遺言執行をすることになった!証券会社と信託銀行等の手続き方法と2社の役割とは

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遺産に株式があった場合は、どう取り扱ったらいいのでしょうか。

というのも、現金や不動産とは違い株式ってあまり実物を目にすることがないですよね。

普通に証券会社に問い合わせるだけでいいのでしょうか。

あと、時々信託銀行から株式に関して手紙が来たりしますが、そもそもなぜ信託銀行が絡んでいるのでしょう。

本日は相続にお詳しい長岡行政書士様に、色々とうかがってみようかと思います。

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相続財産に株式がある場合の管理と場所

いつも色々とお教えいただき、誠にありがとうございます。

相続に関しての素朴な疑問なのですが、現金とか預金、不動産は遺産相続で分配するイメージがしやすいのですが、株式はちょっとわからないというか、実際株取引でもネットで操作してるだけなのでこれをどう遺産相続で分けたらいいのでしょうか。

少し実務的なことに踏み込んでしまい恐縮ですが、株式が遺産にある場合の相続手続きをお教え願えますでしょうか。

 

長岡:こちらこそ、今日はどうぞよろしくお願いいたします。

そうですね、相続手続きというとパッと思い浮かぶのは不動産の名義変更であったり、金融機関の預貯金解約であったりかと思います。実際亡くなられた方の金融資産は預貯金が多数ですが、中には株式を保有している方もいらっしゃいます。では、その株式の相続手続きに関してご説明差し上げます。

 

長岡:そもそもですが、株式の書面って見たことありますか?

 

いや、実はありません。私も多少は株取引はやってますが、全部ネットで完結してて実際の株券は見たことないですね。

 

長岡:まずはそこがポイントです。故人の遺品を整理していると、預貯金通帳等の他に株式に関係する書面が出てくることがあります。しかし、普段株式に関する書面を見慣れてる人が少ないため、いったいこれらの書面が株式の相続にどう関係するのかが結構わかりづらいのです。書面の名称や発行する金融機関も様々なので、そこが難解さに拍車をかけているかもしれません。

そこで、まずは株式が金融機関でどのように管理されているのかについて触れさせてください。

 

株式の管理されている場所とは

長岡:さて、株券の保護預かりという言葉を聞いたことはありますでしょうか?

 

いえ、ありません。

 

長岡:これは、銀行や証券会社などに購入した有価証券の本券を預けておくことを指します。株式を購入した人は別に自分の手元に紙の券を置いておく必要はないわけで、むしろ銀行や証券会社で預かってくれていた方が安心です。また、株を売買したりするときも一つのところで集中管理していた方が何かと便利です。

 

確かに、Aという株を売った時、個人がAの株券を保管していたらいちいち紙を差し出して買主に渡して・・・となりますよね。また買主もすぐ別の人に売る可能性もあるわけで、権利としてのA株だけが動いていく方が手間がかかりません

 

長岡:そうですね、あと、その株を発行した会社としても直接株の売主と買主がやり取りしてしまうと今誰が自分の会社の株を保有してるかわからなくなってしまいます。株は自分たちの会社を細かく分けたものですから、それがどこにあるのかわからないというのは相当に不便です。

そこで、証券保管振替機構、通称「ほふり」という機関が設立され、証券会社から預けられた投資家の株式などを集中保管し名義書き換えや売買に伴う受け渡し、発行会社への株主通知などを行うようになりました。

また、上場株式に関して平成21年1月5日に株券の電子化が行われ、書面での株券は廃止となり、より紙を離れたほふりによる集中管理の流れが加速いたしました。

 

株式の管理されている3パターン

よって、株券の管理の仕方としては以下の3パターンが考えられます。

 

  • 証券会社に保護預かりで、ほふりに同意している場合は証券会社口座でそのまま管理
  • 証券会社に保護預かりで、ほふりに同意していない場合は信託銀行の特別口座で管理
  • 証券会社に対し保護預かりを依頼せず、自分で株券を保管

 

えーと、ちょっと待ってください、これはどういう意味でしょうか・・・

 

証券会社に保護預かりで、ほふりに同意している場合は証券会社口座でそのまま管理

長岡:はい、まず最初の1番ですが、株を証券会社に依頼して買い付けてそのまま預かってもらい、ほふりに同意したのでデータが証券会社の口座と紐づけられているパターンです。

 

なるほど、そうすると、売買の記録とか買った人の登録といったデータ処理はほふりでやっているけども、証券会社の口座と紐づいているから相続の際は証券会社の口座番号からデータがひっぱってくることができる、ということですね。

長岡:そうですね、これがメインのパターンになります。

 

証券会社に保護預かりで、ほふりに同意していない場合は信託銀行の特別口座で管理

次の2番ですが、株式を証券会社経由で買い保護預かりで預かってもらったところまでは同じですが、ほふりに同意しなかったのでデータを置いておく「場所」がありません。なので発行会社、つまり株を発行した会社が自分たちの株主の権利を守るため、株主名簿の管理依頼している信託銀行にほふり不同意の株主用の口座を作りました。これが特別口座といいます。

 

信託銀行ですか? 場所が必要なら証券会社に頼めばいいと思うのですが

 

長岡:証券会社はあくまでも売買の取次を行う機能なので、誰が今株主なのかという名簿を管理する業務は行いません。多くの場合は株を発行した会社は自分たちの株主を把握するために信託銀行にその業務を委託しています。なので、ほふりに登録されない株式は証券会社にまず預けられたあと、信託銀行の特別口座に移されます。その場合は信託銀行の特別口座に株式の情報が紐づくことになります。

 

そうすると、ほふりに同意したか否かで証券会社から手紙がきたり、信託銀行から手紙が来たりするわけですね。

 

長岡:その通りです。加えて、証券会社と信託銀行とで発行する書面の種類も異なります。そのため株主に対して株式に関する書面が発行される場合、一般的には証券会社が作成する書面と、信託銀行が作成する書面が混在することになります。これが相続人の方々が困惑してしまう理由のひとつになってしまうのです。

また、特別口座は株式の取引口座ではないので、特別口座に記録された株式を売買・譲渡・贈与するには、あらかじめ証券会社等に相続人の取引口座を開設し、株式を振り替える必要があります。

 

証券会社に対し保護預かりを依頼せず、自分で株券を保管

長岡:これは単純に株式の株券を自宅等の金庫で保管することです。よく○○株式会社株券等の名称が書いた紙面を見たことないでしょうか?昔はこちらを大切に保管していたんですよね。電子化や会社法改正により株券の不発行が原則となったことから、今ではなかなかお目にかかることはないですけどね。見るのはドラマぐらいという・・・。

 

色々と複雑ですね、ただ、ご説明いただいたおかげで理解できました。

 

故人の株式の確認方法

 長岡:さて、このように株式の相続手続きを進めるためには、故人が保有していた株式の詳細を把握する必要がありますが、主に以下の書面を用いて調べます。

 

  • 証券会社から送付される取引残高証明書
  • 株主名簿管理人である信託銀行から送付される配当金通知書や株主総会招集通知

 

しかし、もしこうした書面が残されていない場合は、ほふりに対して情報開示請求を行うことになります。これにより、どの金融機関が故人の保有株式を管理しているか知ることができ、保有株式のチェック漏れを防ぐことができます。ただし、開示請求では保有銘柄の詳細までは分からないため、各金融機関に対して保有銘柄の一覧を請求する必要があることはご注意ください。

 

実際に株式を遺言執行するときの手順

株式の管理の仕方とそれに伴う証券会社、信託銀行の関与、そして株式の所在をつかむ方法はわかりました。それでは、念のため実際の遺言執行の流れを教えていただけますでしょうか。

 

長岡:はい、株式を管理している金融機関と保有銘柄の内訳が分かったらところで、以下の様に株式の相続手続きを進めていきます。

 

  1. 遺言執行に必要な申請書類を取り寄せる
  2. 遺言執行に必要な書類の準備をすすめる
  3. 遺言執行者が株式移管手続きを行う

 

手順①遺言執行に必要な申請書類を取り寄せる

株式を管理している金融機関によって連絡先が下記の様になります。

 

  • 証券会社:故人が口座を持っていた支店
  • 信託銀行:証券代行部

 

証券代行部・・・初めて聞きました。

てっきり証券絡みの仕事はすべて証券会社でやるものかと。

 

長岡:確かにあまり聞きなれないですよね(笑)

信託銀行内にある、株を発行した会社、つまり発行会社の為に株式関連業務を行う部門です。こちらに連絡し相続手続きの申請書類を郵送で取り寄せてください。

ここで気を付けていただきたいのは、証券会社に連絡する際は「故人が口座を持っていた支店」という点です。証券会社における取引情報の確認は、実際の口座開設支店でしかすることができません。一方で、信託銀行の口座確認は、一般的にどの支店の窓口でも手続きが可能です。連絡をすると1~2週間程度で会社所定の必要書類がお手元に届きます。

 

手順②遺言執行に必要な書類の準備をすすめる

長岡:次に、株式の移管に関しての書類ですが、今回は遺言書があり遺言執行者としての立場であれば以下のとおりです。

 

  • 遺言書(公正証書遺言以外の遺言書は、検認済みであること)
  • 本人(被相続人)の死亡が分かる戸籍謄本等
  • 株式を受け取る相続人の戸籍謄本と印鑑証明書
  • 相続人と遺言執行者の印鑑証明書(発行後6か月以内のもの)
  • 各金融機関所定の届出用紙

 

上記以外に、遺言書があって遺言執行者がいない場合や、遺言がなくて遺産分割協議書がある場合など各場合に応じて必要な書類が違ってきますので、念のため証券会社や信託銀行に再確認をしてみてください。

 

手順③遺言執行者が株式移管手続きを行う

長岡:最後に、証券会社に遺言執行者用の口座を開設します。口座名は「故○○○遺言執行〇〇」という名義になりますね。口座を開設出来たら同時に移管手続きも完了しますので、あとは通常の取引と同じで電話で売却指示をして現金化し、相続人に振り込むという形になります。この口座はあくまでも売却専用なので、その売却が終わると口座も閉鎖となります。

 

わかりました、ありがとうございます。

ちょっと預金の際と比べると複雑ですが、ご説明いただいたおかげで理解できました!

 

株式の相続は複雑、行政書士等の専門家にご相談を

証券自体を見たことがなかったり関連書類が色々な金融機関から来たりと、証券の相続は他の預金や不動産と比べると多少複雑なところがあります。ただ、本文中で説明があったように証券会社か信託銀行かの区別と、その後の流れを押さえておけば理解がしやすいでしょう。

長岡行政書士事務所は相続の経験も多く、皆様に寄り添って一緒によい相続のお手伝いができればと思います。

是非ご相談ください。

 

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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