なぜ親が子供のために遺言書を書いた方が良いのか?2つの意味とタイミング【吾輩家族の遺言事情7】

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なぜ親が子供のために遺言書を書いた方が良いのか?2つの意味とタイミング【吾輩家族の遺言事情7】

 

吾輩は猫である。

名前はまだなかったが、タマとか猫にゃんとか、いろいろ経て、いまはエリザベスに落ち着いた。吾輩、男なのに。

なんでもわが主がハマりまくっているネットフリックスのドラマの、チェスが強い主人公の名前だそうだ。

いきなり愚痴になるが、わが主ときたら、ひょんなことから行政書士の長岡とやらとよく話すようになり、「あたしも行政書士の資格をとって長岡先生と働くの!」などと言い出した。

いつも食っちゃ寝、飲んじゃ寝のマイペース主婦だったわが主だけに、目標を持つのは喜ばしい。

しかし、参考書を5分開いては、休憩と言ってネフリを2時間見ているものだからむしろ逆であろう。

とはいえ、気持ちだけはいっぱしの行政書士(気が早いが)のようで、最近はわが主の親、つまり我が祖父とも呼べるじいさまが遺言書を書こうとしはじめた。

「でもねえ遺言書を書くタイミング、いつ書けばいいのだろう…」

そんなふうに悩んでは、またネフリを2~3時間。話が全く進まない。

仕方がないので、吾輩、長岡事務所の近くをいつもよく飛んでいる雀たちのひとりで、雀のお宿ならぬ雀の飲み屋をやっている、チュン子ママにこっそり聞いてみた。

チュン子ママは、長岡とやらがこの手の相談に乗っているのをよく聞いてすっかり覚えてしまったようで、チュンチュン言いながら教えてくれたのだった。

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親が遺言書を子供に書く意味は?

吾輩「チュン子ママ、さっき話してくれた親が遺言書を子供に書く意味だがな。相続手続きを進めるための意味相続人の間での感情的な意味とはどういうことなのだ?」

相続手続きを進めることの意味

ママ「まずは相続手続きを円滑に進めるって意味から行きましょうかね。被相続人の財産は相続人や遺言執行者が手続きを執行するのはご存じかしら、エリザベスちゃん」

吾輩「…エリザベスと呼ぶでない」

ママ「ほほほ。相続といえば、遺産分割よね。一般的な遺産分割の流れは、まぁこんな感じよ」

  • 相続人の出生から死亡までの戸籍を集める
  • 遺産分割協議を行った上で相続人全員の合意を得る
  • 協議書に全相続人の署名捺印の上、印鑑証明書を揃える
  • 各種手続きを執行する

吾輩「うむ、このあたりは吾輩も長岡とやらから聞いたことがある」

ママ「そうね、相続において「各種手続き」に行きつくまでが大変なのよ、やたら時間や労力がかかっちゃうもの。だから各種手続きが進まないケースも多いのよね。男も手続きも、面倒なのはモテやしないわよね」

吾輩「だから遺言書を作成して、相続の工程をいくつか省くことで、相続の手続きを進めやすくなるのであろう? こんなふうに」

合わせて読みたい!遺言書がある場合・ない場合の相続手続を行政書士が解説|相続の流れと遺言執行の流れ

相続人間の感情的な意味

ママ「あら、さすが。話が早いわ。じゃ、感情的な面にいくわね。人の親も猫の親も雀の親も、子を思う気持ちには変わりがないものでしょ。親が自らの意思表示ができるってことは、子どもや孫たち相続人に自分の気持ちや、財産に関する考え方を伝えるいい機会ってわけね」

吾輩「しかるに、遺言書の内容が相続人にとって不利な記載になっていた場合でも、親が自らの気持ちや意思を伝えることによって、『ママはそうやって考えてくれていたんだ…』とか『パパの気持ち、わかったよ』と受け止められるわけだな」

ママ「エリザベスちゃんのキャラでパパママ言うとおかしくって仕方がないわ」

吾輩「…だからな…皆まで言わせるな」

ママ「こーわーいー。冗談よ。だからうちとこの長岡センセもね、『遺された方々が親の気持ちを汲み取り、納得できる相続ができれば素敵ですよね』っていつも言ってるのよ」

吾輩「うむ。吾輩もそこは賛同する。まあ問題は、わが主が親にどうやって切り出すかだな」

親が遺言書を書くタイミングは?

ママ「決まってるじゃないの、恋も遺言書もタイミング次第よ」

吾輩「む? 吾輩…想い人、いや、想い猫などおらぬが?」

大病を患うときや近い親族などが亡くなったとき

ママ「やだあ、例えよ、た・と・え。親が遺言書を書くタイミングとしては、たとえば自分自身が病気を患ったときとか、配偶者や近しい親族が亡くなったときなんかがいいわけなのよ」

吾輩「なんだか弱り目に付け込むようで好かんな」

ママ「ところが、そうでもないの。弱り目じゃなくて、ある意味で、危機意識ね。病気になったら、いま遺言書をやっておかないとヤバイかもって思えるでしょう?」

吾輩「ふむう、一理なくはない」

ママ「それにね、自分自身も気持ちの整理がつかず、心の奥底に秘めていた感情がね、表に出てくることもあるのよ。今まで隠していた感情が出てきたタイミングで、子どもと向き合ってみたら…人生と愛のドラマが生まれるわ」

吾輩「別にドラマとやらは生まれんでもいいが…。配偶者や親族が亡くなったときも似たようなものなのか?」

ママ「それはどっちかというと現実的な話よ。例えば、長岡センセのとこで、母の相続の手続きをする際に数十人の相続人がいたことがあってね。相続手続きに1年以上の月日を費やしたのよ。もう大河ドラマ並みに長いわよね」

吾輩「だからドラマはどうでもいいのだ…。まあ子どもに相続の負担をかけないため、前向きに遺言書の作成しようかという気持ちにならんでもないな」

ママ「そういう時を見計らって、告白…じゃなくて、遺言書を書いたらいいんじゃない?」

親に遺言書を書いてもらう際のポイントは?

吾輩「では実際に、遺言書を書く気になったとしよう。そのときに、子としてどんな助言をしてやればよいのか?」

遺言書の種類と書き方のルールをまず知ってもらうことが大事

ママ「まあ、いろいろあるけど、少なくとも親には遺言書の種類と書き方のルールは知っててほしいわよね」

吾輩「でも世俗の者どもは、まずそんなこと知らぬであろう?」

ママ「ふふ…だから、うちとこの長岡センセのような行政書士さんとかがいるんじゃないの。ちなみにそれぞれの説明は、ここでは省くから、よかったらこっちを見てね」

合わせて読みたい!遺言書の書き方・方式・注意点を行政書士事務所の事例と共に解説!

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親が子供に遺言書を作成する際は専門家に相談を

ママ「遺言はもちろん自分たちでも用意できるものだけど、やっぱり、あとで無効になったとかトラブルになりたくないじゃない? だから専門家に依頼するのが間違いないわよ」

吾輩「確かに、専門家ならばさまざまな事例を知っていようからな」

ママ「タイミングを見計らって、専門家に協力をしてもらいながら、相手のハートを射止めるのがイチバンよ」

吾輩「なんだかハートを射止めるというのは違う気もするが…」

ママ「エリザベスちゃんも、なんだかんだ言って親思いじゃない。要するに、いまあなたがやっていることを、あなたの主ちゃんもやっていけばいいってことね」

吾輩「そうだな。さすがはチュン子ママである。吾輩、感服したぞ」

ママ「お安い御用よ。あら、長岡センセが帰ってきたわ。って、あの人、主ちゃんじゃない? …ちょっと、エリザベスちゃんと同じ質問をしてるわよ」

吾輩「…親子は似ると言うが、まったく恥ずかしいものだな」

 

この記事を詳しく読みたい方はこちら:親に遺言書を書いてもらう意味とタイミングを行政書士事務所として相談を受けた経験から解説

 

 
行政書士 長岡 真也
この記事の執筆・監修者:長岡 真也(行政書士)
神奈川県行政書士会所属(第12091446号)
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