LGBTや同性パートナーの将来の財産管理方法とは?相互に交わす任意後見制度を解説 

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LGBTや同性パートナーの将来の財産管理方法とは?相互に交わす任意後見制度を解説

 

LGBTや同性パートナーの方の将来の財産管理方法とはどのようなものがあるでしょうか。生活を共にしていても財産に関しては他人です。年を老いて一方のパートナーが自分で財産管理できなくなった場合、もう一方のパートナーは預貯金を下ろしたり役所で手続きをしたりできるでしょうか。このようなときのために、この記事ではLGBTや同性パートナーの財産管理方法について「ヒーロー戦隊風」に解説します。LGBTや同性パートナーの方の財産管理方法について分かりやすく知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

やあ、よい子のみんな!

私たちは、後見戦隊ユイゴンジャー。隊長のユイゴンレッドだ。

高齢者で認知症になった方々を狙う悪の結社、ダマシテヤルー軍団と日々闘っている。

高齢者の弱みにつけこんで悲しみを吸い取り、そのエネルギーで世界征服を企んでいる。だが、私たちがいる限り、決してそんなことはさせない!

よい子のみんな! 私たちとともに、ダマシテヤルー軍団をやっつけよう!

今日も、心強い隊員たちが一緒だ!

ユイゴンブルー:イケメン隊員。得意技「ニンイコウ剣(任意後見)」
ユイゴングリーン:ユイゴンジャーの頭脳。得意技「ホウテイコウ拳(法定後見)」
ユイゴンイエロー:カレー大好き。得意技「ジヒツショウ掌(自筆証書/遺言)」
ユイゴンピンク:紅一点の可憐な隊員。得意技「コウセイショウ粧(公正証書/遺言)」(特殊な「遺言書メイク術」)

ちなみに私はピンクのことが…おっとこの気持ちはヒミツだぞ!

よし、さっそく「LGBT(同性パートナー)の将来の財産管理」について、よい子のみんなと一緒に考えてみたい。

いくぞ、みんな!

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日本の法律では同性婚は婚姻関係と認められない?

レッド「いまの日本の法律で、婚姻と聞くとどんなイメージを持っている?」

ピンク「一般的には、異性間…つまり男性と女性との婚姻が根底にあると考えられてますよね」

レッド「そうだ、ピンク。私とピンクのように、男と女だな…(ああピンク、君と結婚できるとしたら私は…♡)」

イエロー「え? カレーとらっきょうじゃないんだべ?」

レッド「…カレーとらっきょうは結婚できん」

ブルー「でもさ、近年は同性婚も世界的に話題になってきているよな」

同性パートナーは法律上他人扱いになっている

レッド「ああ。でも、同性の場合は法律上の婚姻関係を結ぶことができないんだ。あまりこういういい方はしたくないが…法律上は他人扱いになってしまう」

グリーン「だから同性婚にも異性婚と同様の権利を…という動きが出てきているのさ。もっともまだ理想には程遠い状態なのさ」

レッド「うむ。だが、法律を理解して、味方につけることで、ある程度は異性婚に近い法律関係を「創り上げる」ことができるのは知っていたか?」

ブルー「マジかよ、隊長!」

グリーン「そうありたいものさ!」

ピンク「隊長、つまりLGBTの方こそ法律に親しんでおく必要がある…そう言いたいんですね!」

レッド「さすがだ、ピンク!(……♡)」

イエロー「隊長、顔赤いべ。まるでカレーについている福神漬けみたいだべ」

レッド「せめてサラダのトマトにしてくれ…って、とにかく! パートナーに何かがあった時に備えるための任意後見契約! これを理解することが、ダマシテヤルー軍団と闘うためにも必要なのだ!」

同性パートナーの方は成年後見制度を利用

ピンク「そうこなくっちゃ。まずは成年後見制度から学ぶわよ。ブルー、グリーン、解説をお願い」

ブルー「合点承知の助よ! 成年後見制度とは、認知症や障害等で判断能力が低下してしまった人に、支援してくれる人(成年後見人)をつける仕組みのことだぜ」

グリーン「そして社会参加を続けてもらうってわけなのさ」

ブルー「成年後見人は本人の代わりに財産管理や契約行為をサポートすることができるんだ。っていうことは、うまく活用すりゃ、判断力が低下しても生活に困ることは少なくなる」

グリーン「本人の不動産や預貯金などの財産の管理や必要な福祉サービス、医療が受けられるよう介護契約の締結や医療費の支払なども含まれるのさ」

レッド「そして成年後見制度には2種類ある。一つ本人の判断能力が衰えたあとで家庭裁判所に申し立てし、後見人をつけてもらう法定後見制度。もう一つは、自分の判断能力が衰えたときに備えて後見人になってほしい相手と契約し、その代理権の内容や報酬等も当事者間で決定する任意後見制度だ。ここまでは大丈夫か?」

戦闘員A「はい!」

同性のパートナーの場合は任意後見制度がおすすめ

レッド「戦闘員たち。君たちのように同性のパートナー同士の場合、法定後見制度と任意後見制度、どちらがいいと思う?」

戦闘員B「…うーん、難しいですけど、やっぱり法定後見制度じゃないですか? 法定、つまり法律が定めているわけですから、なんだかしっかりしてそうだし」

ブルー「…とはいかないんだよな、これが。法定後見制度を使うときは家庭裁判所に申立てをしなくちゃいけないんだ。つまり、家庭裁判所が必ず自分の意図する人を後見人にしてくれる保障はないんだよ」

グリーン「家庭裁判所は『誰が本人の権利を護るのに適切か』を公平・中立な立場で判断するのさ。だから、弁護士、行政書士、司法書士、税理士といった第三者が選ばれやすいのさ」

法定後見の注意点とは?

戦闘員A「でもやっばり、私ならパートナーに後見人をやってほしいと思います」

ピンク「そうだよね。愛する人だものね」

レッド「(ピンク、私も君の後見人になれればどんなに幸せか…♡)」

ブルー「でも、法定後見制度だと、専門家に後見業務を担当してもらえるのは安心だろうけど、パートナーに後見してもらいたいという希望は通らないんだよな」

合わせて読みたい:委任契約、任意後見制度と遺言執行者とは?生前から死亡後まで安心の制度について解説!

法定後見制度では後見人への報酬が必要になる可能性

グリーン「あと、法定後見業務を担当する報酬については知ってるかい?」

戦闘員B「いえ、全然…」

グリーン「報酬は本人の財産から支払うことになるのさ。同時に、本人が生きている限り払い続けることになる」

ブルー「専門家のサービスに対する対価として納得ができる場合はいい。でもな、もし後見人に不満があるのに報酬を支払い続けないといけないようなことになると悲惨だろ」

戦闘員A「まったくです。しかも私たちお金もないし…」

レッド「ダマシテヤルー軍団の戦闘員の給料はいくらなんだ? 時給か?」

戦闘員B「飴ちゃん2個です」

ブルー「どんだけブラックなんだよ!」

戦闘員B「闇の組織だからですかね…」

イエロー「せめてカレー1杯くらいにはしなくちゃいけないべ」

レッド「そういう問題じゃないぞ、イエロー…」

※法定後見では専門家が後見人に就任した場合には報酬が発生しますが、親族が就任した場合にはこの限りではありません。

パートナーの同意なく法定後見の申し立てをされてしまうことも

レッド「あと、法定後見の申し立てができるのは4親等以内の親族に限られているんだ。パートナーが反対しても法律上は他人扱い。そこで親族が法定後見を申し立ててしまう可能性がないとも言えない」

戦闘員A「うちの両親に理解があればいいんですけど…」

戦闘員B「うちも」

ブルー「親族にまだ話ができてないってわけか? その場合は、本人とパートナーが置き去りにされたまま後見制度の手配が進んでしまいやすいから気をつけないとな」

グリーン「ほかにも留意点はあるのさ。法定後見制度は本人の状態の重たい順に後見、保佐、補助の3段階があるのさ。それぞれの内容も法律によって決まっていて、本人の状態に応じたテーラーメードの細かい後見業務が設定できないことになるのさ」

ブルー「つまり、自分の判断能力がなくなった後にどんなことをしてもらえるのかに不安がある方は、法定後見制度には向いてねえってことだな」

戦闘員A「ということは、同性パートナー同士にお勧めなのは任意後見制度ってことですか?」

レッド「そういうことだ」

任意後見制度の特徴とは?

ピンク「任意後見は、その名の通り「任意」なの。だから、自分で誰に後見人になってもらうかや後見業務の内容を決めることができるのよ。しかも本人がまだ判断能力があるうちに契約を結ぶことを前提としているから、本人の意思を反映させるやすいの」

戦闘員B「それはイーッ!…じゃなくて、いいですね!」

任意後見は自分で決められる範囲が広い

グリーン「任意後見では、何を任せて費用や報酬はどうするかといった内容を取り決められるのさ。例えば介護や病院の契約はパートナー、貯金管理などのお金に係わることは専門家というふうに役割を分けることもできるのさ」

戦闘員A「契約書を作ったあとは、どう手続きすればいいんですか?」

任意後見は監督人が選任される

ブルー「公証役場に行き、公正証書にしてもらうんだ。法務局に後見契約が登記されて、晴れてふたりの契約関係が国に登録されるってわけよ」

レッド「ああ。でもひとつ注意が必要だ。任意後見契約はすぐに発効されるのではなく、後見が必要な状態になったら家庭裁判所に「任意後見監督人の選任」を申し立てなくてはならない

戦闘員B「あくまでも後見業務をするパートナーを監督する人を家庭裁判所に選んでもらうという形式に則るわけですね」

ピンク「そういうこと! 監督人への報告・チェックが必要になるから、パートナーといえども本人の財産を好き勝手にはできない。ダマシテヤルー軍団が、あなたたちにちょっかいを出すこともできなくなるわ」

任意後見はパートナーとの信頼関係を証明できる

レッド「近年、パートナーシップ制度は全国に広がりを見せている。だが、パートナー証明だけでは何ら法的な効果(代理権や相続権他)は発生せず、通用する地域も当該自治体にとどまることが多いのも現実だ」

ブルー「現在の日本では同性パートナーに関して法の整備が追い付いてない部分もあるんだが、法を理解してうまく使えばより将来の安心が設計できるんだな」

グリーン「任意後見契約は将来判断能力が落ちてしまったとき備えるために自分で作成することができ、対外的にパートナーとの信頼関係を証明することができる…つまり一石二鳥ってわけさ」

 

任意後見制度を検討の方は行政書士などの専門家へご相談を

戦闘員A「みなさん、本当にありがとうございます…私たち、あなた方と出逢えてよかったです」

レッド「うむ。困ったことがあればいつでも来なさい。よい子のみんなも、いつもそばにいてくれるぞ」

戦闘員B「レッドさんとピンクさんの応援もしなくちゃですね!」

ピンク「えっ、ちょっと、やだ♡」

レッド「なななな、待ちたまえ!」

グリーン「ふっ、やれやれなのさ、おふたりさん」

イエロー「カレーとらっきょうの応援もしてほしいべ」

ブルー「だから、それは無理だってばよ…」

 

LGBTや同性パートナーがいる方には将来の財産管理は現実的な問題です。

もし、任意後見のような制度を知らなければ活用することも検討ができないと言えます。

いつ、認知症になったり、判断能力が無くなるかは誰にもわかりませんので、

万が一が来る前に、元気なうちにぜひ活用することでお二人の将来が幸せになることを願っています。

任意後見制度のご相談はお気軽に長岡行政書士事務所にご相談ください。

 

この記事を詳しく読みたい方はこちら:LGBTや同性パートナーの将来のための財産管理~任意後見制度という選択肢~

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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