相続財産管理人とは?相続人がいない場合の手続きの概要と注意点

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相続財産管理人とは?相続人がいない場合の手続きの概要と注意点

 

「相続人がいない場合、死後はどのような手続きが必要になるの?」
「亡くなった妻の兄には相続人がいないのだけれどどうなるの?」
「相続財産管理人が必要と言われたけど、概要と手続きを知りたい!」

 

相続は常に相続人がいるわけではありません。債務が大きく、相続人の全員が相続放棄を行うようなケースでは、財産を管理する人がいなくなるため、「相続財産管理人」と呼ばれる管理者を決めた上で、相続財産の処分などを進める必要があります。

 

相続財産管理人とは、一体どのような存在であり、業務内容はどのようなものでしょうか。今回の記事では「相続財産管理人」(相続財産清算人)について詳しく解説します。

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相続財産管理人とは

相続財産管理人とは、簡潔に言うと「相続財産を管理する人」を意味します。本来相続財産を管理するのは、相続財産を引き継ぐ相続人です。しかし、何らかの事情で相続人がいない場合には、相続財産を管理する人が必要となります。つまり、相続人以外の誰かが相続財産管理人になります。

相続財産管理人の業務内容

では、相続財産管理人の業務内容とは、具体的にどのようなものでしょうか。相続人が相続財産を管理できない状態である以上、相続財産管理人は相続財産を適切に管理することが大きな業務となります。

被相続人が遺した預貯金や不動産などを管理するほか、いらなくなった賃貸借契約の解約などの行為も、業務内容に該当します。また、被相続人が債務を残している場合には、債権者に対して支払いも行います。

相続財産管理人ができること・できないこと

相続財産管理人が具体的にできること、できないこととは何でしょうか。相続財産管理人には「権限」が与えられており、できること、できないことが以下のように分けられています。

  • 相続財産管理人ができること「保存行為と管理行為」
    保存行為とは被相続人の財産を保存・管理する行為を指します。具体的には、不動産の相続登記、預金口座の解約や払い戻しなどが該当します。アパートやマンションなど賃貸契約があった場合には、契約の解除もできます。
  • 相続財産管理人ができないこと「処分行為」
    処分行為とは、相続財産を売却、破棄するなどで処分する行為を指します。相続財産管理人に対して与えられている権限は保存や管理であり、処分行為は家庭裁判所の許可なく行うことはできません。

※処分行為 (権限外行為)は許可が下りれば可能
処分行為は、家庭裁判所に対して「権限外行為の申立て」を行い、許可が下りれば可能です。たとえば、不要となっている空き家の売却は、権限外行為が認められれば進められます。

相続財産管理人はなぜ必要?

相続財産管理人は上記のように、遺されている相続財産を保存・管理するために活躍していますが、そもそもなぜ相続財産管理人が必要となるのでしょうか。主に以下2つのケースでは、相続財産管理人が求められます。

1.相続人がいない
相続は発生すると、遺言書が無い場合は法定相続人が相続人になります。しかし、法定相続人が誰もいない場合には、相続財産を管理できる人がいないため、相続財産管理人が必要です。

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2.相続人全員が相続放棄をした
民法第939条では、相続人が相続放棄をすると「初めから相続人にはならなかった」とみなします。相続人全員が相続放棄をするようなケースでは、相続人が全員いなかったことになるため相続財産管理人が必要です。このようなケースは、被相続人が高額の債務を残していることが多いでしょう。

相続財産管理人の申立てとは

相続人全員が相続放棄をしているようなケースでは、高額の債務や残されている預貯金や不動産の処分などの行為について、元々の相続人が一切できなくなります。そこで、この残されている財産について、このまま相続人以外が管理してくことはできず、適切な財産管理を求めて相続財産管理人を「申立て」する必要があります。

相続財産管理人の申立ての概要

申立てができるひと

  • 債権者
  • 利害関係者
  • 検察官
    たとえば、債務を放棄するために相続人全員が相続放棄をすると、債権者は清算を求めて相続財産管理人の申立てを行っています。また、相続放棄をしたにもかかわらず相続財産を管理せざるを得ない場合は、相続放棄をした方が管理義務から離れるために相続財産管理人の選任を求めています。
  • 申立先は家庭裁判所
    申立先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
  • 申立て方法
    必要書類を用意し、収入印紙や郵券(切手)を用意した上で、提出を行います。相続人の特定を行った上で提出を行います。必要書類については下記リンクをご参考ください。
  • 予納金
    相続財産管理人は多くの業務をこなすため、報酬を得ることができます。報酬は相続財産から支払われますが、遺されている相続財産が少ない場合には報酬金を用意する必要があります。

報酬金は「予納金」として、裁判所に対して「申立人」が用意する必要があります。相場としては、20~100万程度とされています。なお、報酬決定後に予納金に余りが出る場合は、申立人側に最終的に返金されています。

参考URL 裁判所 相続財産清算人の選任

相続財産管理人は誰がなれる?

相続財産管理人になれる人とは、どのような人でしょうか。相続財産管理人は選任されると相続財産の調査を行い、必要に応じて家庭裁判所などへさまざまな種類の手続きを行う必要もあるため、法律の専門知識がある専門家が選任されています。一般的には弁護士が選任されることが多いでしょう。選任後は1年以上にも及ぶ業務が続くことも多く、債権者への清算や必要に応じて財産の処分などを進めていきます。

相続財産管理人の法律改正の注意点(令和5年4月1日民法改正)

相続財産管理人は、現在「相続財産清算人」という名称へと変更されています。令和5年4月1日に民法改正が行われたためです。詳しい概要は以下の2点です。

相続財産清算人とは

相続財産清算人は、基本的には今までの相続財産管理人と同様の業務を行います。申立人や予納金のしくみなどにも大きな変更点はありません。

民法改正における変更点

民法の改正により、若干の変更点があります。

  • 公告について
    相続財産管理人が家庭裁判所によって選任されると、これまで「公告」が3回にわたって行われてきましたが、スムーズに同時に行えるようになりました。公告とは裁判所などが一般に向けて知らせることを意味し、相続財産管理人業務の中でも行われています。以前は、下記の1ら3について、別々のタイミングで公告を行っていました。
  1. 相続財産清算人の選任の公告(6か月間)
  2. 相続人の捜索の公告(6か月間)
  3. 相続債権者等に対して請求の申し出をすべき旨の公告(2か月間)

民法の改正後は同時もしくは並行して行うことができますので、早ければ約6か月程度で相続人の不存在が確定できます。

相続財産清算人はメリットが少ない?

相続財産清算人が新たに必要となる場合、民法改正により一部の手続きは簡略化されたものの、実際に解決までには1年以上の期間を要することがあります。予納金の準備を相続人だった方が用意するケースもあり、重い負担がのしかかることも少なくありません。また、相続人が居ない場合には、ご自身の意図しない方法で遺した財産が国庫に帰属されてしまいます。

こうした予期せぬ相続開始後のトラブルを避けるためには、「遺言書」の活用がおすすめです。遺言書は未来へのバトンであり、トラブルを避けるための地図となります。思いをしっかりと残すことで、相続人が居ないようなケースでも、財産をお世話になった人や施設などに託すことができます。

 

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円満な相続を目指して、遺言書の有効活用を

今回の記事では、「相続財産管理人」(相続財産清算人)について、業務内容や申立て方法などにも触れながら詳しく解説を行いました。複雑な手続きが多い相続財産管理人の選任をなるべく回避するためには、遺言書の活用がおすすめです。ぜひこの機会に、遺言書の作成をご検討ください。

長岡行政書士事務所では、遺言書など生前からできる相続対策について、丁寧にご提案しています。法律上取り扱えない分野に関しては、「税理士」・「司法書士」・「弁護士」の各専門家と連携し、円満で明るい相続を目指しています。いつでもお気軽にご相談ください。

 

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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