生命保険の受取人を遺言書で変更するなら公正証書遺言がおすすめ!

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【転生して勇者になった行政書士】第2話「遺言で生命保険受取人を変えるときはご注意を!」

遺言書では自分の財産を死後、どのように分配するのかを指定できます。現預金や株式、不動産などを分配することはもちろん、生命保険の受取人を変更することも可能です。

しかし生命保険の受取人を遺言書で変える場合、少なからず注意すべきことが存在します。思わぬトラブルの種を残さないためにも、遺言書で受取人を変える時に気をつけたいポイントを知っておきましょう。

この記事では横浜市で遺言書作成をサポートしている長岡行政書士事務所が、遺言書で生命保険の受取人を変えるときに注意すべきポイントを紹介します。

難しい法律の話になりすぎないよう、物語形式で解説するのでぜひ参考にしてください。それではスタートです。

 

現代の日本から遠く離れた異世界を支配する魔王に立ち向かうべく、腕に覚えのある人々は町の酒場で仲間を集め、打倒魔王の冒険へと繰り出していた。

そんな中、ひょんなことから異世界へ転生してしまった横浜市の行政書士を勇者として迎えた、戦士、魔法使い、僧侶の一行は、町の周辺を支配するボス・スライムを討伐することになった。

まだレベル上げもままならないまま難敵に挑むとあって、老齢の魔法使いは自身の身に万が一のことが起きることを憂い、遺言書を残そうとしていたのだった。

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生命保険は遺産ではない

酒場の女主人「言われた通り、羽ペンとインクと羊皮紙を用意したよ。それにしても、出発前に遺言だなんて用意周到なことだねぇ」

 

戦士「魔法使いのじいさんは、一度言い出すと聞かねえからな。まあ本人が満足するまで付き合うしかねえよ」

 

魔法使い「うるさいのぅ、相手はボス・スライムじゃぞ! わしにとっては大事なことなんじゃ」

 

僧侶「で、何を書くの? 私たちに遺言書で財産を残してあげるとでも書いてくれるのかしら」

 

魔法使い「何を言うか。わしが遺言書を残すのは、道具屋で働くあの清楚可憐な子に決まっておるじゃろう! おぬしらには薬草ひとつ残してやらんわ、シッシッ」

 

僧侶「何よ、失礼ね! こんな美女が近くにいることに気が付かないなんて、信じらんない」

 

戦士「そもそも、じいさん、財産なんてあるのか?」

 

魔法使い「ちゃんと生命保険があるわい」

 

僧侶「生命保険? おじいちゃん、そういえば踊り子ちゃんを養女に迎え入れて、ちゃっかり受取人にしてたわね」

 

戦士「じいさん、養女にしたのなら口説いちゃダメだろ…でもって、踊り子ちゃんにはフラれてたよな。どうすんだい?」

 

魔法使い「だから、もしわしに万が一のことがあったら、道具屋の娘に受取人を変更するように書いておくんじゃ」

 

僧侶「なんだかずいぶん都合がいいわねえ…えっ、勇者さん、どうしたの? へえ、遺産には、実は生命保険は含まれない…そうなんだ?」

 

魔法使い「へ? どういうことじゃ?」

 

戦士「なるほどなあ、確かに勇者さんの言う通り、生命保険は契約によって誰が受取できるかが決まってる、と。契約で指定される受取人の固有財産であるわけか。でもって、保険法44条1項では遺言による変更も認められている…」

生命保険は受取人の固有財産であって遺産ではない、ということは、遺言書に生命保険のことを記載するときの前提知識として覚えておきましょう。

生命保険の受取人変更は遺言書でも可能

戦士「でもって、保険法44条1項では遺言による変更も認められている…」

 

魔法使い「…わかりやすく言ってくれい! 要するにどうなるんじゃ?」

 

僧侶「だから、生命保険受取人の変更は、一般的には保険契約者と保険会社の間での合意をもとに変更するものなんだけど、遺言でも変更できるってわけ」

 

生命保険は遺言者の固有財産ではないため、遺言書に記載する財産には含まれません。しかしその受取人については、遺言書で変更することも可能ということです。

たとえば知人を通して加入した生命保険などの場合、受取人変更を知られたくない場合もあるかもしれません。このような場合、遺言書で受取人を変えることもできます。

 

魔法使い「なら何の問題もないじゃないか。え? でも? 先がまだあるのかえ、勇者さんよ?」

生命保険の受取人変更の範囲は保険約款を確認

戦士「ほうほう、生命保険で受取人にできる範囲は、保険会社の保険約款等で定められているから要注意とな…確かにな」

 

僧侶「今回ポイントになるのは、新たに指定する受取人についてだよね? その点についても、保険約款等で定められる者の範囲内にする必要があるって勇者さん言ってるわよ。おじいちゃんが指定しようとしている道具屋の娘さんは、該当するのかしら?」

 

魔法使い「ど、どうなんじゃ! 勇者さん?」

 

戦士「ふーん、一般的には配偶者や一定の血族に限定されている場合が多いけど、保険商品によっては親族関係にない第三者を受取人に指定できる場合があるってわけか。とりあえず保険会社に問い合わせないと何とも言えないけど、もし保険会社がOKとなった場合は問題がなさそうというわけだな」

 

魔法使い「もしダメなら、わしの得意な火炎魔法で保険証券を焼き消して…」

 

僧侶「な、なんっつうこと言ってんの! これ一応、行政書士事務所のコラムだかんね!」

生命保険の受取人変更は遺言書によっても可能ですが、そもそもの生命保険の受取人範囲は、保険会社の規約で決まっています。

たとえば受取人が一定の血族に限定されている生命保険であるにも関わらず、遺言書によって第三者を受取人として指定したら、無用なトラブルを招きかねません。

受取人範囲については、保険会社に確認するようにしましょう。

生命保険の受取人を変更する遺言書の書き方

戦士「まあ、でもおもしろそうだから、続けて話を聞いてみようぜ。なあ勇者さんよ、遺言書で生命保険の受取人を変更したいときは、どんなふうに書けばいいんだい?」

 

僧侶「へえ、『受取人を変更する』ことをはっきりと明記することが大事なんだね。『保険金を受け取らせる』とかの曖昧な記載だと、受取人を変更するのかどうかわかんないもんね」

 

戦士「おっ! また勇者さんの光の地図が輝きだしたぜ。何か文字が浮かび上がってきた!」

【生命保険受取人変更の記載例】

第〇条

遺言者は、下記の生命保険契約に基づく死亡保険金の受取人を、長男B(生年月日)に変更する。

 

保険証券番号:12345678

契約締結日:平成〇年〇月〇日

種類:一時払終身保険

保険金額:1,000万円

保険会社名:〇〇生命保険相互会社

保険契約者:遺言者

被保険者:遺言者

死亡保険受取人:〇〇〇〇(生年月日)

遺言によって保険金受取人を変更するときの注意点

僧侶「でもさあ、生前に保険会社と合意して変更するならともかく、遺言で受取人を変更するときは、言うなれば一方的に変更するわけでしょ? なんかトラブルとか起きないの?」

 

戦士「それもそうだな。うっかり、元の受取人が受け取っちまったりしたら、目も当てられねえよな」

 

魔法使い「な、なんと! わしを捨てたあの踊り子の小娘が受け取るようなことがあっては断じてならんぞ!!!」

 

戦士「おいおい、じいさん、血圧上がりすぎだよ」

 

魔法使い「はあ、はあ…寿命が縮んだわい」

遺言によって保険金受取人を変更するときの注意点としては、次のような例が挙げられます。

  • 遺言効力発生後に保険会社へ通知しなければならない
  • 受取人を変更したいときは遺言執行者を指定しておく
  • 遺言書の無効が争われる場合もある
  • 公正証書遺言を作成したほうが安心

受取人を遺言書で変更するときは、このような点も考慮しておきましょう。それぞれ詳しく解説します。

遺言効力発生後に保険会社へ通知しなければならない

僧侶「ねえ勇者さん。遺言の場合、受取人を変更したってことを、保険会社はどうやってわかるの? え? その場合は保険金の受取人変更の遺言があることを知らせてもらわなければ、変更があったことを知る方法がないって」

 

戦士「ん? また光の地図に文字が…。保険法44条2項?」

 

(保険法44条2項)「遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない」

魔法使い「どういう意味なんじゃ?」

 

僧侶「この条文の意味は…へえ、なるほど。保険契約者の相続人が受取人に変更があったことを保険会社に通知しなければ、新受取人は保険会社に対して、変更により自分が受取人であることを主張できない…そりゃそうだね。こうでもしなきゃ変な事件が起きちゃう」

 

戦士「受取人を変更したという相続人からの通知が保険会社に届く前の段階では、保険会社が変更前の受取人の請求に応じて保険金を支払ってしまう可能性がある…だから遺言の存在が明らかになったらすぐに保険会社に連絡しないといけないわけか」

 

魔法使い「もしも、遺言書の意図とは違って、元の受取人が受け取ってしまったらどうなるんじゃ」

 

戦士「そりゃもう、血沸き肉躍るバトルだよな!」

 

僧侶「なんでそこで興奮してんのよ…。保険金を引き渡すよう請求することができるけど、訴訟などを通じたトラブルになってしまうかもって勇者さんが言ってるじゃない」

 

戦士「へいへい。フィールドバトルも、保険会社への連絡も、いたずらにターン数かけずに、ちゃちゃっとやるべきってわけね」

受取人を変更したいときは遺言執行者を指定しておく

戦士「あとさ、旧受取人の立場になって考えてみたんだけどよ、遺言とはいえ、一方的に変更されたらムカついたりしねえのかな?」

 

僧侶「そりゃ納得いかないこともあるかもね」

 

戦士「そういう場合は…ほう、「相続人による保険会社への受取人変更の通知」を相続人がしないこともありえるのかい」

 

僧侶「そうすると、保険会社は旧受取人たる相続人に生命保険を支払ってしまって、発覚したら、新旧受取人間で紛争が起こって、事態が複雑化するおそれもある…いわゆる泥沼ってやつね。こわっ」

 

魔法使い「勇者さんよ、踊り子ちゃんと道具屋の娘の間でそんないざこざがあったら、わしゃ死んでも死にきれんぞ」

 

戦士「もしかしたら、じいさん、ミイラのモンスターになっちまって、バトルフィールドさまようかもな」

 

魔法使い「やかましい。そのときはお主に、『悔恨の一撃』を見舞ってやるわ!」

 

僧侶「そうなる前に遺言執行者を指定しておくといいって。ね、勇者さん」

 

戦士「ほう、その遺言執行者が生命保険受取人変更の通知をするから、相続人が拒否をして通知をしないという事態を防げるわけか」

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僧侶「確かに、遺言執行者は遺言の内容を実現するために必要な権限を持ってるもんね。言うなれば勇者の剣みたいに強い権限ってわけよね」

遺言書の無効が争われる場合もある

魔法使い「それでも、もし受取人変更に納得がいかない旧受取人が、遺言書自体の無効を主張してきたらどうするんじゃ?」

 

戦士「そんときゃ今度こそ血沸き肉躍…失礼、そんなに睨むなよ僧侶ちゃん…」

 

僧侶「まったくうちのパーティときたら、耄碌じじいに脳筋バカに…まともなのは勇者さんと私だけなんだから!」

 

戦士「おっ、地図を見ろ。無効を主張する理由が出てきたぞ」

  • 遺言作成時には遺言者の認知症が進んでいた
  • 誰かが無理やり書かせた
  • 文言が不明確である

僧侶「遺言は、法律で定められた要件を満たさないと無効となっちゃうから、この理由の例は、要件を満たしていないという主張になるのね」

 

戦士「特に自分で書く自筆証書遺言だと、無効を主張される可能性は高くなるよな。」

自分で作成する自筆証書遺言の場合、その要件を満たしていないと遺言書が無効になってしまいます。

そして生命保険を受け取れるはずだった相続人は、受取人変更が納得できないがために、遺言書の無効を主張するかもしれません。

公正証書遺言を作成したほうが安心

保険金の受取人を変更したいときは、法律の専門家に公正証書遺言を用意してもらうようにしたほうが無難だな」

自筆証書遺言に対して、公証役場にいる公証人に作成してもらう遺言書は「公正証書遺言」といいます。

公正証書遺言は公証人が作成してくれるため、形式的に無効になる心配がまずありません。

遺族が遺言書の無効を巡って争うことを防ぐためにも、生命保険の受取人変更を遺言書で指定したい場合には、公正証書遺言を作成したほうがいいでしょう。

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公正証書遺言の作成は行政書士がサポート

いきなり公正証書遺言を作成するといっても、どうしたらいいのか分からないかもしれません。

そんな方は、ぜひ行政書士へ相談してみてください。

行政書士は遺言書の作成相談にも対応しており、記載する文章のアドバイスや、公証役場とのスケジュール調整まですべて対応してくれます。

魔法使い「そりゃそうじゃが、その法律の専門家とやらはどこにいるんじゃ?」

 

僧侶「ねえ、勇者さん、誰か知ってる?」

 

戦士「なにニヤニヤしてるんだ、勇者さん。気持ち悪いな」

横浜市の長岡行政書士事務所も、公正証書遺言の作成をサポートしています。初回相談は無料で対応しているので、まずはお気軽にご連絡ください。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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