現金を相続させる方法と注意点を行政書士が解説!遺言書では特定の金額記載を避ける

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【みんなで学ぶ遺言クイズ】遺言で現金〇〇円を相続することになった! 遺言に書かれた現金、ちゃんと残ってる?

遺言書には、自分の財産を「誰に」「どれだけ」渡すのかを明記していくものです。

例えば「長男には〇〇円、次男には△△円というふうに、具体的な金額を指定することもあります。

しかし、現金以外にも相続財産があるときや、遺言書で指定されていた現金が不足してしまったらどうなるのでしょうか?

今回は、遺言で「現金〇〇円を相続させる」と書かれていた場合について、疑問になりやすいところを掘り下げていきましょう。

本記事は、通常の法律の文章は難しいことから、楽しくわかりやすくお伝えするためにクイズ形式にしています。

そのため、法律的な表現が少し変、厳密に言うとこうだ!等あるかと思いますが、そこは温かい心で読んでいただければと思います。

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遺言書で現金を特定額だけ相続させる方法

では、クイズ形式で出題しますので、家族やご友人とチャレンジしてください。さあ、あなたのまわりで、遺言書クイズ王になるのは誰だ⁉

今回も、司会の私と、解説の行政書士長岡さんでお届けしいたします! 長岡さん、よろしくお願いします!

長岡「よろしくお願いします!」

では早速始めちゃいましょう、第1問です!

Q:Aさんの実家では、父母で2人暮らしをしていましたが、先日お父様が他界。遺言による相続となりました。相続人は、お母様、Aさん、お兄様の3人です。遺言書の内容は、母に不動産、兄にA銀行の預貯金、Aさんに現金200万円を相続させるというもの。ところが、実家の金庫内には現金が300万円ほど残されていました。この場合、Aさんの相続金額はどうなるでしょうか?

A:遺言書に書かれているのは200万円という額面なので、それだけしか相続できない
B:実際には300万円あるので「現金」という範疇で解釈し、300万円を相続できる
C:残り100万円を巡ってジャンケンバトルを行い、勝った人が100万円をプラスアルファで総取り相続

ヒントは、「相続はジャンケンで決まることはない!」ですね(笑)では長岡さん、正解発表と解説をお願いします。

長岡「正解は、Aです! たとえ金庫に現金が300万円残されていたとしても、遺言書で指定された200万円となります」

遺言書で現金を特定額だけ相続させたい時は、純粋にそのまま遺言書に記載すれば問題ありません。

遺言書の「現金を相続させる」記載でよくあるトラブル

さて、現金を金額で特定して記載することはよくあることなのでしょうか?

長岡「はい、よくありますね。ただ、記載の仕方は様々なんです。Aさんの事例のように具体的に現金〇〇円と記載することもあれば、現金その他一切の財産などというように、金額を指定せずに記載する場合もあります」

遺言書に「現金その他一切の財産」とあるときは、今回のように金庫内に指定された金額以上があっても、残された現金すべてが相続の対象となるわけですか。

長岡「そうなんです」

遺言書に書かれた金額以上に現金があった場合

Aさんの場合、気になるのは宙に浮いた100万円の行方ですよね?

長岡「はい、遺言書に書かれた金額以上に現金が存在していた場合、そこは注意が必要な点です。

遺言書に記載されていない財産があった場合、法律に基づく法定相続か、相続人間で配分を決める遺産分割協議のどちらかが行われ、相続分が決まります。Aさんの例では、100万円の相続者が記載されていませんので…」

相続人であるお母様、お兄様、Aさんのの3人で法定相続分による相続をするか、3者で話し合って誰がどう相続するかを決める!

長岡「その通りです。ちなみに、遺産分割協議を行うときは、話し合いの内容をまとめ、各相続人が署名・押印(実印)した遺産分割協議書という書面を作らなくてはいけません。ここ大事なポイントです」

遺言書に書かれている金額未満しか現金がない場合

Aさんのように、指定された現金より多くの現金が残っていたらそれほど困らないでしょうが、場合によっては、指定された現金が不足するということもありあありえそうですよね。

長岡「あるんですよ、そういうことも…実はですね…」

おっと長岡さん、そこから先はクイズの質問になりますので、ここで第2問いかせてください!

Q:Bさんは3人兄妹の長女で、すでに他界している父を追うように、高齢のお母様が亡くなられました。公正証書遺言が残されており「自宅不動産(土地・建物)は売却して換価したうえ、長男・次男で1/2ずつ相続させる。長女には現金1000万円を相続させる」という内容が記されていました。しかし、実家の金庫内にある現金と銀行口座にある預貯金を足して900万円を確認できましたが、100万円足りないことがわかりました。Bさんの相続分はどうなるでしょうか?

A:無い袖は振れないのであきらめるほかない
B:ほかの財産があれば処分して充当させる
C:ほかの財産がなければ長男・次男が身銭を切ってでも賄う

ヒントは、「あきらめたら、そこで試合終了ですよ!」です(笑) さあ、長岡さん、正解は?

長岡「Bです!」

仮に遺言書に書かれている金額未満しか現金がない場合、ほかの財産があれば処分して充当させることになります。

遺言書で特定額の現金を相続させるとしたところ、その特定額が死亡時に不足していた場合、その特定額を相続する人は不足分をもらえなくなるのか?と問題になります。

この場合、不足額のほかに他の財産があるのか、または他の財産が無いのかの論点によって対応方法が変わってきますので、場合分けして考えていきましょう。

遺言書で指定された現金以外に他の財産がある場合

長岡「遺言書に記載されている金額が不足していた場合、まずは、ほかの財産で補えないか検討していきます。例えば、預貯金、株式、貸金庫に保管してあるお金、自動車などですね。もっとも、これらの財産を特定の人に相続させると記載されていたら、その財産から補うことができません。」

Bさんいわく、財産として残っていて誰も指定されていないものとして、自動車はあるそうです。ということは、自動車を処分したお金で充当できればいいというわけですね。

長岡「そういうことです。また、遺言書で遺言執行者が指定されていたら、遺言執行者が「不足する分を現金にする手続き」を行ってくれますが、遺言執行者が指定されていない場合は相続人間で話し合いが必要です」

もし話し合いをしないとどうなるんですか? まさか、血で血を洗う一族の対立が……。

長岡「好きですねえ、そういうの(笑) 独断で行うと、いくら遺言書で指定された金額にするためとはいえ、不信感を持たれたり、トラブルになってしまうことも考えられるんですよ」

確かに、「ちゃんと確実に手続きをしたのか?」とか「公正に行ったのか?」などと疑問を持たれて泥仕合…なんてことになりかねませんね。

長岡「遺言執行者がいないときは、まず相続人間で話し合ってしっかりと理解を得ることが大切です。もしそれが難しい場合は、家庭裁判所に遺言執行者の選任を求めることも解決方法のひとつですね」

なるほど。

遺言書で指定された現金以外に他の財産がなかった場合

でも、遺言書で指定された現金以外に、他の財産がなかったらどうしようもないですよね。そういう場合は不足分を補えないことになりますよね。

長岡「厳密に言うと、ほかの相続人の財産から不足分を補うのは難しいところです。Bさんの事例では、不足分100万円について、長男と次男が相続する不動産から補うということですね」

それだと長男・次男の相続額が減るということになりますものね。

長岡「はい。Bさんの現金相続が、長男・次男の不動産の相続よりも優先される理由はないですから」

相続における現金と預貯金の違い

補足情報として、相続における現金と預貯金の違いについても紹介します。

現金は文字通り、手元にある紙幣や硬貨のことです。相続が発生した時点で故人が保有していた現金は、そのままの形で相続財産となります。この記事で紹介したように金庫内にあるお金や、タンスや財布で保管していたお金が該当します。

一方、預貯金は、銀行口座に入れられているお金です。預貯金はお金そのものを相続するのではなく、銀行口座からお金を引きだす権利を相続することになります。

現金も預貯金も、相続方法の決定に違いはありません。どちらも「相続するお金」であることは同じです。ただし、預貯金口座は銀行に相続が発生した旨を連絡し、所定の手続きを済ませないと使うことができません。

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特定額の現金を相続させる記載は遺言書では避ける

でも、どうして不足分がでるような書き方を遺言書でしてしまうんでしょう。ちゃんと確認できていなかったのでしょうか?

長岡「遺言者が遺言を書いた時点では、遺言書に記しただけの(あるいはそれ以上の)預貯金や現金があったかもしれません。それが相続までの間に、何かしらで使われ、残高が少なくなっていったとも考えられるわけです」

なるほど。遺言書を書いてから時間が経過すれば、そういうこともありえますよね。さすがに遺言書を書いたあとに、長生きしないでくださいなんて言えるはずないです(笑)

長岡「人生100年時代ですからね。他の相続人が相続することになっている財産しかない場合や、他にまったく財産がない場合には、遺言で指定された金額に不足するとしても、その範囲で相続することになると考えられるわけですね」

ということは、具体的に金額指定をしない書き方のほうがいいということですか。

長岡「その通りです。「現金その他遺言に記載されていない一切の財産」というような書き方をした方が、現金が減ってしまった場合や増えていた場合も、迷わずに相続することができ、よりスムーズな遺言の実現を図ることができます。そのようなことでも行政書士に相談すると不安が解消されますから」

ありがとうございます!

それではまた次回をお楽しみに! 解説の長岡さん、ありがとうございました。

長岡「ありがとうございました!」

横浜市の長岡行政書士事務所では、スムーズに相続手続きを進められる遺言書作成もお手伝いしています。初回は無料相談可能なので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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