生命保険契約照会制度とは?遺言執行者や相続人が故人の生命保険を調べる方法・手続きを解説

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遺言者に生命保険があるか調べたい!遺言執行者としての調べ方と手続きの流れとは

「父が亡くなったあと、待ってれば生命保険会社から連絡がくるのかしら」

「どの生命保険に加入していたかなんて聞いてないからわからないよ」

「生命保険契約照会制度ってなんでしょうか」

 

親族が亡くなった時は、ショックを受けたりどうしてもバタバタしてしまうと思います

ただ、そんな中ふと「そういえばあの人生命保険に入ってたよね・・・」と気づくケースも多いのではないでしょうか。

もし生命保険に入っていて保険金が支払われれば、経済的にも助かりますよね。

このコラムでは故人が生命保険に入っていたかを調べる方法を中心に、遺言により遺言執行者になった場合にどう生命保険加入状況を調べるかまでを解説いたします。

 

・・・

おや、今日も横浜市の長岡行政書士事務所は元気いっぱいですね。

ちょっと覗いてみましょう。

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生命保険は相続人などが自主的に請求しないと死亡保険金を受け取れない

生命保険は相続人などが自主的に請求しないと死亡保険金を受け取れないことをご存知でしょうか。長岡行政書士事務所のメンバーと一緒に制度について知っていきましょう。

ひまり:「ふぅ、今日も忙しい。長岡先生が遺言執行者になったから色々準備してあげなくちゃ。まあ、右腕として色々やってあげないといけないのはしょうがないけど、世話かかるわねほんと」

マキ:「ひより先輩忙しそうですね・・・」

ひまり:「えーっと明日のために揃えておく資料は、と」

マキ:「ひより先輩!」

ひまり:「ん? あら、マコさん、いたのね。なにか御用?」

マキ:「マキです。 先輩最近全然かまってくれないですよね! もっと仕事教えてください!」

ひまり:「まあ、いいこと? 仕事は教えてもらうんじゃなく見て盗むもの。私が入所した時なんか3年くらいは毎日雑巾掛けと発声練習だったわよ」

 

ユウ:「コラコラ! ちょっと何言ってんの! そばで聞いてたけど聞き捨てならないわね。 うちはそんな江戸時代の徒弟制度みたいな事務所じゃないわ。あなたが入所した時は初日からみんなでつきっきりで仕事教えてたじゃない!」

ひまり:「いや、これはその、なんというかまた、それはそれ、これはこれ」

マキ:「先輩、ちょっと何言ってるかわからないです」

ひまり:「まあ、今日はこれくらいにしておいてあげるわ。じゃ、マキさん、今日は一緒に故人(被相続人)が生命保険に入っていたかを調べましょう。長岡先生が遺言執行者に就かれたの被相続人様の生命保険の調査をしないといけません」

 

マキ:「え? 生命保険って加入者が亡くなったあと生命保険会社から連絡をしてくれるんじゃないんですか?」

ひまり:「違いますよ。死亡保険金は相続人などが自主的に故人(被相続人)が加入していた保険会社に請求しなければ受け取ることができません」

マキ:「知りませんでした」

ひまり:「しかも、死亡保険金の請求には期限があるんです。保険商品によって違いはありますがその多くが被保険者が亡くなった日から3年以内で時効となってしまいます」

亡くなった方の生命保険加入状況を調べる方法

マキ:「そうなると、相続人とか遺言執行者といったのこされた人たちが、被相続人がどんな保険に入っていたかを調べることになるのでしょうか」

ひまり:「その通りです。まさしくその生命保険加入状況の調査を、長岡先生が遺言執行者に就かれたので私がお手伝いしようとしてるところです。説明するから一緒にやりましょう」

マキ:「はい! やっぱり先輩についていきます!」

ひまり:「実際に亡くなった方の生命保険加入状況を確認する方法はいくつかあるので、必要に応じて個別に試してみることが大切です。代表例は次の4つがあげられます。」

  • 生命保険契約照会制度を利用する
  • 保険証券を確認する
  • 遺品を確認する
  • エンディングノートを活用する

 それぞれどのように生命保険加入状況を調べるのか、一緒に見ていきましょう。

生命保険契約照会制度を利用する

ひまり:「生命保険会社42社へ保険契約の有無をまとめて照会できる生命保険契約照会制度があります。実は以前からこの制度は存在し災害などで保険証書を紛失した場合等に限って照会が可能でしたが、現在は普段においてもオンラインや郵送で照会ができるようになっています」

 

マキ:「まとめて照会できるならものすごく便利じゃないですか!」

ひまり:「そうなんです。そしてこの生命保険契約照会制度は、被相続人が平時において死亡した、つまり病気などで亡くなった場合は法定相続人だけでなく遺言執行人も保険加入状況を照会できるんです」

 

マキ:「親族でなくてもいいのですか?」

 

ひまり:「はい、可能です。ただ、遺言執行人がこの生命保険契約照会制度を利用できるのは平時において被相続人が死亡した時のみであり、被相続人が認知症等で認知判断能力が低下した場合や、災害により行方不明や死亡した場合は配偶者、親、子、兄弟姉妹といった親族のみの利用に限られることに注意してください」

 

マキ:「わかりました。生命保険契約照会制度を利用するときは、大体どのくらいの費用と日数がかかるのでしょうか」

ひまり:「照会の費用は一件につき3,000円です。この支払が確認できてから約2週間で生命保険会社ごとに生命保険契約の有無が開示されますが、あくまでも契約の有無がわかるだけなので保険契約の内容確認と保険金の請求は個別に各保険会社と行う必要があります」

 

マキ:「便利な制度ですね・・・もう私一人でも長岡先生のお手伝いはできそうですよ。

ひより先輩は向こうでお休みください」

 

ユウ:「お、マキさん、下剋上ね、いいじゃない!」

 

ひまり:「ユウさん、横から急に入ってこないでください!実務的には、生命保険契約照会制度を利用する以外の方法で生命保険の加入状況を調べることも多いので、他の方法も知っておきましょう。」

保険証券を確認する

ひまり:「もし誰かがなくなって、その方が生命保険に加入していたかどうか知りたいときは、一番初めに確認すべきは被相続人が保険証券をのこしていってくれたかどうかですね」

マキ:「・・・保険証券ってなんですか?」

 

ひまり:「保険証券というのは保険契約が成立したことの証明書です。契約成立後に必ず保険会社から保険契約者宛に交付され、証券番号、契約者名、被保険者名、受取人名、給付金、保険期間といった重要事項がすべて記載されています」

マキ:「そうなんですね、ということは、保険証券が見つかったら一発解決じゃないですか」

 

ひまり:「被相続人が入っていた生命保険が1社だけとは限らないですよ。生命保険の保険証券が1つ見つかったからといって、安心しないでくださいね。

マキ:「そうでしたね、失礼しました!」

遺品を確認する

ひまり:「被相続人がのこした遺品の中に、生命保険にまつわるヒントがあるケースが多々あります」

マキ:「なんか探偵小説みたい・・・」

 

ひまり:「明日から眼鏡に蝶ネクタイをしてらっしゃい。例えば郵便物ですが、生命保険に加入している場合は「ご契約内容のお知らせ」が誕生月や契約月に届いている可能性があります。また、10月ころには、確定申告用に「生命保険料控除証明書」が届くので、これらの種類がある場合はなにかしらの保険に加入していると考えられます」

マキ:「なるほど」

 

ひまり:「他にも、被相続人の通帳にある引き落とし履歴や、パソコンのブックマークを見ても保険会社の確認ができます。意外と盲点なのが勤務先で加入していた団体加入の生命保険で、勤務先の保険事務担当者に問い合わせる必要があります」

マキ:「被相続人の方の生活の足跡を丁寧にたどっていけば色々手がかりが見つかるんですね」

エンディングノートを活用する

マキ:「でも考えてみると、意外と身の回りの人の保険加入状況って知らない事が多くないですか? 例えば私は父母がどの保険に入っているか知らないです。保険証券や遺品を確認するのも大変だし、生命保険契約照会制度を利用するのも少なからず手間になってしまいますよね。」

 

ひまり:「いや、実は私も・・・帰省した時家族と保険の話はなかなかしないもんね・・・でも、エンディングノートをうまく活用すればこういった問題は避けられるのだけど」

エンディングノートを活用して、加入している保険を列挙しておくと、相続人の負担を減らせるためおすすめです。

 もっとも、死後に必要な情報を残すのであれば、法的に効力のある遺言書を用意した方が安心です。横浜市の長岡行政書士事務所では、遺言書作成のサポートにも対応しています。

あわせて読みたい>>>遺言と比較しながら、エンディングノートの意味と具体的な書き方を理解しよう!

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生命保険にまつわる相続制度

故人が生命保険に加入していることが分かると安心するかもしれません。しかし生命保険の加入内容によっては、次の制度で定められている規定に従わなければならない可能性もあります。

  • 相続税
  • 特別受益

生命保険にまつわる相続制度についても知っておきましょう。

生命保険と相続税

生命保険の死亡保険金は、民法上の相続財産とはされず、遺産分割協議の対象となりません。

しかし税法上は、「みなし相続財産」として相続税がかかることも覚えておきましょう。法定相続人が生命保険金を受け取る場合には「500万円 × 法定相続人数」が非課税金額とされていますが、具体的な計算については税理士に確認しなければなりません。

生命保険の死亡保険金は相続税申告の対象となる可能性があることは留意しておきましょう。

生命保険と特別受益

生前に親から多額の援助を受けたケースで必要な「特別受益」という制度においても、原則として生命保険金は該当しないとされています。

しかし遺産総額に対してあまりにも高額な生命保険金を受け取るケースでは、例外として特別受益に該当するもあります。

保険金額が高額で、なおかつ保険金が遺産総額の50%を超えるようなケースでは、生命保険であっても特別受益と判断される可能性があるとされていました。しかし受取人と被相続人の諸事情を考慮して、遺産総額より生命保険金の方が多い事例でも特別受益とはされなかった判例もあります。

現状では生命保険と特別受益の関係は「個別具体的な事例」によって判断されることになっているので、一つの知識として覚えておくといいでしょう。

合わせて読みたい>>特別受益とは?生前に親から多額の援助を受けた場合は相続に影響するため注意

故人に生命保険があるかどうかは早めに調査をすること

保険金申請はこちらから生命保険会社に対して行う必要があり、被保険者が亡くなってから3年以内に行わないと時効になってしまう可能性があります。

 

エンディングノートなどを使って日ごろから被相続人がどのような生命保険に加入しているかを把握しておくのがベストですが、もし保険加入状況が不明のまま本人が亡くなってしまった場合でも、保険加入状況を確認する方法は複数存在します。

 

被相続人が保険証券をのこしていないか、郵便物に保険契約を特定できる書類がみつからないか、通帳に毎月の生命保険の支払い記録がないかなどの方法ですが、生命保険契約照会制度を利用すれば一度に多くの生命保険会社に確認が取れるので便利です。

 

また、この生命保険契約照会制度は平時における死亡であれば親族だけでなく遺言執行者も利用可能なので、もし遺言により遺言執行者になった場合も確認手段の一つとして有効です。

 

もし死後の生命保険手続きや、その他の相続手続きに不明点や不安が残る場合は、ぜひ横浜市の長岡行政書士事務所にご相談ください。

当事務所は相続の経験が豊富にありますので、皆様の円滑な相続のお役にたてればと考えております。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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