相続人が同時に死亡した場合の相続はどうなる?同時死亡の推定と代襲相続の関係について解説

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新人補助者ひまりの事件簿⑨相続人が同時に死亡した場合の相続人は?~同時死亡の推定と代襲相続の関係~

「夫と息子が同じ事故で亡くなってしまった時の相続はどうなるのか知りたい」

「なぜわざわざ同時に死亡と推定する必要があるのか」

「この推定によりどのように相続は影響を受けるの」

親子の死亡時期の先後が不明な場合、 民法では「同時死亡の推定」というルールが定められています。

同時死亡を推定する?

聞きなれない言葉ですよね、また、なぜそんな推定をしないといけないのでしょう。

今日はなぜ「同時死亡の推定」が行われるのか、具体例をストーリー形式で解説します。

おや? 今日の長岡行政書士事務所は静かですね・・・

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「同時死亡の推定」が必要な理由

ひまりがお休みをいただいて実家に帰っているので、今日は事務所が静かである。

集中できていいんだけどね・・・とユウはそっとひとりごちた。

ピコン、とPCの画面からチャットが入る、ひまりからだ、今よろしいですか。

急いでヘッドホンをつけてマイクをオンにするユウ

ひまり:「ユウさん! おはようございます」

ユウ:「ひまりちゃん、あれ、今日はおやすみでしょ」

ひまり:「いや、実家って意外と暇で、自分なりに相続の勉強してたのですがわからないことがありまして、ちょっと教えていただけないかと思いまして」

ユウ:「せっかくだからのんびりすればいいのに。まあいいけど、じゃPC越しに話しましょうか」

ひまり:「ありがとうございます! お顔も見れて嬉しいです」

こういうところがこの子かわいいなぁと思うのだが、背景Onのままなので後ろで顔のよく似たお父さんがこっそりと娘の画面をのぞき込んでるとは何となく言いづらいユウであった。

さて、相続関係がある親子が同時に死亡した場合は「同時死亡の推定」が必要になります。

同時死亡の推定とは

ひまり:「教えていただいた民法第32条の2を見てみました。「同時死亡の推定」とは、事故などで複数人が同時期に死亡してその前後がわからない時に、同時に死亡したと推定する制度ですよね」

 

第32条の2【同時死亡の推定】
数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。

 

ひまり:「同時に死亡したものと推定するという言葉だけだと、なんとなくイメージがつかめないというか、なぜ同時死亡の推定が必要なのかがいまいちわからなくて・・・」

 

ユウ:「なるほど、わかりました。では具体例にあてはめて考えてみましょう」

 

例1:

夫Aと息子Cが車で買い物に出かけた際不幸にも交通事故に巻き込まれ、救急隊員が到着した際には2人とも亡くなっていた。どちらが先に死亡したかは不明。

この場合、のこされた妻Bは誰の財産をどのように相続するか。

なお、夫Aには息子Cと妻B以外に自身の両親DとEがいる。

 

ひまり:「なんてかわいそう・・・」

 

ユウ:「そうね、でも、私たちは悲嘆にくれている依頼者様に寄り添い、解決のためのお手伝いをしないといけないの。さ、答えてください」

 

ひまり:「えーと、夫Aの財産は妻Bが2分の1、息子Cが2分の1を相続します。また、息子Cの財産は直系尊属である妻Bが相続するから、結局はすべて妻Bが相続、だと思います」

 

 

ユウ:「そうですね、ただ、今言ってくれたことは夫Aが先に死亡し、そのあとに息子Cが死亡した場合です。先に息子Cが死亡した場合を考えてみてください」

 

ひまり:「はい、息子Cの財産は親である夫Aと妻Bに2分の1ずつ相続されます。その後、夫Aが死亡したということで妻Bには3分の2、残り3分の1は夫の両親Dと
Eに・・・あれ?」

ひまり:「相続結果が変わりますね、、」

「同時死亡の推定」で相続の結果に大きな差をもたらすことを防ぐ

ユウ:「そうなんです。この例の通り、どちらが先に亡くなったかによって相続の結果に大きな差をもたらすことがあります。このような事態を防ぐために、民法32条の2では同時死亡の推定という制度を設けています」

 

ユウ:「では、ここで民法の条文を見てみましょう」

 

第32条の2【同時死亡の推定】
数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。

ユウ:「この例1に戻ります。夫Aと息子Cは同時に死亡したと推定され、お互いに相続関係が発生しないということになります。なので夫Aの財産は息子Cがいないものとして妻Bに3分の2、夫の両親DとEに3分の1(それぞれ6分の1ずつ)が相続され、息子Cの財産は夫Aがいないものと考えられるのですべて妻Bが相続することになります」

 

 

ひまり:「ふーん・・・理解しました。確かに相続を前に進めるためには有効な制度ですね」

 

ユウ:「そうですね。今は交通事故の例を挙げたけど、他にも津波、地震、雪山遭難などの災害で複数の死亡者が出て、かつ各個人の死亡時刻が確定できない場合にこの制度が適用されます。ここでいう複数の死亡者、とはこの死亡により互いに何らかの法律関係の変動が生ずる者、というところに注意してください」

 

ひまり:「わかりました」

 

ユウ:「また、同時であれば同じ事故でなくても適用されます。例えばですが、甲が雪山遭難で生死不明な状態の時に別の場所で乙が死亡、後に甲の死亡が確認されたが甲と乙の死亡時期の先後が不明な場合、などがケースとして挙げられます」

 

ひまり:「結構広く適用できるんですね」

 

ユウ:「そうですね。ただ、あくまでも死亡の時刻が不明な場合であって、先ほどの例1でいくと、夫Aが救急車の中で死亡、息子Cが搬送先の病院で死亡したとすると、同時死亡の推定は適用されません」

 

ひまり:「だから死亡のタイミングというのが大事なのですね」

 

同時死亡の推定と代襲相続の関係

 

もう一つ具体例をみてみよう

 

ユウ:「さて、同時死亡の推定が適用される場合であっても、代襲相続は発生します。先ほどの例1で息子Cに妻Fと子Gがいたケースを考えてみましょう」

 

例2

夫Aと息子Cが交通事故で同時に死亡し、妻Bが遺された。

夫Aには両親DとEがいて、息子Cには配偶者Fと子Gがいる。

 

ひまり:「えーと・・・同時死亡の推定の場合、夫Aと息子Cの相続関係がないものとして考えるのですよね。ただ、このケースでは息子Cに子Gがいるので、夫Aの財産は妻に2分の1と、息子Cの子、つまり孫であるGに代襲相続され2分の1だと思います。そして息子Cの相続は配偶者Fに2分の1と自分の子Gに2分の1ずつです」

 

ユウ:「そのとおり、だいぶ慣れてきたみたいですね」

 

 

同時死亡の推定で注意すべきこと

同時死亡の推定が少しずつ理解できて来たところで、今度はこの制度と違う法律上の制度が重なった場合、どうなるのでしょうか。よくある事例は、次の2パターンです。

  • 遺言書を遺していた場合
  • 同時死亡の推定が覆される場合

よくあるケースと、推定が覆された場合を見ていこう。

遺言を残した人の死亡時に相続人が生きてなければ遺言の効力は生じない

ユウ:「では、遺言書を遺していたケースを考えてみましょう。例2で、夫Aが遺言の中で「息子Cに全財産を相続させる」旨の遺言を遺していたらどうなるのでしょうか」

 

ひまり:「息子Cも亡くなってしまってますよね、どうなるか想像もつきません・・・」

 

ユウ:「ちょっと難しかったなかな(微笑) 遺言がのこされていても、遺言をのこした人の死亡時に遺言によって財産を受け取る人が生きてなければ遺言の効力は生じません。なのでこの場合夫Aの財産は法定相続分の通り妻に3分の2、夫の両親DとEに3分の1、となります」

 

ひまり:「確かに、受け取る相手が既にいなかったら有効にはならないですよね。せっかく遺言を書いたのにもったいない」

 

ユウ:「そうですね、なので実務では同時死亡の推定を見越して、遺言書に※予備的事項として「仮に同時に死亡した時は・・・」と記載します」

 

ひまり:「なるほど、不測の事態に備えておくのですね!」

 

※予備的事項とは・・・詳しくはこちら:相続人が先に亡くなった場合どうなるの?予備的遺言について解説!

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    同時死亡の推定が覆される場合とその結果

    ユウ:「最後に、この同時推定が覆される場合に関してちょっと触れさせてもらいますね。先ほど述べた通り、別々のタイミングで死亡したという証拠が見つかったり示すことができれば、この推定は覆ります」

     

    ひまり:「ひまり、はい、推定はあくまで「推定」ということですね」

     

    ユウ:「その場合、結果としての相続分が変わってくるので、多くもらってしまった受益者は不当利得となり返還義務を負うことになります。また、新たに相続人となったものは相続回復請求権を行使することができます。この相続回復請求権は相続権の侵害を知った日から5年以内に行使しないと消滅してしまいます」

     

    ひまり:「わかりました、権利の上に眠る者は保護に値せず、ですね」

     

    ユウ:「あら、よくそんな法律の格言知ってるじゃない」

     

    ひまり:「日々是勉強ですから!」

    遺言書は「同時死亡の推定」も考慮して作成する

    いつ死亡したかが明らかでない場合、その死亡の先後によって相続分が変わってきてしまい、円滑な相続手続きに支障をきたすおそれがあります。

    そのような事態に備えるために設けられたのが同時死亡の推定の制度です。

    ただ、別々のタイミングで亡くなったことが証明されれば同時死亡の推定は覆り、相続分の金額も変わってくるので注意が必要です。

     

    遺言書作成の実務では同時死亡の推定を見越して、予備的事項として「仮に同時に死亡した時は・・・」と記載することをオススメしています。

    これらの実務は、遺言書の専門家にアドバイスを求めた方が安心でしょう。長岡行政書士事務所は、遺言書の実務に精通しています。少しでもご不安な点がある方は、お気軽にご相談ください

     

     
    行政書士 長岡 真也
    この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
    神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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