危急時遺言(緊急時の遺言)作成の流れとは?特別方式の遺言書について行政書士が解説!

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危急時遺言の概要と作成の流れとは?特別方式の遺言書について行政書士が解説!

 

「病気で余命を宣告されてしまった。残されたわずかな時間で遺言はできる?」

「仕事で長期間の航海中に命の危機に…。大切な家族のために遺言を残したい」

「父が遺言書作成の依頼中に容体が急変!どうすればいい?」

 

命の危機が迫るとき、残されてしまう家族や大切な人に何かできないものかと考える日があなたにもあるかもしれません。

 

あるいは、あなた自身ではなく家族が特珠な状況下にいて、生命の危機に瀕した際はどうにかして遺言を残してもらいたい…なんて思うことはありませんか?

 

時間がたくさんあれば通常の遺言書を作成できますが、「緊急時」という状態は得てして突然やってくるものですよね。

 

今回はそんな緊急時に使える遺言、『危急時遺言』をご紹介します。公正証書遺言を依頼後に遺言予定者の容体が急変したケースなどでも活用例がありますから、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。

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特別方式遺言と普通方式遺言の違い

危急時遺言(緊急時の遺言)の解説の前に、遺言の種類について説明します。遺言には種類があるということをご存知でしょうか?

  • 普通方式遺言
  • 特別方式遺言

みなさんがよくイメージする通常の遺言を『普通方式遺言』というのに対し、緊急時や特殊な状況下のみ利用できる遺言を『特別方式遺言』といいます。

 

例えば、病気やケガで容体が急変してしまい生命に危機が迫るなど、普通方式遺言で遺言書を作成する時間がない場合でも、特別方式遺言なら利用できる可能性があります。

 

つまり特別方式遺言とは、普通方式遺言を利用できない非日常的状況に置かれている場合にできる簡易的な遺言のことです。

 

合わせて読みたい:緊急事態に遺言書を残す方法とは|特別方式の遺言書について行政書士が解説

 

前述の通り、遺言には『普通方式遺言』・『特別方式遺言』という2つの種類があり、さらにそこから細かく区分されています。

今回解説する危急時遺言(緊急時の遺言)は、 特別方式遺言に分類されます。

 普通方式遺言の種類

  • 自筆証書遺言(民法968条)
  • 公正証書遺言(民法969条)
  • 秘密証書遺言(民法970条・971条・972条)

特別方式遺言の種類

  • 一般危急時遺言(民法976条…死亡危急者遺言)
  • 難船危急時遺言(民法979条…船舶遭難者遺言)
  • 一般隔絶地遺言(民法977条…伝染病隔離者遺言)
  • 船舶隔絶地遺言(民法978条…在船者遺言)

合わせて読みたい:遺言書は3種類!それぞれの特徴やメリット・デメリットを行政書士が解説

それぞれの遺言種類についても、簡単な知識を身につけておきましょう。

普通方式遺言

  • 通常予想される遺言
  • 作成後の有効期限なし

特別方式遺言

  • 命の危機が迫る場合のみ使える遺言
  • 作成後の有効期限(6か月)あり

普通方式遺言

自筆証書遺言(民法968条)
公正証書遺言(民法969条)
秘密証書遺言(民法970条・971条・972条)

 

普通形式遺言に分けられている遺言は、それぞれ自分自身で作成するか公証役場で作成するかなどの形式の違いはありますが、いずれも作成してからの有効期限はなく、時間をかけて作成することができます。

合わせて読みたい:公正証書遺言とは?要件や注意点・メリット・デメリットを行政書士が分かりやすく解説!

合わせて読みたい:自筆証書遺言とは?5つの要件やメリット・デメリットを行政書士が分かりやすく解説!

特別方式遺言

一般危急時遺言(民法976条…死亡危急者遺言)
難船危急時遺言(民法979条…船舶遭難者遺言)
一般隔絶地遺言(民法977条…伝染病隔離者遺言)
船舶隔絶地遺言(民法978条…在船者遺言)

特別方式遺言に分けられている遺言は、いずれも遺言者の命の危機が迫っている場合に緊急で作成されるものです。

より簡易的に作成できる代わりに、特別方式遺言には作成してからの有効期限があります。

 

命の危機を回避して6か月後も生存している場合、特別方式遺言で作成された遺言は無効となるのです。

緊急時に利用できる特別方式遺言の種類

さて、緊急時に利用できる特別方式遺言は大きく『危急時遺言』と『隔絶地遺言』の2種類に分類されます。

 

さらにその中から、次の4種類に分かれることを紹介しました。

  1. 一般危急時遺言
  2. 難船危急時遺言
  3. 一般隔絶地遺言
  4. 船舶隔絶地遺言

 ここからは、『危急時遺言』と『隔絶地遺言』の違いについて解説します。

危急時遺言

危急時遺言とは、病気やケガ、遭難などの事情により生命に危機が迫っている場合に利用できる遺言です。

  • 一般危急時遺言
  • 難船危急時遺言

一般危急時遺言

状況:病気やケガなどにより生命に危機が迫っているとき

立会い:証人3名以上

署名押印:証人3名が署名押印

難船危急時遺言

状況:船舶や飛行機が遭難するなどの危難に直面し生命に危機が迫っているとき

立会い:証人2名以上

署名押印:証人2名が署名押印

隔絶地遺言

隔絶地遺言とは、伝染病の隔離や航海などで一般社会や陸地から離れている場合に利用できる遺言です。

  • 一般隔絶地遺言
  • 船舶隔絶地遺言

一般隔絶地遺言

状況:伝染病で隔離されている、刑務所に服役中など通常の遺言を作成することが難しいとき

立会い:警察官1名+証人1名

署名押印:遺言者と立会人全員が署名押印

船舶隔絶地遺言

状況:長期間の航海などで陸地から離れた場所にいるとき

証人:船長もしくは事務員1名+証人2名以上

署名押印:遺言者と立会人全員が署名押印

危急時遺言作成の流れ

では実際に危急時遺言(緊急時の遺言)を作成するとなった場合、どのような流れで進んでいくのでしょうか。大まかな流れは、次のとおりです。

  • 遺言者本人が書く(もしくは証人が代筆)
  • すべての証人が署名押印
  • 作成後は20日以内に家庭裁判所で確認手続き

遺言者本人が書く(もしくは証人が代筆)

危急時遺言(緊急時の遺言)を作成する場合、遺言者本人が遺言内容を書くことになります。

状況によっては、遺言内容を口頭で伝えて書き取ってもらうことも可能です。

※ただし、隔絶地遺言は必ず本人が書かなければなりません。

すべての証人が署名押印

遺言内容を文書にした後、危急時遺言(緊急時の遺言)の条件となっているすべての証人が署名押印します。

この際、証人は遺言内容に間違いがないことを確認します。

作成後は20日以内に家庭裁判所で確認手続き

危急時遺言(緊急時の遺言)を作成した場合、20日以内に家庭裁判所で確認手続きをしなければなりません。

期限内に手続きをしない場合は無効になるため注意してください。

なお、難船危急時遺言は確認手続きの期限がなく、隔絶地遺言は確認手続きそのものが不要です。

危急時遺言(緊急時の遺言)の確認手続きでは、次のような書類が必要になります。

  • 申立書
  • 申立人の戸籍謄本
  • 遺言者の戸籍謄本
  • 証人の戸籍謄本
  • 遺言書の写し
  • 診断書(遺言者が存命の場合)

危急時遺言(緊急時の遺言)の活用例

実際に危急時遺言(緊急時の遺言)を活用する例について、実務的な面も含めて解説します。

  • 公正証書遺言を依頼後に遺言予定者の容体が急変したケース

公正証書遺言を依頼後に遺言予定者の容体が急変したケース

こちらは、将来を見据えて公正証書遺言(普通証書遺言)を依頼したにもかかわらず、その準備中に遺言予定者(A)の容体が急変し、いつ亡くなってもおかしくないような命の危機に直面したケースです。

 

Aさんは持病があり、将来のことを考えて、配偶者である妻(B)と1人の子ども(C)を相続人として、万が一自分が先に逝ってしまった場合に備えて公正証書遺言を行政書士に依頼しました。

 

しかし、遺言書を作成するにあたり、自分の財産が具体的にどのくらいあるのか、どのような割合で相続させるかなど行政書士と相談を進めている最中に持病が悪化し、緊急入院することとなってしまいました。

 

遺言書準備中の出来事ですが一刻を争う生命の危機ですので、一時的に意識が回復した際に一般危急時遺言を作成することとなりました。

 

結果として、Aさんが亡くなられた後に危急時遺言書として効力が認められ、BさんとCさんは相続人として遺言書通りに相続することができました。

 

ここでのポイントは、普通証書遺言―いわゆる通常の遺言書は作成までにある程度時間がかかってしまうという点です。

 

逆をいえば、じっくりと時間をかけて遺言内容を考えることができるというメリットでもありますが、Aさんのように突然生死をさまよう緊急の状態になられたかたにとっては、一刻も早く遺言書を作りたいと思われたのではないでしょうか。

 

このケースでは危急時遺言を上手く活用できましたが、やはりいかに早く遺言書を作成しておくかということの大切さも垣間見える事例ですね。

危急時遺言に対応できる専門家は珍しい|遺言書作成は元気な時に行政書士へ相談ください

相続の相談や遺言書の作成はできる限り早めにされることが望ましいですが、いざ依頼をすると決まっても思いがけず命が危険にさらされる可能性もありますよね。

あるいは、海上での仕事など職業上特にそういったリスクが高い場合もあり得ます。

そんなときには特別方式遺言を利用した遺言書も検討できますので、ぜひ頭の片隅に置いておいてください。

 

もちろん横浜市などの都市部で生活していても、この記事で紹介したケースのように、公正証書遺言を依頼後に遺言予定者の容体が急変するなど、危急時遺言(緊急時の遺言)が必要になる可能性はあります。

しかし、危急時遺言に対応できる専門家・事務所は多くありません。

 

相続において特に重要なことは、早めの対応です。

「遺言書どうしようかな…」「相続が不安で…」と少しでも思われるかたは、できるだけ早い段階で相続に詳しい行政書士などの専門家に相談されることをおすすめします。

横浜市の長岡行政書士事務所では、遺言作成のご依頼に数多く対応しています。もちろん必要であれば危急時遺言(緊急時の遺言)にも対応しますし、余命わずかな場合に遺言書を完成させた事例もあります。

参考:余命わずかな場合に遺言書を完成させた事例を行政書士が紹介

緊急で遺言を用意したいなど、遺言について不安がある方は、ぜひ横浜市の長岡行政書士事務所へご相談ください。

みなさまにとって最善の相続になりますように。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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