要があります。

株式の分散を回避する

株式を他人に譲渡されないとしても、相続人の間で株式が分散することは望ましい状態とは言えません。

もし遺言書を残しておらず、法定相続分に応じて株式を分割して相続した場合、会社の意思決定に支障が生じるケースもあります。

そのため遺言書によって、会社を引き継ぐ子どもに株式を集中させて相続させる事例も多いです。

事業用資産を持続的に使える状態にする

とくに中小企業の場合は、経営者名義の資金も事業用運転資金として使っていることがあります。

このような状態で資金が分割されて相続されると、やはり会社運営に支障が生じるかもしれません。たとえば次のようなケースでは、遺言書作成時に注意が必要です。

  • 役員貸付金・役員借入金がある
  • 代表者名義の不動産に会社のオフィスがある
  • 売上が代表者名義の口座に入金される
  • 役員報酬の未払いがある

本来、会社(法人)と代表者(個人)の財産は分けて管理されるものですが、実務上はこのような状態になっていることも少なくありません。

これら法人と代表者の財産が関係している箇所についても、遺言書によって会社を引き継ぐ子どもに相続させた方がスムーズでしょう。

事業承継を目的とした遺言書を作るときの注意点

経営に必要な株式その他の資産を集中させるお手伝いの内容を具体的におしえていただけますか。

 

長岡:

先代経営者が何の対策も講ずることなく死亡した場合、株式も含めた財産の相続は民法の定めに従い法定相続人が法定相続分に従って行われることになります。

もちろん、相続人の間で遺産分割協議を行うことにより後継者を決めることができれば問題ありません。

しかし、遺産分割協議は相続人全員の合意がなければ成立しないため、一人でも反対する相続人がいれば遺産分割協議は成立しません。

その場合、特定の者に経営に必要な株式その他の資産を集中させることは難しく、法定相続分を前提とした遺産分割では事業承継の成功は望めないと言えます。

このため事業承継を目的とした遺言書を作成するときは、次の3つの点に注意してください。

  • 後継者に経営に必要な株式と資産を集中させる
  • 公正証書遺言で作成する
  • 遺留分に気を付ける

後継者に経営に必要な株式と資産を集中させる

先述したとおり、遺言書がなく株式が分散してしまうと、会社経営上望ましくない状態になってしまいます。

そこで遺言という手段を用いることで法定相続を回避し、後継者に経営に必要な株式と資産を集中させ円滑な事業承継を行います。

公正証書遺言で作成する

後継者に財産を集中させる遺言書を作成すると、不満を持つ相続人もいるかもしれません。

遺言書そのものの有効性を争い裁判になるケースもあります。

そのため、事業承継を目的とした遺言書を作成するのであれば、公正証書遺言を用いることをおすすめします。

公正証書遺言は遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がこれを筆記して遺言書を作成する方式の遺言です。

多少の費用は掛かるものの公証人が作成し公証役場で遺言は保管されるため、検認手続の必要もなく、遺言書の無効等で争われる可能性も低いことから、非常に安全性の高い遺言です。

横浜市の長岡行政書士事務所でも、公正証書遺言の作成をサポートしています。

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なお、検認とは遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所に遺言書を提出して相続人などの立会いのもとで遺言書を開封し、遺言書の内容を確認することです。

公証人に作ってもらえるなら安心ですね。ちなみに、他に遺言書の種類はあるのですか?

 

長岡:

自筆証書遺言というのもあります。遺言者が、遺言の本文、日付及び氏名を自書し、押印することによって完成する遺言であり、文字を書くことさえできれば独力で作成できる遺言です。

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法務局において自筆証書遺言に係る遺言書を保管する遺言書保管制度が設けられたことにより、自筆証書遺言が非常に利用し易いものとなりました。

ただ、問題は遺言書の内容まではチェックしてもらえるわけではないので、形式に不備があると遺言書自体が無効になってしまう可能性があります。

事業継承のようなデリケートな案件では万全を期すためにやはり公正証書遺言をお勧めしています。

遺留分に気を付ける

ここまで紹介いただいた内容をふまえると、後継者に財産が集中するあまり、やはり遺産をもらえなかった人は不満が残り、後々問題になってきたりはしないでしょうか。

長岡:

可能性としては否定できません。さて、そこで事業継承目的の遺言書の内容に関して気をつけるべき点があります。それが遺留分です。

遺留分とは法律で保障された、後継者以外の相続人の最低限の取り分の事です。

つまり、いくら遺言書を残しても、遺産の100パーセントを一人の後継者に集中させることはできず、他の相続人にもある程度の遺産を分けてあげないといけないということになります。

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仮にこの遺留分を侵害してしまっても遺言自体は無効になることはありませんが、侵害された相続人が遺留分侵害額請求を行うことによりトラブルに発展するリスクがあります。

 

なるほど、では、具体的に、事業承継を目的とした遺言では、どのような遺留分対策を講じておくべきでしょうか

 

長岡:

事業継承に必要な遺産を後継者に渡してもまだ遺産が残るような場合は、遺言内でその他の相続人に遺留分を考慮した遺産を分割しておくことです。そのためにも、遺産をどう分けるかという点に関し経営者様と相続の専門家の話し合いが必要です。長岡行政書士事務所も、数多くの遺産作成や相続手続きに対応したエキスパートとして、スムーズな相続が実現できるようサポートしています。

問題は後継者に経営に必要な資産を承継させた後、残る相続財産の合計額がその他の相続人の遺留分に足りない場合です。このような場合は後継者からその他の相続人に代償金を払わせる遺言にすることにより、遺留分侵害によるトラブルを防止する方法が考えられます。

 

代償金とは、相続人のうち1人または数人が遺産を現物で取得する際、代わりに他の相続人に対し債務を負担するという遺産の分割方法です。

 

一度後継者に遺産を集中させて、その他の相続人の遺留分は後継者からあとで払うというイメージでしょうか。でもその場合は後継者にとって経済的な負担になってしまうのではないでしょうか。

 

長岡:

一つの方法としてですが、生命保険金は遺留分算定の基礎となる財産には含まれないことから後継者を生命保険金の受取人に指定しておくという方法があります。これにより後継者以外の相続人から遺留分侵害額請求をされた際の支払い原資を確保することが可能となります。

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遺言書で事業承継をした実際のケース

長岡:

直近ですと、70代の経営者の方から事業継承に関する相続のご相談をいただきました。

相続人は妻と子2人の計3人、財産は不動産と会社の株式です。子のうち1人は将来の後継者として既に会社の仕事を手伝っていますが、株式を所有していません。

そのため、仮にほかの人間に株式がわたってしまうと会社のコントロールが効かなくなることを心配してらっしゃいました。

また、相続の進行を専門家に任せることで相続に係わる皆様の負担やトラブルを軽減し、自分が亡くなった後も円満な関係が続いてほしいとのご希望がございました。

 

70代でも会社を経営されてらっしゃる方ですか。

 

長岡:

はい、お話させていただき、論理性や記憶力も全く問題ありませんでした。よって遺言を作成する能力、つまり遺言作成能力に問題はないと判断いたしました。

まずはお話を詳しく伺い、事業継承を完璧なものにすべく公正証書遺言を採用することに致しました。証人は2人必要なので、1人は私、もう一人は知人の専門家に依頼した次第です。

私の方で公正証書遺言に必要な書類を集め、また何度かに分けて本人様とヒアリングをさせていただき、遺言書の下書きを作成いたしました。

遺言作成の当日は公証役場に行き、本人に下書きをベースに口述、公証人に筆記したもらい、遺言者、証人2名、公証人が署名・押印を致しました。

私が遺言執行者に指定されている関係で、遺言書正本は当事務所で預からせていただきました。今後は円滑な遺言の執行に尽力したいですね。

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事業承継のための遺言書は資産集中と遺留分がポイント

円滑な事業承継のためには遺言の活用は不可避です。

この記事で紹介したとおり、事業承継のための遺言書は資産集中と遺留分がポイントになります。

事業承継を目的としている場合、どの遺言形式を使うのか考えたり、書類を集めたり、関係者の日程を調整したりと、決めるべきこと、やるべきことは多いです。

しかし、横浜市の長岡行政書士事務所では事業承継に係る相談を多くいただいておりますので、ご相談者様の想いに寄り添ったお手伝いをさせていただくことが可能です。

事業承継と遺言についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料で対応しています。

 

事務所額縁

 

 

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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