子の配偶者に不動産を相続させる方法とは?遺言書活用法を行政書士が解説!

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相談事例:亡き長女の夫に不動産を遺すために遺言書を作成する

自分の子の配偶者、たとえば娘の夫に不動産を相続させたい場面もあるでしょう。

しかし何も準備せず民法の規定に従うだけでは、子の配偶者へ相続させることはできません。

この記事では横浜市で遺言書作成・相続手続をサポートしている長岡行政書士事務所が、子の配偶者に不動産を相続させる方法として、遺言書活用法を解説します。

ご相談者様:横浜市在住80代男性

私の長女はよき伴侶に恵まれ幸せに暮らしていましたが、ついこの前交通事故により急に亡くなってしまいました。
悲しみに張り裂けそうな毎日でしたが、娘の夫であるA君がこまめに会いに来てくれたり私を励ましてくれて、なんとか前向きに考えられるようになりました。
彼もつらかっただろうに私を気遣ってくれて、その優しい気持ちに感謝しています。
実は娘夫婦は以前より私名義の家に住んでおり、A君にはこのままずっとあの家に住み続けてほしいと願っています。彼も長女との思いでがつまったあの家に思い入れがあるようです。
私はもう年であり、死んだらあの家はA君に譲りたいと考えておりますが、問題は私の長男が難色を示していることです。私と長男とは折り合いが悪く、長女が亡くなった時も連絡一つよこしませんでした。
残念ながら私は相続の事はよくわからず、どうしたらよいかを法律の面からアドバイスをいただきたいと思います。ちなみに、私の妻も両親も兄弟も他界しており、家族と呼べるのはA君と長男しかおりません。

回答:長岡行政書士事務所 長岡

ご相談いただき、ありがとうございます。
まずは亡くなられた長女様に対し、お悔やみ申し上げます。
驚かないでいただきたいのですが、実は長女様の配偶者であるAさんには法律上の相続権がありません。なのでこのまま何もせずご相談者様が亡くなられたとすると、Aさんが今住んでいる家は長男様のものとなります。
そのような状況を防ぐためにも、今からどのように準備すべきかを説明いたします。

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子の配偶者に相続権はない

先ほど何もせずにご相談者様が亡くなられたとすると子の配偶者には相続させられない、と言いましたが、それはつまり遺言を遺さないまま亡くなってしまうと子の配偶者に財産を遺せない、という意味になります。

そもそも遺言がないと法律に則って遺産を分配することになります、これを法定相続と言います。

法定相続の順位は、下記の様に決められています。

 

配偶者は常に法定相続人
第1順位:子ども、代襲相続人(直系卑属)
第2順位:親、祖父母(直系尊属)
第3順位:兄弟姉妹、代襲相続人(傍系血族)

 

たとえば故人(被相続人といいます)に配偶者と子と親がいた場合は、配偶者と子に遺産が受け継がれ、親は第2順位なので遺産の取り分はなしということになります。

また、被相続人に配偶者と子がなく親と兄弟姉妹がいる場合は、第2順位の親にのみ遺産が受け継がれ、兄弟姉妹は第3順位なので遺産の取り分はありません。

法定相続人の順位を見れば分かるとおり、子には相続権があるものの、の配偶者には相続権がありません。

相続権は血族という考え方にもとづいて決められており、被相続人の子や親、兄弟姉妹には血がつながっているために相続権がありますが、子の配偶者には被相続人との直接的な血のつながりがないので相続が考慮されないのです。

子の配偶者には寄与分も認められない

とはいえ、生前に被相続人を助けたりした人に何も残さないというのはあまりにも理不尽な話です。

その問題を解決すべく法律では寄与分という考え方があります。

この寄与分とは、遺産の維持や形成に特別な貢献をした相続人がいる場合にその相続人の遺産取得分を増やすことです。

例えば長男が親と同居して献身的に介護を行ったりした場合に、次男より寄与分だけ相続の取り分が多くなる可能性がある、ということです。

ただ、この寄与分はあくまでも相続人に対して認められるので、そもそも相続権のない子の配偶者には寄与分が認められません。

もし子が生きていればその配偶者による被相続人への貢献が、子への遺産取り分の増加という形で反映されてくる可能性もありますが、今回のご相談者様のケースでは子である長女様が亡くなってしまっているのでその配偶者のAさんがいくら被相続人の相談者様を支えても寄与分は発生しないのです。

子の配偶者でも特別寄与料は認められる

相続人でないと寄与分が認められないのは不公平ではないかという時代の声を反映するため、2017年より特別寄与料という制度が創設されました。

この制度では相続人でなくても親族であれば対象に含まれますので、今回の様に長女の夫も、直接の血のつながりはないものの、この特別寄与料の対象範囲となります。

しかし、無償での労務や療養監護の提供が要件の一つとなっており、たとえば介護が行われていた場合はこの特別寄与料の要件を満たします。

たとえば長年にわたって長男の妻が、長男の父を介護していた場合、特別寄与料が認められる可能性があるということです。

しかし冒頭で紹介した例のように、会いに来たり励ましてくれたりといった行為は認められない可能性があります。

子の配偶者に不動産などを相続させる方法は2種類

それでは相談者様のご希望通りに、長女の夫のような子の配偶者に家を遺すことはできないのでしょうか。

結論としては、法律をうまく使うことで、子の配偶者に不動産などを相続させることも可能です。

子の配偶者に不動産などを相続させる方法としては次の2種類が挙げられます。

  • 養子縁組
  • 遺言書による遺贈

それぞれ概要を見ていきましょう。

養子縁組

長女の夫など子の配偶者には、何もしなければ相続の権利は発生しません。

しかしたとえば、「長女の夫」が「長女の親」と養子縁組をした場合には、「子の配偶者」ではなく「長女の親の嫡出子」としての身分を取得できます。

つまり、養子縁組すれば相続人の1人として権利が与えられるということです。

そして、養子縁組をしても実の親との嫡出子関係は変わることはありません。そのため、自分の親からの相続権も変動することはありません。

ただ、この養子縁組では、養親よりも年長者を養子にすることができなかったり、仮に将来養子縁組を解消したい場合は双方の同意が必要となります。

子の配偶者へ相続の権利が発生するからといっても、養子縁組をするかどうか慎重に判断する必要があります。

遺言書による遺贈

長女の夫に相続の権利を発生させる方法としては、遺言書で長女の夫を指定することも挙げられます。

この方法を遺贈といいます。

遺贈は被相続人が遺言書で指定することによって相続を行うことで、遺産の全てや一部を相続人や相続人以外に与えることです。

遺言内容は法定相続に優先するので、法定相続人ではない人に遺産を残すことも可能となります。

遺贈にも種類がある

遺言書によって子の配偶者へ遺贈すれば、不動産などを譲ることができます。

しかし遺贈には2種類あるため、どちらを使うか検討しなければなりません。

  • 特定遺贈
  • 包括遺贈

特定遺贈は受け継がせたい財産を遺言書で指定しておくのに対し、包括遺贈では財産を受け継がせたい人物を指定し、財産に関しては割合もしくは全部と指定しておく方法です。

遺産の部分を分け合う割合包括遺贈の場合は、遺贈を受ける人、つまり受遺者は遺産分割協議に参加して他の相続人と話し合いをしなければなりません。これにより、遺産トラブルになる可能性が高そうであれば、特定の遺産を指定する特定遺贈をした方が良いでしょう。

特に今回の相談者様のケースでは長女の夫に贈りたい財産が家であるとはっきりしているので、長男との協議を避ける点においても特定遺贈にすべきです。

あわせて読みたい>>特定遺贈とは?包括遺贈との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説

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遺言書にも種類がある

さらに注意すべき点として、遺言書にも種類があります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言

もっとも注意すべき点としては、法律で定められた要件を満たしていない遺言書の場合は無効になってしまうことが挙げられます。

自筆証書遺言は自分で書くことができ費用も安い反面、形式不備により無効になりやすいことがデメリットです。

より安全性が高くしっかりと自分の遺志を有効にするのであれば、公証人に遺言書を作成してもらう公正証書遺言を利用することをおすすめします。法律の専門家である公証人が作成してくれるため、公正証書遺言が法的に無効になる心配は極めて低いためです。

子の配偶者へ財産を譲るとなると、冒頭で紹介した例のように、他の子が難色を示すかもしれません。自筆証書遺言の不備を指摘して、無効を争う可能性もあります。無用なトラブルを招かないためにも、基本的には公正証書遺言を遺しておいたほうがいいでしょう。

なお、公正証書遺言の作成は横浜市の長岡行政書士事務所でもサポートしています。公証役場との調整はもちろん、記載内容についての相談にも対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

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もし孫がいたら相続人になる

さて、本相談からは少し離れてしまいますが、もし長女夫妻に子、つまり被相続人の孫がいたらどのような展開になるでしょうか。

実は相続人である長女が亡くなっていてもその子(相談者からすると孫)に相続権が移るので、法定相続でも第1順位として相続を受けることが可能になります。

つまり冒頭の例でいえば、長男と孫で相談者からの遺産を分け合う事となります。また、孫がまだ未成年の場合には長女の夫が特別代理人となり遺産分割協議に参加することが可能です。

ただ、法定相続では長男と孫で2分の1ずつの相続となります。

これでは子の配偶者に家を遺す、という本来の目的が達成できない可能性が残る上、権利関係が複雑になることから長男とトラブルになる可能性があります。

このような場合でもやはり遺言書を用いて家を長女の家族に遺す、とはっきり指定しておくことが大切です。

子の配偶者に財産を遺すなら公正証書遺言がおすすめ

長女の夫は法定相続人ではないので、生前に手を打たないと遺志に沿った相続が達成できません。

養子縁組という方法もありますが、より実用的なのは公正証書遺言を用いて譲りたい家を長女の夫に指定する特定遺贈になります。

このように相続は事前の準備により結果が大きく変わってきます。もし不明な点や不安が少しでもある場合は相続の経験が豊富な横浜市の長岡行政書士事務所に是非ご相談ください。

お話をしっかりうかがい、一緒に考えていきたいと思います。電話・メール・LINEのすべてでご相談を受けつけているため、ぜひお気軽にご連絡ください。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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