長岡行政書士インタビュー:独身者が知っておきたい相続の問題点

記事更新日:

おひとり様という言葉がよく使われるほど、独身の方が増えています。

ある調査によると日本の生涯未婚率は男性で28.25%、女性で17.85%だそうです。

これは男性の4人に1人、女性だと5,5人に1人が生涯独身ということですね。

このように、増加する独身者が自身の相続の事を考えた時、問題になるのはどんな事でしょう。

独身者の相続を扱われたご経験のある長岡行政書士に、本日はお話をうかがってみようかと思います。

 

お忙しい中お時間いただき、誠にありがとうございます。

さっそくですが、独身者の場合だとそもそも遺産を渡す配偶者や子供がいないのではと思うのですが。

 

 

長岡:

いえ、こちらこそありがとうございます。

独身イコール配偶者と子供がいないから遺産を渡す相手がいない、というわけではないんです。よく勘違いをされている方がいらっしゃいますが・・・

 

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独身者の相続で気を付けるべきこと

 

そうなのですね。よろしければ具体的にご説明いただけますでしょうか。

 

老後や将来の相続を決めておく

 

長岡:

はい、子供というのは法律の言葉で直系卑属といいますが、配偶者と直系卑属だけでなく父母や祖父母といった直系尊属も相続人になることができます。

 

親に遺産を残すことができるのですか。下の代にしかできないものかと思っておりました。

 

長岡:

直系尊属以外にもご自身に兄弟がいればその兄弟、父母が再婚で異父・異母兄弟がいる場合はそちらも相続人になれますよ。民法にはその旨と相続できる順番が明記されてあります。本日はあまり詳しくは述べませんが、

 

配偶者は常に相続人となる

第1順位:直系卑属(子や孫、ひ孫など)

第2順位:直系尊属(父母や祖父母、曾祖父母など)

第3順位:兄弟姉妹(亡くなっている場合には甥姪)

 

という4つのルールが定められています。

上位の順位がいない場合のみ下位におりてくるので、例えば直系卑属がいない場合に第2順位である直系尊属に、直系尊属もいない場合に第3順位の兄弟姉妹に相続の順番がまわってくる、となります。

また、遺産を分割する割合も決められています。例えば相続人が配偶者と直系卑属の子供2人の計3人なら配偶者に2分の1、残り2分の1を子供2人で分け合う(なので、子供一人当たり4分の1となります)となります。

 

なるほど。法律で決められていたのですね。

であれば独身者の相続もそれに従うだけでいいのでは?

 

長岡:

それがですね、この相続の仕方は法定相続というのですが、遺産分割協議といって具体的に遺産をどう分けるかを相続人が全員参加で話し合わないといけないのです。例えば相続財産が家しかない場合は家を売って換価して分配するか、もしくは誰かひとりが家を相続して残りの相続人に金銭を支払うか、といった選択肢がありますが、時には合意に至らず紛糾する場合もあります。特に独身者の方で一人地元を離れて長いような方ですとあまり親族の方とのつながりも強くないケースがあり、もう一つの相続の方法である遺言書による相続をお勧めしております。

 

遺言書による相続だと何が違うのでしょうか

 

長岡:

相続人や相続する財産を自分で指定できます。また親族以外にも遺贈と言って財産を贈ることができます。例えばですが、配偶者も子もいない、親もいなくて一人だけ兄弟がいるけどもう何十年も会ってないから、自分が共感する慈善団体に財産を寄付したい、といった希望も可能になります。

 

こちらの方が納得のいく相続ができそうですね

 

長岡:

そうですね、ただ、遺言による相続にも自分で書く自筆証書遺言と公証人に口述してもらう公正証書遺言というのがあり、より安心を求めるのであれば公正証書遺言をお勧めします。遺言書には決められた方式があり、自分で書いた場合ですとその方式が守られていなくて無効になってしまうリスクもあるからです。

 

まずは財産目録をつくるところから始めよう

 

長岡:

さて、まず第一歩目としてはご自身の財産を一度見直してリストにした財産目録を作成しておくといいでしょう。特に独身者ですとこれがないと万が一の時財産がどこにあるのがばわからず、残された人が苦労することになります。

 

なにか注意すべき点はありますか

 

長岡:

そうですね、財産目録に決まった書式はないのですが、

 

  • プラスの財産だけでなくマイナスの財産、つまり借金なども記載する
  • なるべく細かく記載し財産特定ができるように配慮する。不動産なら地番や家屋番号、預金なら金融機関名や支店名、など
  • 価格はいつの時点で何を基準にしたのかを明確にする

 

というところですね。

 

次に、財産の承継先を決めておく

 

長岡:

財産目録ができたら、それに沿って誰に財産を遺すのかを決めていきます。先ほど申し上げた通り親族が疎遠な場合は遺贈といって親族以外にも財産を遺すことができますので、これも選択肢の一つになります。ただ、気をつけなければいけないのは遺贈を受け取ってもらえない場合もあるという事です。

 

遺産をせっかくもらえるのに・・・ですか?

 

長岡:

はい、例えば不動産であれば管理費や固定資産税等の税金の負担も発生します。最近ニュースで見かけるようになったゼロ円別荘地とかもその類でしょう。また、遺贈の中でも包括遺贈という方式ですとプラスの遺産だけでなくマイナスの遺産までを一括して引き継ぐことになりますので、もしマイナスの遺産がある場合は遺贈を断られてしまうケースも出てきます。なので、なるべく事前に遺贈する相手に話をしてすり合わせを行っておくべきですね。

 

将来の任意後見人を決めておく

 

長岡:

特に独身者の場合、このお願いする人というのが重要になってくると思います。法律にはこのお願いをするという制度が存在し、高齢者になって判断能力が低下した場合でもうまくこの制度を使えばサポートが受けられます。

 

独身の方には特に気になる点かと思いますね。

このサポートというのは介護等とは違うのでしょうか。

 

長岡:

ちょっと違いますね。介護は身体的なサポートですが、私が申し上げたのは法律の面からのサポートです。後見制度といい、自分自身では契約や手続きが困難になってしまった場合に代行してくれてご本人の権利や財産を守ってくれる制度があります。

 

最近は高齢者を狙った詐欺も多いですから、後見制度をうまく使うことができれば心強いですね。

 

長岡:

そうですね。後見制度には、任意後見制度と法定後見制度がありますが、自分でどの範囲までの事務をまかせるのか、また後見人を自分で決めたい場合は任意後見制度を利用するのがいいでしょう。より自身の意向を反映させることができます。法定後見制度では家庭裁判所が後見人を選任し、後見事務の内容は法律で定めるとおりに決められてしまいます。

その他にもいろいろなことを「お願い」することはできます。

判断能力はあるけど高齢のため多額の財産の管理は心配だという場合は、財産管理委任契約を締結して専門家に財産の管理を依頼する契約を締結することもできます。また、本人の死亡により後見契約は終了するため、相続発生後の葬儀や後片付けなどの死後の事務を依頼する死後事務委任契約というのも存在します。

 

いろいろな「お願い」があるのですね。頭がこんがらがってきそうです

 

長岡:

今日はいろいろな方法があるのだな、という事だけ伝われば嬉しいです。サポートする方法はこの他にもありますので、困った時は我々の様な専門家に是非お尋ねください。

 

独身者が遺言書を作った実際のケース

 

長岡:

先日実際にご相談いただいたのは80代の独身男性からでした。

未婚で父母・祖父母が他界しており相続人がいないと思っていたのですが、かつて父の相続人調査をした際に半血の兄弟が一人いることが判明しました。

 

半血の兄弟、ですか?

 

長岡:

失礼しました。片方の親しか同じでない兄弟の事を法律用語で半血の兄弟、といいます。

ご本人様はこの半血の兄弟に会ったこともなく、こちらに相続をするくらいなら仲のいい知人に遺贈したいとのご希望でした。何度かの打ち合わせをおこなわせていただき、知人の方に遺贈する方向で遺言書を書くことに合意致しました。遺言書を用いれば遺留分といって法律で定められた遺産の取り分が兄弟には認められてないので、この半血の兄弟に遺産を残さないで済むからです。また、知人の方も年が近いので、万が一の時も考えて知人が先に死んだら遺産は慈善団体に寄付する旨を遺言書の中に入れることにしました。これを予備的遺言と言います。

 

半血の兄弟を詳しく知りたい方はこちら:新人補助者ひまりの事件簿⑧法定相続人の相続分~半血の兄弟編 第一順位と第三順位の違い~

 

万全の体制ですね。

 

長岡:

やはりこれくらい先を見据えて準備しないといけません。今の話で、知人の方が先に死んでしまって予備的遺言がなければ、遺言書自体が無効になって半径の兄弟に遺産がわたってしまうのです。これではご本人様の意思に反してしまいます。

また、打ち合わせを進めていく中で気づいたのですが、ご本人様は最近もの忘れがひどくなり運動能力や判断能力に自信を無くし、一人暮らしなので不安を抱えてらっしゃいました。その不安をなくすためにも任意後見制度を使い、ご本人様の財産や安全を守る手配を致しました。

 

なるほど。打ち合わせを進めていく中で不安を見つけて手を打ったのですね。

 

長岡:

皆様異なるご事情を抱えてらっしゃいますので、一つの解決策があればすべてに当てはまるというケースはあまりないですね。やはり丁寧な聞き取りと経験が大切だと思います。

さて、こちらのご相談者様には遺言書の、より安心な公正証書遺言を採用することにし、証人の手配や日程調整は私の方で行いました。事前にご本人様と打ち合わせを重ねて下書きを作成しておいたので、当日は本人は余裕をもって公証人に対し口述でき無事に署名・捺印まで完了することができました。

後々話を伺うと独身者ということでなかなか話ができず、特にこういった相続の問題は長いこと不安に感じていたそうです。長岡さんに話してよかったと言っていただけたのが本当に嬉しかったですね。

 

今日のまとめ

 

独身者の相続の場合は万が一の時周りが状況を把握できなくなってしまう可能性があるため、財産目録を作ってその財産をだれに受け継ぐかの検討をしておく必要があります。

また、法律のサポートを活用し自分で判断ができなくなった時に備えておけば、財産の安全とより安心につながります。

長岡行政書士事務所は独身者の場合も含めて相続全般に経験がありますので、是非一度ご相談ください。

 

長岡正面写真

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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