認知症の法定相続人がいるときのポイントについて行政書士が解説!

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認知症の法定相続人がいるときのポイントについて行政書士が解説!

 

認知症の法定相続人がいるけど実際の相続になったら手続きはどうなるのだろうか。判断能力がないままで遺産分割協議をしても問題にならないのだろうか。

そんな相続問題に関して、実際にどのように解決していけばいいのか。

そこで今回は、認知症の法定相続人がいる相続問題を、行政書士の監修のもと、ヒーロー戦隊風のストーリー形式で解説します。

 

やあ、よい子のみんな! 今日もちゃんとママのお手伝いをしているかな?

私たちは、後見戦隊ユイゴンジャー。私は隊長のユイゴンレッドだ。

高齢者で認知症になった方々を狙う悪の結社、ダマシテヤルー軍団と日々闘っている。

私たちの宿敵である、サーギー司令官とアクトクショウホー将軍…漢字で書くと、詐欺と悪徳商法だ。

高齢者の弱みにつけこんで悲しみを吸い取り、そのエネルギーで世界征服を企んでいる。だから私たちは、よい子のみんなとともに闘っているのだ!

さっそくだが、ユイゴンジャーの隊員を紹介しよう!

ユイゴンブルー:イケメン隊員。得意技「ニンイコウ剣(任意後見)」
ユイゴングリーン:ユイゴンジャーの頭脳。得意技「ホウテイコウ拳(法定後見)」
ユイゴンイエロー:カレー大好き。得意技「ジヒツショウ掌(自筆証書/遺言)」
ユイゴンピンク:紅一点の可憐な隊員。得意技「コウセイショウ粧(公正証書/遺言)」(特殊な「遺言書メイク術」)

よし、さっそく「認知症の法定相続人がいる場合の相続は可能かどうか」ということを、よい子のみんなと一緒に考えてみたい。

みんなはりきっていくぞ!

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認知症になった家族は相続を受けられる?

レッド「認知症になった家族は相続を受けられるかどうか…実に大切な問題だ。ユイゴンブルー、まずは相続の流れを説明してくれるか?」

ブルー「任せてくれ、隊長! 亡くなった方が遺言を遺してくれている場合は、基本的に相続の内容は遺言に従うことになる」

ピンク「例外はあるのかしら?」

レッド「さすがピンクだ。いい質問だ(…か、かわいい…♡)」

ブルー「ん? なんで隊長の顔が赤くなってんだ? ま、いいや。例外はあるぜ。財産を受け取る相続人全員が、遺言とは別の分け方で合意した場合だな。そんときは遺言分割協議が優先するんだ」

イエロー「給食のカレーを分けるときは、ちゃんとみんなで話し合わないと不公平になるべ」

ブルー「だいぶ状況は違うけど、まあおおむねそんなところだ。あと、遺言とは別に法律で認められた遺留分という権利がある。完全に遺言で相続のすべてを決めることはできないけど、遺言は故人の最後の遺志として最も尊重されているんだ」

グリーン「ひとつ気になることがあるのさ。認知症の家族は遺産分割協議に参加できるのかい、ブルー?」

認知症になると遺産分割協議に参加できない

ブルー「実は相続人のうちひとりでも認知症などで判断能力が低下していると、遺産分割協議自体に参加することはできないんだ」

合わせて読みたい:遺産分割協議とは?流れとポイントを行政書士が解説

 

ピンク「…ということは遺産分割協議を完了させられないってこと?」

レッド「そういうことになる。これは認知症の家族本人以外の、相続人にとっても大変不便なことだよな。故人の遺産が凍結されてしまうと原則的に銀行預金は降ろせなくなるし、不動産も処分できなくなってしまう」

イエロー「お葬式の費用とか、急にお金が必要になったときも、誰かが立て替えなきゃいけないべ。そのぶんカレーが食べられなくなるべ」

ブルー「…カレーは食べられるから心配するな。相続税の申告・納付期限は10カ月だけど、その期限までに遺産分割協議を終わらせないと、相続税の申告・納付ができずペナルティが発生するかもしれないんだ」

ピンク「ねえ隊長、何とかならないのかしら」

レッド「うむ。そこで我々が提案したいのが、成年後見制度だ(ピンク…♡)」

ブルー「また赤くなった。体調、風邪でも引いてるのか?」

認知症の法定相続人がいる場合の相続手続

レッド「わ、私のことは気にするな。世の中を助けたい熱い気持ちが顔に出ているだけだ…!」

イエロー「成年後見制度を知らないよい子がいたら教えてあげないといけないべ」

認知症の法定相続人がいる場合は成年後見制度を使う

レッド「そうだな。成年後見制度は、一人で法律行為をすることが不安だったり、できなくなった人の為に、家庭裁判所が成年後見人を選んで本人を保護してくれる制度のことだ」

グリーン「成年後見制度のもとでは、成年後見人が本人に代わって財産管理や重要な契約を行ってくれるのさ。仮に本人が騙されて契約してしまったりしてもその契約は無効となる。つまり、ダマシテヤルー軍団のようなやつらから、高齢者で認知症になった方々の利益を守れるってわけさ」

レッド「うむ。実は成年後見制度については、後見戦隊ユイゴンジャーの司令官である行政書士の長岡真也さんが本を出している。よい子のみんな、よければ読書感想文の参考図書にしてくれ! …立ち読みはダメだぞ!」

ブルー「少し話を戻すけど、遺産分割協議を完了させるために、相続発生後に成年後見人が本人に代わって協議に参加することができるんだ」

ピンク「それなら安心ね!」

レッド「でも、成年後見制度では2つのポイントに注意しなくちゃいけない。グリーン、説明を頼む」

親族以外が成年後見人になる可能性がある

グリーン「お任せあれ、隊長。まずひとつめのポイントは、親族以外が成年後見人に選ばれる可能性があるってことさ」

ピンク「家族からしたら親族が選ばれてほしいと思うんじゃない? だって成年後見人は本人の資産状況を把握したり、家庭内の事情も知ることになるだろうし」

レッド「そうだな(……♡)。だが、ここ数年は、家庭裁判所によって成年後見人に選任される人は親族の割合は下がり、外部の弁護士や司法書士、行政書士といった専門家などの割合が増えているんだ」

イエロー「どうしてだべ?」

グリーン「あくまでも成年後見人は本人の利益を守るべき存在だからさ。家族だと、相続のことなどで本人の利益を最大限守る判断ができない場合もあるからね」

ブルー「つまり、本人の利益より自分たちの利益を優先しようとする悪い心が芽生えてしまい、ダマシテヤルー軍団の思うつぼになるかもしれないってことだな! あぶないところだったぜ」

レッド「例えば、認知症の本人は高齢なのでもうお金も使わない。だったら資産を相続人のために遺していこうという要望が遺産分割協議で出てくるかもしれない。でも成年後見人は本人の利益を最優先で守るから、法定相続分の遺産額を主張することになるんだ」

ピンク「成年後見人はあくまで職務として関わる公平な立場ってわけね」

イエロー「もうひとつのポイントはなんだべ?」

成年後見人には報酬が発生する

グリーン「専門家が後見人に選任されると報酬が発生するってことさ。目安としては、月2万円から財産額によっては月5~6万円になることもあるのさ」

ピンク「報酬はいつまで続くの?」

グリーン「成年後見制度は原則として途中で中止することができないので、後見を受ける本人が亡くなるまで報酬が発生するのさ。つまり、長い目で見ると親族にとって経済的な負担となるかもしれないのさ」

イエロー「月2万円だったら、レトルトカレーなら…えっと、何杯分だべ?」

合わせて読みたい:成年被後見人になったら遺言書を作ることができるの?ポイントと対策も行政書士が紹介!

成年後見制度を使わない遺産相続方法とは?

ピンク「そもそも論だけど、遺産分割協議は必ずしなくてはいけないの?」

法定相続による方法

レッド「もし遺言が残ってなければ、法定相続を採用することもできる。この場合、民法が示している通りに遺産を相続人ごとに分割すればいい。遺産分割協議は必要ないんだ」

ピンク「もし認知症の家族がいる場合、話し合いに参加しなくていいなら、法定相続のほうがやりやすいのかしら?」

ブルー「確かに、不動産の相続登記などの相続手続きを行う際にも遺産分割協議書を提出する必要はなくなるから便利に見えるよな。でも、法定相続には問題がないとは言えないんだ」

法定相続では預貯金の手続きができない可能性

グリーン「例えば、銀行によっては預貯金解約や一部払い戻しの際に遺産分割協議書を求めてくるところがあるのさ。遺産分割協議書が求められなくても、相続人全員の印鑑証明書を提出しなければいけなかったりする。ということは?」

ピンク「…認知症の人を除外して手続きするのはかなり難しい」

レッド「そういうことになる。ピンク、いいところに気づけたな」

法定相続では不動産を全員で共有することになる

グリーン「そして不動産を法定相続で分けると、一つの土地や家を相続人で共有することになるのさ。遺産分割協議書を経ずに相続登記ができたとしても、その不動産はみんなのものだから、ひとりの意思で売却や賃貸ができなくなるのさ」

イエロー「それは大変だべ! 資産として活用できないべ!」

ブルー「ほかに「小規模宅地等の特例」や「配偶者の税額の軽減」といった相続税を抑える特例も、遺産分割協議ができなければ利用できない。つまり八方ふさがりってわけだ」

ピンク「…そんな、そんなのってないわ! 隊長、なんとかしてあげられないの!」

レッド「…ピンク、私を誰だと思っている。そう、私は後見戦隊ユイゴンジャーの隊長! 私に任せておけ!」

ピンク「隊長…かっこいい…!」

遺言書を作成する方法

レッド「認知症の家族がいる場合、遺産分割協議や法定相続だと、故人の気持ちや相続人の利益に完全に寄り添うのは難しい。だから、一番は遺言書を残しておくことなんだ!」

ブルー「確かに遺言があれば、遺産分割協議や法定相続をせず相続手続きを進められるからな」

レッド「もちろん気を付けるべきこともある。グリーン」

グリーン「遺言による財産分割の内容に納得がいかない相続人が、こんな主張をしてくることがある」

「故人は遺言を作成する時には、認知症と診断されていて、遺言を作成する判断能力がなかった。だから、その遺言は無効だ!」

ブルー「この主張をする人が、ダマシテヤルー軍団に操られていなければいいんだが…!」

グリーン「そうさ。だから遺言作成をした時点で、故人に意思能力があったことを証明しなくちゃいけない」

レッド「うむ。この場合は公証人に遺言を作成してもらう公正証書遺言を利用したり、遺言などを作る意思能力があることを証明する診断書を医師からもらったりしておけば、より安心だと言えるな」

合わせて読みたい:実際に公証役場へ行って遺言作成に携わる!手続きの流れと必要書類 

認知症の法定相続人がいる場合は公正証書遺言作成を検討

ピンク「隊長、わかりました! 公正証書遺言なら私の得意技「コウセイショウ粧(公正証書/遺言)」でサポートできるわ!」

レッド「頼んだぞ、ピンク」

ピンク「隊長…!」

イエロー「どうでもいいけど、なんで手を握りあってるんだべ?」

ピンク「やだ! 私ったら…つい」

レッド「すすすす、すまない」

ブルー「ちぇっ、まったく…とんだアオハルだぜ、お2人さんったらよ!」

 

この記事を詳しく読みたい方はこちら:認知症の家族がいた場合の相続はどうなるの?その対処法について行政書士が解説!

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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