公正証書の手数料が変わった?公証人手数料令の改正を行政書士が解説!

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公正証書の手数料が変わった?公証人手数料令の改正を行政書士が解説!

 

「令和7年の10月から公正証書の作成手数料が変わったって本当?」
「公正証書の作成手数料は、遺言書作成にどのような影響があるのか知りたい」

遺言書の中でも、安全性が高く広く利用されている「公正証書遺言」は、公証役場にて作成時に手数料を支払う必要があります。
令和7年(2025年)の10月1日に「公証人手数料令」の変更が行われたため、手数料が変わりました。

今回の変更は公正証書作成全般に大きな影響があるため、生前からの相続対策にも改めて注目が集まりそうです。

本記事では今回の改正による手数料の変更点や、変更によるメリットなどを行政書士がわかりやすく解説します。

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公証人手数料令の改正とは

「公証人手数料令」とは、公証人が公正証書を作成する際に受け取る手数料の額を定めた政令を意味します。

この手数料令が、令和7年(2025年)10月1日以降、時代の変化や社会のニーズに対応するため、約25年ぶりに改正されました。

今回の改正の基本的な考え方は、「国民生活に密着した公正証書の作成費用を減額し、利便性を向上させる一方で、適正な費用に見直す」という点にあります。

改正の詳しい内容については以下のとおりです。

少額契約でも公正証書が作りやすくなる

今回の改正では、財産が少ない方でも公正証書が作りやすいように、少額取引に関する手数料が新規設定されました。法律行為の目的の価額(※)が50万以下の場合、手数料は3,000円という新枠です。

これまでは100万以下なら一律に5,000円と設定されていたため、より使いやすくなります。

(※)法律行為の目的の価額とは、契約などで動く財産の具体的な価値、金額のこと

遺言書などの作成手数料は全体的に値上げ

より身近に、使いやすくなるような考慮がなされた本改正ですが公正証書遺言や、公証人が公証役場外で手続きを行う場合の手数料は、適正化(実質的な値上げ)が行われます。

  • 遺言加算料金の変更
    公正証書遺言の作成時に加算される「遺言加算」の手数料が見直されました。特に遺産の価額が高額な場合や、相続人への遺贈の数が多い場合の加算額が変更されることにより、遺言書作成の総費用は全体的に値上げとなります。

新旧の公正証書作成料を徹底比較

公証人手数料規程の改正により、2025年から公正証書の作成料が大幅に見直されました。ここでは、目的の価額別の基本手数料やその他の加算手数料を新旧の金額で比較しながら解説します。

基本手数料

公正証書作成における基本手数料は、文書の目的となる財産価額に応じて決まります。今回の改定では、低価額帯はほぼ据え置き〜微増、高価額帯は実質的な値上げが目立つ結果となりました。

目的の価額これまでの料金

(~R7.9.30)

改正後の料金

(R7.10.1~)

備考
50万円以下3,000円新設枠
50万円以上~100万以下5,000円5,000円変更なし
100万以上~200万円以下7,000円7,000円変更なし
200万円以上~500万以下11,000円13,000円2,000円の増額
500万円以上~1,000万以下17,000円20,000円3,000円の増額
1,000万以上~3,000万以下23,000円26,000円3,000円の増額
3,000万円以上~5,000万以下29,000円33,000円4,000円の増額
5,000万円以上~1億円以下43,000円49,000円6,000円の増額

1億円以上の最新料金については下記リンクをご確認ください。

参考URL  日本公証人連合会  Q7.公正証書遺言の作成手数料は、どれくらいですか?

その他の手数料の新旧料金表

項目現行料金

(~R7.9.30)

改正後料金

(R7.10.1~)

備考
遺言加算

(1億円以下)

11,000円13,000円値上げ
公正証書の枚数加算(3枚以上、1枚超えるごと)1枚につき250円1枚につき300円値上げ

遺言加算と公正証書の加算枚数の変更の詳細については後述します。

実際に作成するとどう異なる?

次に、実際に遺言書を作成した場合の費用の違いを、2つの事例で解説します。

  1. 遺産500万円のシンプルな遺言書の場合(目安)
    ・旧料金 11,000円(基本)+11,000円(遺言加算)=22,000円
    ・新料金 13,000円(基本)+13,000円(遺言加算)=26,000円
    → 4,000円の値上げです。
  2. 遺産3,000万円・ページ数5枚の遺言書の場合(目安)
    ・旧料金 基本 23,000円+加算 11,000円+(250円×2枚)=34,500円
    ・新料金 基本 26,000円+加算 13,000円+(300円×2枚)=39,600円
    →5,100円の値上げです。

なお、こちらはあくまでも一例ですので、正確な金額は最寄りの公証役場にお問い合わせください。

公正証書遺言の作成時の料金変更点

公正証書遺言は、今回の手数料改正によって影響を受ける分野のひとつです。遺言書は通常の公正証書と比べて手間やリスクが大きく、公証人による厳格な確認が必要なため、複数の加算項目が存在します。

今回の改正では、これらの加算料金が全体的に見直されています。特に遺言加算や正本・謄本作成費用の部分に注意が必要です。

遺言加算の料金変更

公正証書遺言を作成する際には、基本手数料に加えて「遺言加算」が発生します。遺言加算は遺言者の財産総額が1億円以下の場合に加算される手数料のことです。

先に料金表にてご説明のとおり、遺言加算は以下のように変更されました。

• 旧料金:11,000円
• 新料金:13,000円(2,000円の値上げ)

正本や謄本の作成費用の変更

遺言書を作成すると、原本とは別に正本や謄本(写し) を作成します。
今回の改正では、この写しにかかる「枚数加算」が以下のとおり変更されています。

• 旧料金 3枚を超えてから、1枚につき 250円
• 新料金:3枚を超えてから、1枚につき 300円

公正証書遺言を作る際に遺産の種類が多いとページ数が増えやすいため、複数枚になるケースは少なくありません。遺言加算と枚数加算も踏まえて、遺言書の作成費用を計算します。

今回の改正によるメリット・デメリット

今回の改正は、単なる値上げにとどまらず、公正証書制度の使い勝手そのものを見直す大きな転換点になっています。ここでは、利用者が実際に感じやすいメリットとデメリットを整理します。

メリット:公正証書の作成手続きがデジタル化

手数料改正とともに、公正証書の作成手続きがデジタル化され、利用者が公証役場に行かなくても申請~作成ができるようになりました。公正証書が以前よりも身近なものになるため大きなメリットです。

デジタル化された手続き
・電子証明書による本人確認でインターネットを経由した嘱託が可能
・ウェブ会議(リモート式)を活用した公正証書の作成が可能
・公正証書の作成や保存もデジタル化
・受け取り方法も電子データがOKに

手続き上の注意点もある

ただし、デジタルでの公正証書の作成には注意点 もあります。リモート式で公正証書を作成するためには、公証人が「相当」と認める必要があります。

例えば、病気などを理由に作成を希望する本人の意思確認が困難な場合は利用ができません。

また、リモート式の場合は画面共有の観点からパソコンの用意が必要とされ、スマホやタブレットは不可とされています。

引用:日本公証人連合会 Q8. リモート方式の利用に必要な機材を教えてください。

 

ウェブ会議に参加するための機材等として、①パソコン、②カメラ、マイク、スピーカーが必要です。

タブレット型PCやスマートフォンは、電子サインを行う際に、公証人や他の列席者が、画面上の電子サインの状況と電子サインを行っている列席者の様子を同時に確認することができないため、リモート方式による公正証書の作成には使用できません。

また、パソコンのOSやウェブブラウザのバージョンが古いものである場合には、使用できない場合があるのでご注意ください。

メリット:高齢者やひとり親が利用しやすくなった

オンライン相談枠の拡大や、少額案件(50万円以下)の手数料新設によって、公正証書利用のハードルが下がりました。
高齢者やひとり親世帯にとっては、時間的・経済的負担が軽くなるメリットがあります。

デメリット:作成料が値上がりした

基本手数料・遺言加算・正本・謄本の作成料など、幅広い項目で値上がりが行われています。
特に、ページ数が多い遺言書は旧料金と比べて負担が大きくなるケースもあります。

公正証書遺言の制度自体はより使いやすくなったものの、作成時のコスト上昇は避けられず、事前に見積もりを作成することがおすすめです。

合わせて読みたい:公正証書遺言のデジタル化がスタート!メリットや注意点を行政書士が解説

公正証書遺言のご相談は横浜市の長岡行政書士事務所へ

今回の料金改定により、公正証書遺言の作成手続きはデジタル化が進み、利便性は確実に向上しました。一方で、基本手数料から遺言加算部分まで全体的に値上がりしており、作成コストは以前より高くなっています。

これから公正証書遺言の作成を検討している場合は、改正内容を踏まえてご相談されることがおすすめです。

まずはお気軽に横浜市の長岡行政書士事務所へご相談ください。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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