亡くなった人の預金はおろせる?相続時の預貯金払戻し制度について行政書士が解説!

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相続法改正!相続時の預貯金払戻し制度とは?【遺言ちゃんねる掲示板】

人が亡くなると、相続が発生します。ご家族が病気だったり高齢だったりすると、「相続が発生すると銀行預金が引き出せなくなる」という情報を耳にする機会もあるかもしれません。

この情報は間違いではありませんが、必ずしも正確とはいえません。

そこで今回の記事では、亡くなった人の預金はおろせるのか、おろせるとしたらどのように手続きすればいいのかについて、横浜市で遺言書作成・相続手続きをサポートしている行政書士事務所として解説します。

 

難しい法律の話になりすぎないよう、インターネット掲示板風に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

あたしが幼い時に父が亡くなり、母さんが女手一つであたしと弟を育て上げてくれた。

だから、母さんが亡くなって、あたしも弟も…家族も本当につらかった。

そればかりではなく、一家の大黒柱であった母さんだけに、これからのお金の管理をどうしたらいいか不安でたまらなかった。

追い打ちをかけるように、すぐに葬儀費用や当座の生活資金などのお金の問題がでてきて…。

本当にびっくりしたのは、銀行からお金を下ろせなくなったことだった。なんでも銀行は、被相続人名義の預貯金口座を凍結してしまったそうだ。

でも、あたしが本当に凍り付きかけたのは、そんなことじゃなかった。

母さんが残した遺言書から何かが飛び出して、今、あたしの目の前でなんだかしゃべっている。

紙が、だよ?

となりにいる弟は、完全に思考停止になってる。というか、口から魂抜けかけてる。大丈夫か、おい?

でさ、その紙が、「私は遺言書の九十九神だ」って名乗ってて、どうしたらいいかわかんないけど、「みんな何か質問ある?」って本人が言ってる。

とりあえずこのスレッドを通じて代弁するから、質問あれば何でも言ってみて。というか、ひとりじゃ処理しきれないから。

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亡くなった人の預金口座が凍結されたらお金がおろせない

1:九十九神って付喪神?

そうみたい。モノに神様が宿るってほんとにあるんだね。

2:なんで目の前に出てきた?

母さんが心配してるからって言ってるけど、よくわかんないや。

3:銀行ひでえな。血も涙もない。

と思うけど、銀行にも銀行の立場があるみたい。銀行としては相続人間の紛争に巻き込まれたり、相続人の一人に注意せず払戻しをすると二重払いのリスクがあるから、そのような事態を避けるため、亡くなった人の預金口座を凍結する、つまりお金がおろせないようにするんだって。

4:銀行がんばってるな。血も涙もある。

切り替え早いね(笑)

亡くなった方の銀行口座からお金をおろすには銀行は相続人全員の同意が必要

5:実際、この先ずっとお母さんの口座からお金を下ろせないの?

亡くなった方名義の預貯金口座からお金の払戻しを受けるためには、原則銀行は相続人全員の同意が必要なんだって。今回で言えば私と弟かな。

6:弟が反対することはあるの?

ないと思うけど、一般論として、相続人間が不仲であったり、音信不通であったり、疎遠であったりすると、遺産分割協議がまとまらないこともよくあるんだって。そうなったら、いつまでも預貯金を払戻せなくなるよね。

 

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遺産分割前でも預貯金の一部を銀行から払い戻せる預貯金払戻し制度

7:ワイ、アニキと仲悪いから、おおいにモメそう。

でもさ、令和元年7月1日から預貯金払戻制度ってのができてるんだって。遺産分割前であっても、相続人が被相続人名義の預貯金を葬儀費用や当面の生活費などに使用できるように、その預貯金の一部を銀行から払戻しを受けられるんだって。

8:カンダタの蜘蛛の糸なみにありがたいな。

だよね(笑) 払い戻された預金は、後日の遺産分割において、払戻しを受けた相続人が取得するものとして調整されるって言ってる。

9:誰が?

九十九神が。紙だけど神が。

預貯金払戻し制度の手続き方法

10:預貯金払戻制度ってどうやって申しこめばいいの?

家庭裁判所の判断により払戻ができる制度と、家庭裁判所の判断を経ずに払戻ができる制度があるんだって。

11:家庭裁判所の判断?

すでに家庭裁判所に遺産分割の審判や調停が申し立てられている場合みたいだね。各相続人は別途家庭裁判所へ申し立てて、その審判を得ることで、相続預金の全部または一部を仮に取得するそう。で、金融機関から単独で払戻しを受けることができるみたい。

12:仮に、ってところが気になる。

生活費の支払いとか、やむを得ない事情で相続預金の仮払いの必要性が認められた場合と、他の共同相続人の利益を害しない場合に限られるって話だね。

13:家庭裁判所に出す書類はどんなの?

家庭裁判所の審判書謄本(審判書上確定表示がない場合は、審判確定証明書も必要)と、預金の払戻しを希望される方の印鑑証明書。

14:家庭裁判所の判断を経ない場合は?

各相続人は、相続預金のうち口座ごと(定期預金の場合は明細ごと)に、家庭裁判所の判断を経ずに金融機関から単独で払戻しを受けることができるんだって。

「故人の戸籍謄本」「故人の除籍謄本」「相続人全員の戸籍謄本」「引きおろしに行く相続人の印鑑証明書」の4つが必要になるらしい。

預貯金払戻し制度でおろせる金額

ただし、同一の金融機関(同一の金融機関の複数の支店に相続預金がある場合はその全支店)からの払戻しは150万円が上限らしいよ。

15:150万円ほしい!

(笑) でもちゃんとした計算式があって、それに従わなきゃいけないみたい。

(単独で払戻しができる金額) =(相続開始時の被相続人の預貯金額)×(1/3)×(払い戻しを希望する相続人の法定相続分)

預貯金払戻し制度の注意点

16:遺産分割前の払戻しを受けるデメリットはある?

相続放棄ができなくなる可能性があるって言ってる。あと、おろしたお金を何に使ったから、領収書やレシートなどの支払いがわかる書類を保管しておく必要があるんだって言ってた。あと、払い戻しを受けた場合は相続財産から差し引けるとかなんとか、、注意点は3つあるって言ってる。

17:誰が?

だから、九十九神が(笑)

相続放棄できない可能性がある

18:相続放棄できないってどゆこっちゃ?

例えば、葬儀費用の支払いとかならすぐに相続放棄できなくなるわけじゃないんだって。でも生活費や相続人の個人的な目的に利用した場合は相続放棄できなくなっちゃうみたいだよ。

18:ソシャゲのガチャ引くために課金したら?

たぶんアウト(笑) 相続発生時にすぐ被相続人の借金などのマイナスの資産が発覚するわけじゃないだろうけど、この制度を利用する、しないの判断は慎重にやったほうがよさそうだよね。

領収書などを保管する

19:ほかに何か注意しとくことある?

払い戻しを受けたお金を使った際には領収書やレシートなどの支払いがわかる書類を保管しておく必要があるんだって。払戻しを受けたお金を葬儀費用や入院費用の支払いに充てた場合、その金額は相続財産の金額から控除できるそうだから。

払い戻しを受けた場合は相続財産から差し引ける

20:つまり払戻しを受けた人が自分のために使わなかったら、その金額を相続財産から差し引けるということ?

そうらしいね。例えば合計の遺産が2000万円で長男が1000万、次男が1000万の相続をしたとするでしょ。このとき葬儀費用が200万円。長男がこの遺産から200万円を遺産分割前に受け取って葬儀費用に全額充てたと証明できるなら、遺産は2000-200=1800になる。この1800万円を2人で等分に分割するので各900万円ずつってことだね。

※家庭裁判所の判断を経ずに単独で払戻しができる際は、払戻し上限が150万円となります。

21:クッ…! ワイ、兄弟4人だから、取り分少なくなる…!

そのぶん頼れる人が多いんだからいいじゃない(笑)

22:証明できないとどうなるの?

長男が自分の為に使ったこととされる可能性があるから、長男は1000-200=800万円、次男は1000万円だね。

相続時に葬儀費用を払えないときは預貯金払戻し制度を検討

23:100万はデケーな。預貯金払戻制度、すごい制度だな。

遺産分割前の相続預金の払戻し制度は、相続人が急な出費に対応できるように、また相続後の生活を安定させるために新設されたんだって。そういう意味では助かるよね。他にはなんかあるか? 九十九神が疲れてこくりこくりしてる。

24:今宵はそっと眠らせてやれよ、ベイビー。

そうするわ。おやすみ。

亡くなった方の預金をおろすためには、遺産分割協議を経て相続人全員が合意しなければなりません。

しかし遺産分割には少なからず時間がかかりますから、スムーズにお金を引き出せず、葬儀費用などで困ってしまうことがあります。

そんな時は、この記事で紹介した預貯金払戻制度を利用することで、すぐに必要となる出費をまかなえることを覚えておきましょう。ひとつの銀行につき、引き出し上限は150万円です。

なお、遺言書があれば、比較的スムーズに銀行預金の相続手続きを進められます。自筆証書遺言であれば検認手続きが必要となりますが、公正証書遺言であれば検認不要です。遺言書で「遺言執行者」を定めておけば、よりスムーズに相続手続きができます。

関連記事:遺言執行制度と遺言執行者の義務について行政書士が解説

横浜市の長岡行政書士事務所では、自筆証書遺言・公正証書遺言の作成サポートはもちろん、遺言執行者としての業務にも対応しています。残された家族の負担を減らすためにも、ぜひ遺言書作成を進めてみてください。初回相談は無料で対応しています。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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