遺言は書くべき?遺言書の重要性と書くべき人を行政書士がデータから解説

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遺言書を書いておくことで後々の相続の揉め事を回避できると聞きますが、実際のところ遺言書はどのくらい普及しているのでしょうか。

大切なのはわかるけど、いざ書くとなると尻込みしてしまう方もいるのではないでしょうか。

本当に遺言書を書くべきなのか、疑問に感じている方もいるかもしれません。

特に相続について考え始める年齢になってくると、なおさら新しいことに対して行動を起こしにくいかもしれませんね。

今日は遺言書にかかわる相談を数多く扱ってらっしゃる、横浜市港南区の長岡行政書士様にお話をうかがってみようかと思います。

 

本日はよろしくお願いします。

実際のところ遺言書の利用は広がりをみせているのでしょうか。

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遺言書作成数は増加傾向

長岡:

こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。

遺言書の利用自体は確かに増えていますが、十分に普及してるとは言えません。

 

 

それは具体的にどういうことでしょうか。

 

長岡:

データを基にお話ししましょう。遺言書で主に利用されているのは自筆証書遺言と公正証書遺言の2タイプです。

自筆証書遺言の検認申立件数は増加傾向

自筆証書遺言というのはその名の通り「自分で書く遺言」なのですが、こちらは自分で書いているので件数がわかるデータがありません。

合わせて読みたい>>自筆証書遺言とは?5つの要件やメリット・デメリットを行政書士が分かりやすく解説!

自筆証書遺言とは?5つの要件やメリット・デメリットを行政書士が分かりやすく解説!

 

その代わり自筆証書遺言の場合は検認という手続きを家庭裁判所に行ってもらわないといけないので、その検認の件数を見ることで自筆証書遺言の推移に置き換えることができます。

検認とは、相続人等に対し遺言の存在を通知するとともに、遺言書の形状や内容等を明確にし、後日の偽造・変造・隠匿・滅失等を防止し、遺言書を確実に保存するため(証拠保全)の手続きのこと。

 合わせて読みたい>>遺言書の検認は相続人全員が出席する必要がある?欠席したら罰則は?行政書士が解説

 

(出典:司法統計)

 

2011年から10年間の推移をみると、この検認の申立件数はほぼ1.3倍になっています。2020年には遺言書保管制度の影響もあり、一時的に減少に転じましたが、再び増加に転じています。

 

遺言書保管制度は2020年に開始された自筆証書遺言を法務局にて保管してくれる制度で、メリットのひとつとして検認が不要になることが挙げられます。

 

確かに自筆証書遺言の検認件数は増加がみてとれますね。

公正証書遺言の作成数も増加傾向

公正証書遺言の方はいかがでしょうか。

長岡:

公正証書遺言の2011年から10年間の作成件数の推移は下記の通りです。

先ほどの検認件数のグラフとは件数の単位が違うので単純に比較はできませんが、この公正証書遺言の方は2011年から2015年までの4年間で3万件近くも伸びています。

その後はほぼ横ばいが続き、2020年に前述の遺言書保管制度の影響もあり減少していますがまた増加に転じていると言えるでしょう。

公正証書遺言を詳しく知りたい方はこちら:公正証書遺言とは?要件や注意点・メリット・デメリットを行政書士が分かりやすく解説!

 

(出典:日本公証人連合会統計)

死亡者数と比較すると遺言書の利用は普及していない

自筆証書遺言と公正証書遺言、これら2つのグラフだけ見ると、違いはあれども遺言書の総数としての利用は増えている、つまり着実に普及しているといえるのではありませんか?

長岡:

結論は少しお待ちください。別の角度から見てみましょう。

下のグラフは日本における死亡者数と遺言利用者数(自筆証書遺言と公正証書遺言)を比較したものになります。

もちろんすべての死亡者が相続に該当するわけではないのですが、2011年からの10年間で総死亡者数における遺言利用者の割合は12%から16%の間に収まったままとなっています。

マクロ的な視点からみると遺言書の利用は普及しているとは言えません。

(出典:政府統計ポータルサイト)

 

本当ですね。

先ほど教えていただいた2020年の遺言書保管制度の改革も、遺言の利用を促進するため、裏を返せばあまり遺言の利用がすすんでいないから政府が対策を講じる必要があったということでしょうか。

 

長岡:

そのとおりです。最初に私の方で遺言書の利用自体は増えてるが十分普及してるとは言えない、と申し上げた理由がお分かりいただけたかと思います。

相続トラブル(遺産分割事件件数)は増加傾向

長岡:

せっかくなのでもう少しデータを見ていきましょう。

手元に遺産分割事件の件数のグラフがあります。遺産分割事件とは遺産の分割について相続人の間で話合いがつかないので家庭裁判所の調停又は審判の手続を利用した統計です。

つまり、裁判所のお世話にならざるをえないトラブルに発展してしまった相続、という事です。

(出典:裁判所ホームページ、司法統計年報家事事件編(令和元年度)ほか)

 

前年より減少している年もありますが、全体的にはおおむね増加傾向にあるといえます。

さらにさかのぼると、2000年は8,889件というデータもあり、2019年の12,785件と比べると3,896件も増加したこととなります。

 

この一件一件それぞれに相続トラブルのドラマがあると考えると、ぞっとしますね・・・

 

長岡:

円滑な相続が好ましいのは言うまでもありません。

実際に相続トラブルに発展して家庭裁判所での調停や審判が行われた場合、終結するまでにどのくらいの期間がかかるのでしょうか。

2019年の遺産分割事件件数12,785件のうち、それぞれ審理が終了するまでかかった時間が下記の通りとなります。

(出典:裁判所ホームページ)

 

1年以内に家庭裁判所での審理を終えた件数は全体のおよそ70%ですが、相続税の申告をする場合申告期限は相続開始から10か月とされており、この間に申告を行わないと、相続税額が減額される特例が適用できません。

調停や審判を行った場合、相続発生からの期間が1年を超えることも珍しくないため、特例を適用することができず多額の相続税を負担せざるを得ないケースが相当数あるのです。

 

うーん、これまで教わったことをまとめると、相続トラブルは増加傾向にあり、トラブルに巻き込まれるとなかなか解決せず相続税の支払いも増える可能性がある。

親族の間に溝ができて禍根を残してしまうケースも多々あるでしょう。なのに遺言書の普及は十分ではないということですよね。

トラブルを避けるために遺言書を書くべき人

長岡:

残念ではありますがご理解の通りです。

私のこれまでの経験から、なぜ遺言書の利用が進まないかの分析をしてみました。

また、合わせて、トラブルを避けるために遺言書を書くべき人についても紹介します。

  • 遺言書を書くほどの財産はないと思っている人
  • 法律(法定相続分)に則って分ければいいと思っている人
  • 家族仲が良いので問題ないと思っている人
  • 早くから遺言書を書くのは縁起が悪いと思っている人
  • 直ぐに行動に結びつかない人

遺言書を書くほどの財産はないと思っている人

長岡:

よく、財産が少ないから遺産問題は生じないとおっしゃる方がいますが、決してそんなことはありません。

家庭裁判所の調停事件は1000万円以下が全体の約32%、5000万円以下が全体の約77%です。一般的な家庭であれば当てはまる範囲だと思います。

 

遺産相続というとお金持ちの問題ととらえがちですが、決してそんなことはないのですね。

 

遺言書を書くほどの財産はないと思っている人ほど、相続トラブルを避けるために、遺言書を用意した方が安心です。

法律(法定相続分)に則って分ければいいと思っている人

これはどういう意味でしょうか。法律が遺産の分割の仕方を定めてくれているのであればそれに従えばいいのではと思いますが。

 

長岡

いえ、民法は各相続人の相続割合(法定相続分)は定めていますが、具体的な遺産分けについては一般的な指針しか定めていません。

相続人が話し合った結果が優先するというのが法の基本的な考え方です。

具体的な遺産分けの仕方については、法は相続人同士の話し合いにまかせていると言えます。

なので、いざ相続になったら法律に則って遺産を分ければいい、というのは危険な考え方だと言えます。

法律(法定相続分)に任せきりにするのではなく、遺言書で自分の遺志を示しておいた方が安心です。

家族仲が良いので問題ないと思っている人

長岡;

現実に遺産争いで悲惨な状態になっているのは、最初から仲の悪かった家族だけではありません。

本来は仲がよかった家族であっても、その中を引き裂く結果となるのが相続問題です。

相続問題は、双方ともにそれなりの言い分があることが多いのです。

特に、相続人ではなく、相続人の配偶者が意見を言ってくることがあり、そうすると相続人だけの問題ではなくなり、もめごとが起こりやすいです。

家族仲が良いので問題ないと思っている人ほど、家族仲を良好に保つために遺言書を書いておくことをおすすめします。

早くから遺言書を書くのは縁起が悪いと思っている人

長岡:

遺言書が効力を生じるのは遺言者が死亡した時以降なので、早くからそれを用意するというのは縁起が悪いと感じるかもしれません。

また、自分の死について考えるのは気が進まないという気持ちもわかります。

しかし、同じく自分が死んだ後の話である生命保険については、若くて健康なうちからそれほど抵抗なく契約をしていませんでしょうか。

早くから遺言書を書くのは縁起が悪いと思っている人も、自分の遺志をしっかり示せるうちに、遺言書を用意しておくといいでしょう。

直ぐに行動に結びつかない人

これはどういう意味でしょうか。

 

長岡:

高齢の方にとって。これまでなじみのない遺言書を書くというのは大変な作業です。

遺言書には形式が決められており、そのとおりに間違いなく書くだけでも大変な作業ですから、どうしてもつい億劫になり先延ばしにしてしまうことになります。

また、身体が不自由な方は、せっかく遺言書の書き方をサポートしてくれるサービスがあっても、そこまで出向くだけでも大変な作業です。また、必要な書類を揃えるのもハードルが高いです。

 

確かに、高齢の方はスーパーに買いだしに行くのも大変だといいますからね。

 

長岡:

そうですね、なので我々の事務所では場所にもよりますが出張を無料で行いますし、我々が可能な限り動いてご相談者さまのご負担はご印鑑を押すだけ、とするよう心掛けています。

困ってらっしゃる方は本当は何を求めているかを突き詰めて考えると、法律のアドバイスもそうですが、やはり寄り添う姿勢ときめ細かなサポートになってくるのではと思います。

遺言書を作るのが面倒くさいと思っている方も、先延ばしにすると、どんどん面倒くさくなってしまうでしょう。長岡行政書士事務所では遺言書作成を丁寧にサポートしますから、ぜひこの機会に遺言書作成をご検討ください。 

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遺産額に関わらず遺言書は書くべき

遺言書は相続に関するトラブル回避に有効なので、本来もっと利用されるべきです。

家族仲は良いから必要ない、死んでもいないのに遺言書なんてとんでもない、相続なんてお金持ちだけの問題だ、法律に従って財産を分けるだけでよい等、これらすべてが誤解になります。

あとに残された人たちの為にも、遺言書の利用をお考え下さい。

長岡行政書士事務所では皆様のご相談をお待ちしております。

 

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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