後から出てきてしまった遺言書の扱いと探し方とは?行政書士が解説!

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自分で遺言を書いたとして、その遺言書が本人の死後もずっと見つからなかったらどうなるのでしょうか。

また、例えば死後10年経って急に見つかって、その遺言書の中の遺産の分け方がまったく実際と違っていたらどうなるのでしょうか。

そう考えると色々と疑問が他にも湧いてきます。

また、その10年後に見つかった遺言書の内容が、長い年月の間に改ざんされていないとどうやって証明するのでしょうか。

ご本人が亡くなられてすぐに遺言書が見つからない、というだけでこれだけわからないことがあるのですね。

本日は相続にお詳しい長岡行政書士様に、この点に関しお聞きしたいと思います。

 

いつも色々とお教えいただき、誠にありがとうございます。

今日は編集部からの素朴な疑問といいますか、あとで遺言書が見つかったらどうなるのか、という点をお伺いしたいと思います。

 

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遺言書は複数書く場合がある

長岡:少しでも皆様の相続に関する疑問へお答えできれば、私としても嬉しい限りです。

そうですね、遺言書には主に自筆証書遺言と公正証書遺言の2タイプあるのですが、自分で書く自筆証書遺言ですと基本的には今までは自分で保管しておいたので、例えばご本人が亡くなってだいぶたってから遺品整理をしてる最中に急に遺言書が見つかったりというケースも確かにありました。また、過去には自筆で書いたものの、後に公正証書遺言を書くケースもあり、複数の遺言書を書くこと自体はあることかなと思います。

最近は自筆証書遺言でも法務省に保管してもらえる遺言書保管制度ができたりと、状況は変わってきています。この法務省による遺言書保管制度は後ほど述べさせていただきますが、全員がこの制度を利用しているわけではないので、まだ故人の遺言書が突然見つかり親戚一同びっくりしてしまうというという事態も発生していますね。

後から発見した遺言書の取り扱い

そうですよね、時間が経って突然遺言書が見つかっても・・・ですよね。

ただ、遺言には時効はないのでしょうか?

極端な話、死後30年経って遺言書が見つかったとしても、もう遺族の方は遺産を分割してそれぞれの道を歩んでいるわけですよね。また、相続人ももしかしたら亡くなって次の相続が発生してるかもしれない。それでも再度時間をさかのぼってやり直すのでしょうか。

 

長岡:実は、遺言には時効がありません。

遺言は「故人の意思表示」ですから、何年経とうとその効力が消滅するものではないのです。

そのため、おっしゃていただいたように遺産分割を済ませたあとで遺言書が見つかった場合でも、その遺言の内容は有効になります。

 

それでは、既に完了した遺産分割を白紙に戻して、改めて再分配しないといけないのでしょうか。そっちの方が大変な作業な気がします・・・

 

長岡:基本的にはその通りです。遺産分割が遺言の内容と食い違っているなら、遺言に沿うように遺産を再分割するのが本来のあるべき姿です。とはいえ、それはあくまでも原則であって、相続人全員の同意が得られれば、遺言の内容に沿っていなくてもすでに完了した遺産分割を有効とすることもできます。

 

ん、今相続人「全員」とおっしゃいました?

 

長岡:はい、全員です。相続人のうちたとえ一人でも同意しない人がいる場合には、遺言の内容を踏まえ、あらためて遺産分割協議からやり直さなくてはならないのです。確かに全員の合意は難しい場合もあるかと思いますが、家庭裁判所に用意されている調停や審判などの手続は、当事者同士の話し合いに加えて裁判所からの提案や判断を出すことで全員が同意できる結論を導き出すお手伝いをする制度です。

 

なるほど、公平な第三者による調停であればより合意に至りやすくなりますね。

 

自筆証書遺言を発見した場合

長岡:さて、後で自分で書いた遺言書が見つかった場合に気をつけなければいけない大切なことがあります。

それは、すぐには開封せず家庭裁判所での検認手続きを終えてから開封する、という事です。

 

検認? 初めて聞きました。

 

自筆証書遺言の検認手続

長岡:はい、検認です。勝手に開封すると過料と言って、行政上の罰金を払わないといけなくなる可能性があります。具体的には家庭裁判所で相続人の立ち会いのもと、裁判官が封がされた遺言書を開封する手続きのことを言います。

この検認手続きには2つの重要な役割があります。

 

  1. 相続人に遺言の存在と内容を知らせる役割
  2. 遺言書の状態を確認する役割

 

1.相続人に遺言の存在と内容を知らせる役割

遺言書が発見され、家庭裁判所へ検認の申し立てが行われると、家庭裁判所は申立人と相続人全員に検認期日の通知を行うため、相続人全員が遺言書の存在を知ることができます。

 

2.遺言書の状態を確認する役割

検認手続きでは、遺言書の形状,加除訂正の状態,日付,署名などの確認を行い遺言書の偽造・変造を防止する役割があります。

 

検認手続きの意味

なるほど、よくわかりました。

この検認では、遺言書の中身も確認するのでしょうか?

 

長岡:いえ、検認はあくまで上記の、遺言の存在の周知と状態確認のための手続きなので、遺言書の中身にはタッチいたしません。なので、検認自体は滞りなく済んでもおかしな内容が見つかって遺言書の有効性が問題になる場合があります。例えば筆跡が本人のものではないのではないか、とか、この遺言書を書いたときには既に認知症になっていたのでは、等ですね。

 

うーん、なかなか油断ができませんね・・・

 

遺言書の適切な保管場所

 ここまで遺言書が見つかった場合の事を教えていただきましたが、ところで、そもそも遺言書はどこに「保管」されていることが多いのでしょうか。

 

長岡:そうですね、多いのが仏壇や自宅書斎の引き出し、金庫ですね。あとは信託銀行や、もし存在するのであれば以前お世話になった法律の専門家のところに預けてあるケースもあります。それこそ千差万別といえます。なので、やはりご本人が亡くなられる前にどこに遺言書が存在するのかをきちんと伝えておくことが大切だと言えるでしょう。また、最初に少し述べさせていただきましたが、自分で書く自筆証書遺言を法務局にて預かってもらえるようになりましたので、こちらの制度を利用すればより安心といえるでしょう。費用の面においても基本的には3,900円が保管の申請に必要なだけなので、大きな負担にはなりません。

 

それはいいことを伺いました。

 

長岡:ただ!気を付けていただきたいのが、繰り返しになり恐縮ですが遺言の内容や形式のチェックが自筆証書遺言にはないので遺言書がきちんと見つかっても無効になる可能性は否定できません。であれば、多少費用と手間がかかっても公正証書遺言を作成することをお勧めしています。

 

すいません、公正証書遺言ってちょっとわからないのですが・・・公証人とか公証役場とかは聞いたことがあるのですが、それがどんな役割をするのかいまいちピンとこなくて

公正証書遺言を発見した場合

長岡:はい、簡単に言うと公証人というのは公に認められた法律の専門家で、そのオフィスが公証役場になります。そしてこの公証人に頼んで作成してもらう遺言書が公正証書遺言となります。

自筆証書遺言と比べてコストと多少の手間がかかってしまうというデメリットがありますが、本人が口述し公証人に作成してもらうので内容の不明確さや形式の不備による遺言の無効というリスクが避けられます。

また、出来上がった遺言書は公証役場に保管してもらうことができ、かつ遺言検索システムに登録されるので、遺族の方はご本人が亡くなってしまった後は最寄りの公証役場に行けばすぐに遺言書を入手することができます。私共の事務所としては公正証書遺言をお勧めしており、必要な証人の手配や一緒に公証役場に同行したり、もしくはご本人様の場所まで公証人に来てもらう手配も行っております。

公正証書遺言は発見した場合、自筆証書遺言と異なり検認手続きが不要であり、即手続きが可能となりますのでこの点からも有用といえます。

 

色々お話伺いましたが、自筆証書遺言にしろ公正証書遺言にしろ、やはり専門家の方にアドバイスをいただきながら慎重に進めていく事が大切なのですね。

 

将来のことを考えると公正証書遺言が安心

後から見つかった遺言書は経過した時間に係わらず有効ですが、相続人全員の合意により遺言書の内容とは別の遺産の分け方が可能となります。また、全員の合意が難航するような場合は家庭裁判所による調停といった第三者による介入も有効です。

気をつけないといけないのは、見つかった遺言書を勝手に開けてはいけないことです。相続人全員への周知徹底と状態の確認のために検認という手続きがあるという事を忘れないでください。

近年法務局による自筆証書遺言の保管制度もはじまりましたが、これはあくまでも保管をしてくれるだけなので内容や形式のチェックはありません。遺言書を残す目的がより安心、安全な相続という事を鑑みると、多少の手間と費用が掛かっても保管だけでなく内容や形式のチェックまでしてくれる公正証書遺言を使う事をお勧めします。

ご不明な点や疑問点がありましたら、是非長岡行政書士事務所にお問い合わせください。

皆様の想いに寄り添い、よりよい相続ができるお手伝いをさせていただければ幸甚です。

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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