お墓や位牌は誰が継ぐ?相続や遺言書との関係を行政書士が解説!

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みんなで学ぶ遺言書クイズ テーマ「自分が亡くなったあと残されたお墓や位牌は誰に引き継ぐ?」

先祖のお墓を守り続けてきたけれども、もしも自分が亡くなったら、お墓はいったいどうすればいいのか?

特に子供がいない方にとって、お墓や位牌の管理をどう継承するのかは大きな問題ですよね。

墓や位牌、仏壇などを引き継ぐ方法はどのようなものか?相続や遺言書との関係と合わせて、横浜市の長岡行政書士事務所が解説します!

今回もクイズ形式で出題しますので、家族やご友人とチャレンジしてみてください。さあ、あなたのまわりで、お墓相続クイズ王になるのは誰だ?

※本記事は、通常の法律の文章は難しいことから、楽しくわかりやすくお伝えするためにクイズ形式にしています。

そのため、法律的な表現が少し変、厳密に言うとこうだ!等あるかと思いますが、そこは温かい心で読んでいただければ幸いです。

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お墓や位牌は自分が指名した適任者に任せられる

第1問: 70代のある男性は、長男として先祖代々のお墓を引き継いで管理をしてきました。もちろん都度の法要も欠かしてきませんでした。この男性には子供が3人おり、長男、次男は仕事の関係で実家におらず、三男が実家近くに定住しています。その誰かにお墓を継いで維持を続けてほしいと考えていました。お墓や仏壇は、誰が引き継げばいいでしょうか?

 

A:長男である自分が引き継いだので、やはり長男が引き継ぐ義務がある

B:長男・次男は、遠距離のため維持管理が大変なので三男が引き継ぐ義務がある

C:子供ではなく、自分が指名した適任者に引き継がせる

 

ヒントは、「お墓などの祭祀財産は相続財産とは異なるので、相続によって引き継ぐのではない」という点です。わかりましたでしょうか?

 

正解は、C「位牌やお墓は子供ではなくとも、自分が指名した適任者に引き継がせられる」となります! 今回も解説は長岡行政書士事務所・所長の長岡真也さんにお願いしていきます。長岡さん、AとCを選ばれる方も少なくないと思いますが?

 

長岡「はい、今回のポイントとなるのは、お墓などの祭祀財産は相続によって引き継ぐのではないという点です。祭祀承継者の指定といって、自分が希望する人物に祭祀を引き継いでもらうよう、あらかじめ指定することができるんですね」

祭祀承継者になれる人

祭祀承継者というのは、その指名された方のことですよね。家族でない方でも指名できるのですか?

 

長岡「指名できます。特に祭祀承継者になるための資格はなく、子供を指定しなければならないというルールもありません。もちろん残された子供を指名することも多いのですが、それ以外のケースも割とあるんですよ」

 

えっと…ちょっと想像つかないんですが、自分が好きなアイドルを指名するなんてことも?

 

長岡「さすがにそれは相手にとって迷惑ですよね、見ず知らずですし(笑) 子供以外で言えば、他家に嫁いだ娘、姪や甥、長年付き合いのある仲の良い友人家族のうちの誰か…などでしょうか」

 

指名できるのは、1人ということですよね。

 

長岡「祭祀承継者は原則1人とされていますが、必ず1人でなければいけないというわけでもないんです。お墓や位牌といった祭祀財産は分割することができませんから、実質、1人での承継が基本とされてはいます。でも、被相続人の意思や親族間の同意などがあれば、複数人で承継しても問題ないんです」

祭祀財産の種類

へえ、例えばお墓は長男、仏壇は次男などという具合ですか。ほかにどんなものが承継できるのですか?

 

長岡「承継できるものを祭祀財産といいます。民法第897条では以下のように定められているんですよ」

 

【系譜】先祖から子孫へと連なる血縁関係を記した図表(家系図、掛け軸、絵図など)

【祭具】祖先の祭祀や礼拝に使用される器具(仏壇、位牌、十字架、霊位、神棚)

【墳墓】故人の遺体や遺骨を葬る際に用いる土地や物品(墓地、墓碑、墓石、埋棺、霊屋など)

 

なるほど、分割できるなら、承継の負担も減りそうですね。では第2問に移りましょう!

祭祀承継者の指定方法

第2問:祭祀承継者の具体的な指定方法は3つあります。正しい指定の組み合わせはどれでしょうか?

 

A:現在の祭祀承継者が遺言等で指定/慣習によって指定/家庭裁判所が指定

B:現在の祭祀承継者が遺言等で指定/慣習によって指定/遺産分割協議により指定

C:現在の祭祀承継者が遺言等で指定/法定相続によって自動的に指定/家庭裁判所が指定

 

正解はA「現在の祭祀承継者が遺言等で指定/慣習によって指定/家庭裁判所が指定」です! さて長岡さん、遺産分割協議と法定相続が違う要素であるということですか?

 

長岡「難しい問題でしたね。これら祭祀財産は相続財産ではないので、遺産相続の対象にはなりません。したがって遺言や遺産分割協議、法定相続などによって相続人が相続しないんです。あくまで祭祀承継者の指定によって承継されると考えてください」

 

この指定方法はどれを行ってもいいんですか? なんかもうややこしいから家庭裁判所で決めてもらっちゃえ…って感じにはならないのかなと思いまして。

 

長岡「あはは(笑) 優先順位はあります。まずは被相続人の意思や慣習が最優先されて、該当する人物がいない場合、ようやく家庭裁判所の指定となるんです」

祭祀承継者が遺言等で指定

なるほど。まず最初に検討するのは、現在の祭祀承継者である被相続人が指定することを考えなくてはいけないのですね。指定方法の決まり事はあるんですか?

長岡「厳密に決まりごとはありませんので、口頭でもいいですし、遺言として残すこともできます。ただし、口頭では被相続人が亡くなった後、確認することができませんから、遺言という形で書面に残すほうがいいですね」

遺言書にはどのように記載していくものなんでしょう?

長岡「下のように記載してもらえれば大丈夫です」

 

【遺言書の記載例】

遺言者○○は、祖先の祭祀を主催する者として長男○○(昭和○年○月○日生)を 指定する。

慣習で指定

あとですね、慣習によって指定とありますが、祭祀承継者の指定にまつわる慣習とはどのようなもののことを言うのですか?

長岡「その地域や一族が守ってきた慣習ということになりますね。地域や宗派によっては、誰が引き継ぐかということが昔ながらの慣習で決められている場合があります。配偶者や長男などの相続人を祭祀承継者とする慣習が多いようですね」

家庭裁判所が指定

祭祀継承者にまつわる慣習がない地域…たとえば都市部などの場合は、相続人同士や親族間の話し合いにより決めるということですね。なるほど、ではその話し合いがスムーズにいかないときに家庭裁判所の出番というわけですか!

 

長岡「そのとおりです。家庭裁判所では、祭祀承継者としてふさわしいかどうかを検討します。例えば長男が喪主を務めたとしても別居していたのであれば、同居して世話をしていた次男のほうが選ばれることもあるんです。例えば以下のような事情を考慮しますね」

  • 被相続人との続柄、生前の被相続人との交流
  • 一族の中での立場、付き合い
  • 祭祀財産からの場所的距離
  • 金銭的余裕

 

なるほど、こういう事情なら仕方がないということを、家庭裁判所がしっかりと見極めるのですね。では、ラストクエスチョンです!

祭祀承継者の指定をされた者は拒否できる?

第3問:指名された祭祀承継者が「そんなのできない」と拒否してきました。このとき、どういう対応が考えられるでしょうか?

 

A:拒否したら恨んで化けて出ると遺言に書いておく

B:そもそも拒否できない

C:仕方がないので初めから選びなおし

 

絶対にAは嫌ですね…正解は、B「祭祀継承者の指定は、そもそも拒否できない」となります! 祭祀継承者になることを拒否できないというのは、なかなか厳しいなあと思うのですが、長岡さん、いかがでしょうか?

祭祀承継者を拒否する制度はない

長岡「そうですね。相続の場合、相続人は相続放棄の手続をすることができ、相続人としての地位を拒否できます。

しかし祭祀承継者には相続放棄のような制度がないのです。祭祀財産は相続財産には含まれませんので、仮に相続放棄をしたからといっても祭祀承継者に指名されたら受けなくてはいけません」

 

でもですよ? 例えば、遺言で指名されていて、いきなり祭祀承継者になったと知らされたとしましょう。

 

遠方に住んでいて、子供の学費で大変で、とてもじゃないけど時間もお金が回らないなど、致し方ない理由があるときも、そうなのですか?

 

長岡「こういうケースは、とても問題になりやすいですよね。祭祀承継者の役割は、お墓の維持、仏壇の管理、法要の主宰なのですが、お墓の維持や法要を開くにはお金がかかります。しかも特別な取り決めがなければ、基本的には祭祀承継者が負担することになるんです」

祭祀承継者の立場が嫌な場合の選択肢

もし、それでもどうしても「祭祀承継者になりたくない!」という場合は、何か手はあるんですか?

長岡「その地位をなくすということはできませんが、祭祀財産を処分することで、負担を少しでも減らすことは考えられますね。祭祀財産は、祭祀承継者の所有物、つまり自分のものですから、自由に処分することができるわけなんです。例えば、系譜や祭具の処分とか、墓じまいですね。これらは違法ではなく罰則もありません」

 

でも、親族間でモメそうですね。墓じまいをするにしても、費用はかかるはずですし。

 

長岡「まさにそこが重要な点なんです。法律上は自由に処分できるとしても、家族や親族の感情的な問題が残ります。ですから、そもそも論ですが、誰が祭祀承継者にふさわしいか、費用の負担はどうするのかという点も含めて、事前に親族間で話し合っておくことが大切なんですよね」

 

そうですよね。問題になる決め方をして「墓とか仏壇とかイヤなんだけど」みたいなことを言われちゃうと、ご先祖様みんなが悲しんでしまいますものね。

祭祀承継者は遺言書で指定しておくことが大事

お墓の問題はなかなか親族で話し合うことは少ないかもしれません。

なんとなくで過ごしてきて、実際課題に直面してから話し合って、決まらなかったり、揉めてしまったりとしまうこともあると思います。

事前に現在の祭祀承継者が意思表示をすることほど、親族が迷わずに済むこともあるでしょう。

先祖があるから、親があり、今の自分があり、子供がある。この脈絡と続く流れを、忌避すべき問題に貶めてしまわないよう、ご不安があれば事前に家族なり、専門家なりに相談してみてはいかがでしょうか。

横浜市の長岡行政書士事務所では、祭祀継承者の指定も含めた遺言書作成をサポートしています。お墓や仏壇などの継承に不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。初回相談は無料で対応しています。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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