
「遺言書に遺言執行者への報酬額が書かれていないのですが、どうすればいいのでしょうか」
「遺言執行者に対しいくら報酬を払うのが妥当なんでしょうか」
遺言執行者とはその名の通り「遺言内容の実現のため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務」がある人のことです。
遺言を書いた人は遺言が効力を得た時には既に亡くなっていますので、当然ながら自分で遺言内容を実現させる行為を行うことはできません。
遺言執行者は故人に代わって遺言の内容を実現させる人とも言えます。
この遺言執行者への報酬は、遺言書に書かれているケースが多いですが、もし報酬額が書かれていなかったとしたらどうすればいいのでしょうか。
今回は横浜市で遺言書作成をサポートしている行政書士として、遺言執行者の報酬が定められていない場合の対処法について解説します。
目次
遺言執行者とは
遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を実現する役割を担う人です。
あわせて読みたい>>>遺言執行者とは?実行する内容・権限の書き方を行政書士が分かりやすく解説
しかし実は、遺言執行者は必ず指名しないといけないというわけではありません。
遺言執行者がいない場合は、相続人全員で協力しながら手続きを進めることも可能です。
ただし遺言執行者がいたほうが、相続手続がスムーズに進みます。
たとえば、遺言執行者が定められていない場合、金融機関によっては相続人全員による「相続届出書」の提出が必要になるケースもあります。
このような場合、遺言の内容に不満がある相続人の協力を得られず、相続手続がストップしてしまうかもしれません。
しかし遺言執行者がいれば、各種相続手続を単独で進めることができるので、相続人間で感情のしこりがある場合であっても、遺言の内容をスムーズに実現できるのです。
あわせて読みたい>>>遺言執行者が単独で執行できる手続きとはなにか?行政書士が解説!
遺言執行者の報酬を決める方法
遺言執行者の報酬は、基本的には遺言書の記載内容に従います。たとえば、次のように記載されているケースが多いです。
- 遺言執行者に対する報酬は、遺産総額の○○%とする
- 遺言執行者に対する報酬は、○○万円とする
- 遺言執行者に対する報酬は、○○行政書士事務所の報酬規定によるものとする
このように遺言書に報酬金額や支払方法を記載しておけば、遺言執行者と相続人とのトラブルを防ぐ効果も期待できるでしょう。
遺言書に報酬の定めがない場合はどうする?
それでは、遺言書に報酬の定めがない場合はどうなるのでしょう。一般的には、下記2つのいずれかで報酬を決めることになります。
- 遺言執行者と相続人全員の話し合いで決める
- 家庭裁判所に決めてもらう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
遺言執行者と相続人全員の話し合いで決める
遺言書に報酬額を定めていない場合は、まず遺言執行者と相続人全員で、報酬額について話し合います。
たとえば士業が遺言執行者に指定されている場合、その士業事務所の料金表をもとに合意されるケースが多いです。
家庭裁判所に決めてもらう
もし遺言執行者と相続人全員の話し合いによって決まらない場合は、遺言執行者の報酬付与の申立により、家庭裁判所で報酬額を決めてもらうことができます。
ざっくりとした目安としては、遺言執行者の報酬は遺産総額の1~3%が相場になります。(ほとんどの士業事務所は、相場通りの料金です)
遺言執行者の報酬相場
それでは、専門家に依頼する場合の遺言執行者報酬の目安について、もう少し詳しく見ていきましょう。
※なお、ここでは「執行報酬」の相場を紹介しますが、他に交通費、郵便料金、相続財産の管理費用、移転登記費用、預貯金の解約・払い戻しにかかる諸費用などが追加でかかる場合もあります。
弁護士の遺言執行報酬相場
相続人間の交渉や裁判など法的措置を自ら取り扱うことができるのが弁護士の強みです。
遺言執行人としての報酬は旧日本弁護士連合会報酬等基準規定に則っている事務所が多く、遺産総額が300万円以下の場合は一律30万円、300万円を超えてくると超えた部分に対して一定の割合に乗じた報酬が発生します。
報酬は遺産総額によって変わりますが、0.5~2%程度に設定している事務所が多いです。
例:遺産総額3000万円の場合
30万円+(3000万円-300万円)×2%=84万円
※実費、手当は別途発生
司法書士の遺言執行報酬相場
遺産に不動産が多く相続登記などの手続きが見込まれる場合は、司法書士に依頼することを検討してみましょう。
司法書士は共通となる報酬規定がないため各事務所によって差がありますが、基本料金は25~30万円、遺産総額に応じて0.8~2%の報酬を設定している事務所が多くなっています。
行政書士の遺言執行報酬相場
よく知られているのは書類作成の専門家としての行政書士ですが、それ以外としては、なんといっても街の法律家としての身近な存在が行政書士の強みです。
遺言作成時から相談相手になってくれるでしょう。
報酬としては比較的リーゾナブルな部類に入り、遺産総額に応じて0.8~2%の報酬で収まるケースが多いと言えます。
税理士の遺言執行報酬相場
相続税申告まで依頼したい場合は、税理士に依頼することでスムーズに相続手続きを進めることができます。
各事務所により別途報酬が定められていて、基本料金は20~30万円、遺産総額1~2%の報酬に設定している事務所が多くなっています。
金融機関の遺言執行報酬相場
銀行や信託銀行といった金融機関は「遺言信託」という名で遺言書の作成、保管、遺言執行を包括したサービスを提供しています。ただ、実際の遺言執行は士業に任せているのが実情で、その分報酬は高めで最低報酬額が100万円となっているケースも多いです。
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遺言執行者の報酬が定められていない場合は話し合いで決める
遺言執行者は必ずしも必要ではありませんが、指名することで遺言執行者単独で手続きが行うことができたり専門的なサービスを受けて相続人の納得感が高まったりと、数々のメリットがあります。
そして報酬に関しては遺言の中で決まっていればその金額が、仮に決まっていなくても相続人との話し合いで決めることができます。また、話し合いで決まらない場合は家庭裁判所に決めてもらう事も可能です。
なお、各専門家の特徴と報酬額の目安を解説しましたが、やはり評判や口コミ、相談者様との相性、そして真摯に相談者様に寄り添い円滑な相続を成し遂げる姿勢も含めて、依頼先を決めるのがおすすめです。
横浜市の長岡行政書士事務所は、相続・遺言作成の経験が豊富にあり、本気の相談者様に真剣に向き合うことをモットーとしております。
少しでも不安やご不明な点がある場合は、是非ご相談ください。








